「花仙庵 仙仁温泉 岩の湯」信州に最高の温泉宿があった!
「日本秘湯を守る会」の温泉が好きで、見つけては温泉旅行をしている…という話は、以前もしたことがありました。
しかし、今回はこれまた最高レベルの秘湯。
どちらかと言えばこの“日本秘湯を守る会”に属しているのは、鄙びた温泉旅館が多いのですが
ここは帰りたくなくなるぐらい、居心地の良い温泉旅館。
信州にあって「日本一予約の取れない旅館」と言われるのも納得です。
私は店員さんのサービスや温泉もさることながら、一番気に入ってしまったのはここの建築。
日本家屋の温泉旅館はただでさえ居心地が良いものですが、
ここまで計算し尽くされたものは、ちょっと他では見当たらないものと思います。
随所にこだわりの感じられる、和の佇まい。
これは一度来たら、やみつきになる人が多いのも納得です。
洞窟温泉風呂
ここの満足度の高い理由の一つに、温泉がちょっと見たことのない驚きがあった、という事が大きいかもしれません。
普通に大浴場はあるのですが、なんとその奥に男女で入れる千人風呂があります。
この千人風呂が、洞窟になっているのです。
“千人風呂”は、男女で共用の温泉風呂のことをこう呼ぶんですが、ここの千人風呂は温泉の“仙仁”に掛けてか、“仙人風呂”と書いてあります。
確かに、こんな洞窟風呂は見たことないし、普通の“千人風呂”とは違う“仙人風呂”がピッタリかもしれません。
大浴場は男女別に分かれていますが、その奥に洞窟風呂があります。
大浴場の入り口にある、洞窟風呂用の服を着て入っていくと
二手に分かれていて、左に行くとすぐ行き止まり。
右手に行くと、暗い洞窟の中をそのまま進んだ奥に、滝があります。
この滝は這って上がれるようになっていて、上がったところに4人位でゆっくり出来るスペースが。
洞窟の一番奥で、滝を見下ろしながらゆったり温泉に入るのはとてもいい気分でした。
貸切温泉風呂
驚きの洞窟風呂以外に、貸し切り温泉風呂が4つあります。
3つは新設の夢想の湯、野守の湯、風姿の湯。
これらがとてもゆったりしていて、よくある“貸し切り風呂”の窮屈さがありません。そして当然ながら、全て露天風呂付き。とてもゆったりしたスペースになっていて、あまりに居心地が良く、後の人も使うと思いつつ、ついつい長湯してしまいます。
だから、この3つは争奪戦。
特に翌日の朝早く、朝食後は奪い合いになります。
その代わり、宿自体のチェックインは早く、昼の2時から。
チェックアウトもゆったりで、なんと昼の12時まで!
だから、遅めに起きた我々のようなお寝坊さんも、朝食後の出発前に、
貸し切り温泉風呂にありつくことが出来ました。
この3つの貸し切り温泉風呂以外にもう一つ、“家族風呂”がありました。
こちらは上の3つよりはかなりサイズが小さく、露天風呂がありません。
初めからあったのはこちらのみだったようです。
後から増築した際に、「貸し切り温泉風呂をもっと作ろう」ということになったのでしょうね。
ゆったりした共用スペース
まるで「本を読んでください」と言わんばかりの書斎スペースが、たくさんあります。
私達の泊まった宿の部屋にも本が置いてありました。
これは「非日常ではなく、日常の延長のような宿」をコンセプトとしたためだそうです。
気持ちは文豪気分?
ここまで本が並んでいると、さすがに本を読む気になってきますね。
蔵書スペースの他にも、温泉後に水や麦茶を飲む椅子やテーブルなどの置いてあるスペースがいくつもあります。
全て、部屋の中というよりは自然の中のような、オープンスペースになっていることに気づきます。
もしくは半部屋、部屋の中であっても窓が大胆に切り抜けになっていたり、屋根がなかったり。
増築した際に、まるで迷路のように不思議な接ぎ方をしています。
それが一層魅力的に思えてしまいました。
夕食
北信濃文月のおもてなし
煎り玄米スープ
山里のお造り
鮎の塩焼き
郷の恵み
黒姫産とうもろこしのすり流し
和牛フィレ肉の杉香焼き
梅ゼリー
焼き茄子
豆ご飯とお味噌汁、お漬物
デザート
夕食の内容にはまた驚かされました。
“地産地消”をコンセプトにしているところに、思わず唸ります。
ごく当たり前の地元の野菜を、創意工夫で美味しくショーアップする。
例えば「山里のお造り」は鯉の刺身と鮎の刺身でした。
これは驚いた!だって普通は、マグロ等が出てくるのが当たり前だと思いますよね。
でもよく考えれば、周りに海がない山の中であったり海もない県であるにもかかわらず、
お刺身が必ず出てくる。これは本来おかしいことです。
これを綺麗サッパリやめてしまい、ちゃんと地元のものを出そうという考え方が素晴らしい。
「里の恵み」は八町胡瓜でした。
地元の野菜を使うことで、地元の農家が潤います。
これを、単に「北海道ナンタラカンタラの〜、九州ドコドコ産の〜」、なんてやると聞こえは美味しそうですが
上がるのは旅館の名声だけ。
ところが、地元産の野菜を使うと、この旅館の名声が高ければその分だけ、地元の農家さんも同時に潤うことが出来るのです。
つまり、地方の活性化に繋がります。
酒は、
須坂 遠藤酒造 渓流 の清酒と
大雪渓酒造 夏の純米酒 美山錦100
を選んでみました。
絶対また来たい!
こちらの旅館に驚いたのは、そればかりではありませんでした。
なんとここの旅館、クリスマス、年末年始を休むんですって!
その理由にまた驚きます。
「従業員のため」。
働いてくれる従業員に笑顔が無いと、心からのサービスが出来なくなる、
そのために年末年始を休むのだそうです…。
信じられない!
普通、宿屋は年末年始はかきいれ時です。
割増料金どころではなく、2倍の値段を取るところもあります。
さすがに、お客さんだってたまの休みに、ここに来たい人は居るだろうに…
元旅行業としては、腰が抜けるほど驚きました。
呆れました。
とにかく、ここの経営者は常識から外れた考え方の出来る人のようです。
見上げたものです。普通じゃなかなか真似出来ませんね。
絶対また来たいと思います。
時々ポケモンが遊びに来てましたよ。
珍しいとされるポケモン「ピッピ」も見つかりました。
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コメント(2件)
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とらねこさん☆
なぁぁぁぁんて素敵な佇まい!!
本当に趣のある建築で、どのショットを見ても絵になるね☆
これは是非とも行って見たいわ!!
貸切風呂も本当に素敵だけど、洞窟風呂までも貸切??よく写真撮れたねぇ~~
なかなか風呂にスマホを持っていく勇気はないケド…
そして暗いのに上手に撮れてる~~
鮎のお刺身って珍しいっ!お料理の演出も素敵だね。
ノルウェーまだ〜むさんへ
こんにちは〜♪
ここすごい大満足の宿でしたよー。
洞窟風呂は貸し切りじゃないんだけど、誰も居ない時間を狙いましたー。
ここ朝食が8:30〜10:00の間と少し遅いためか、みんな8:30にご飯に行ってたようです。
朝風呂浴びてちょうどいい時間ですよね。
我々は8:20に起きて、その後洞窟風呂に行ったら案の定誰も居ませんでした。
風呂で誰も居ない時間を狙うならいつも夕食時なんですけど
、今回我々の到着も早くて、2時に着いちゃったので、夕食時はズラすのがキツかったの。
鮎のお刺身珍しいけれど、全く臭みもないし本当に美味しかったです。