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サンフランシスコ記 最後の大事件【前編】

(前日の続き)
ナパバレーでは夕方少し前までのんびりし、いよいよ最終日。
サンフランシスコに再びフェリーで戻ってきました。

自転車での移動をスムーズに行いたかったため、
荷物は一泊分のみ持ち、ナパに移動。
その他の大きな荷物は、サンフランシスコのホステルに預けておいたのです。

全日のサンフランシスコのホステルで、相部屋になった現地在住の通訳の方(以降Yさんと呼びます)と仲良くなり、
彼女に頼んでホステルに荷物を預けることが可能になったのでした。
Yさんはサンフランシスコで結婚し、後に離婚。
一人でマンション暮らしをしていたYさんですが、3ヶ月前に白内障になってしまい
手術の予約がなかなか取れずに、通訳の仕事が出来なくなってしまったとのことでした。
お金が払えなくなると途端、マンションを追い出されてしまったそうです。
そして、そこのホステルに移り住んで来たとのことでした。

サンフランシスコはなかなか家賃が高いのだとか。
ホステルにはその他何人も働きながら住んでいる低所得者の方がそこに住んでいるようでした。
皆、何か大きなトラブルがあったり、破産したり、困った状況に陥らざるを得なくなった人たちばかり。
もちろん若い人ばかりではなく、様々な年代の方でした。

その中に一人、パリのル・コルドン・ブルーでフランス料理を習ったというシェフの方も居ました。
前回泊まった時の話ですが、そのシェフの方が腕を振るって夕食会をしてくれました。
私も混ぜてもらいました。
IMG_6464
鶏肉と豆の煮込みと、チンゲンサイとキノコの炒め物。
ご飯はジャスミンライスで、アジア風。
(もしかして私や合わせてくれたのかな?)
レストランの食事ばかりだったので、誰かの手料理が食べれるなんて予想していなくて、すごく嬉しかった!

私は手持ちのワインを出しました。
その時はまだナパには行っておらず、手元にはヨセミテロッジで飲んだワインの残りがあったのみ。
ミニボトルのワインの、しかも飲み残りで申し訳なかったのですが、喜んでもらえました。
「他の奴ら、全然シェアするという精神が分かってないんだよ」
なんて言ったりしてましたね。
シェフはゲイの方だったのですが、ズバリ物を言うタイプで、初めて会う私にも全く遠慮なし。
旅行者でありながら、彼らの生活にポンと入り込んだような、そんな楽しいひとときを過ごさせてもらいました。
たったの1泊だけれど、いろんな話をしてすっかり別の角度からサンフランシスコが見れたような、そんな思いになりました。

最終日にもう一度サンフランシスコに戻ってきた時、再びフィッシャーマンズワーフに行きました(そのレポートはすでに書きましたが)。
最後にサンフランシスコの夕日をそこから眺めようかな、と思ったのです。

IMG_6554

フィッシャーマンズワーフで夕日を見た後、のんびり夕飯でも食べ、
その後にホステルへ荷物を取りに行こうと思っていました。

夕日を見た後に、通訳のYさんに「これからフィッシャーマンズワーフでクラムチャウダーでも食べるよ」なんてメールしたら、
「フィッシャーマンズワーフのクラムチャウダーなんて全然美味しくない、
そんなものを食べる位なら、チャイナタウンの◯◯で海鮮焼きそばを食べるべき!」
なんて力強くお勧めされました。

時間的なことも考えてピッタリの計画を立てていたので、
もしフィッシャーマンズワーフからチャイナタウンに行くなら時間的に余裕や、迷ってる暇はありません。
行くならサッサと移動しないと!
でも、そこまで言うならせっかくだから行こうか、と思いました。

そして、タクシーアプリのUBERで移動することに決めました。

UBERをすぐに呼びましたが、その場所にはタクシーが流しでたくさん通っていたようで
タクシーが私を見て次々に止まろうとします。
UBERは呼んでしまった以上はキャンセルするとお金がかかってしまうので(一度経験していました)、
注意しなければいけません。
UBERは呼ぶときにタクシー運転手の名前が出るのですが、最初のタクシーが止まった時にすぐ来たと思い、運転手の名前を見ずにアプリを閉じてしまったのです。

この小さなミスが、大きなミスに繋がることに…。

自分の名前を告げ、呼んだUBERか?と聞いたら返事をしたのに、
そのおじいさんタクシー運転手は、普通のタクシー会社だったのです。
モゴモゴと言うことも不鮮明。
「間違えるところだった」と、私は急いでタクシーを降りました。

ところがその時、最後のお土産のためたくさん買い物をした後でした。
買い物袋と自分のバッグを2つ、合計3つの袋を下げていたのですが
急いで降りた時に、その中の一つの袋を別のタクシーの車の中に置きっぱなしにしてしまった!
後で来たUBERに乗り込んだ後、すぐに気づきました。

置き忘れてしまったバッグは、自分の私物が入った巾着袋(Golden State Warriorsの模様のもの、着替え等が入っている)。
ところがその中になんと、iPhoneを入れてしまったのです。

それはシムフリーiPhoneで、アメリカで通話とメールが出来るように、シムを買って入れ替えたもの。
カリフォルニア旅行の間中、ずっと役に立ってくれていたものです。
iPhoneをアメリカで無くしたら、どんなことになるか…!
いくら指紋認証になっていたとは言え、この中に今回の旅行の全部の写真や、様々な情報が入っていたのです。

そのタクシー運転手に事情を話しましたが、流しのタクシーなのでどうも捕まえようがありません。

しかし!
iPhoneであれば、「iPhoneを探す」アプリで現在地が分かるじゃないですか!
いろいろ話をしましたが、そのことにふと思いつきました。
ところがそのタクシー運転手はiPhoneは持っていましたが、「iPhoneを探す」アプリは入っていなかったのです。

チャイナタウンに向かうのは当然やめ、シヴィックセンター近くにあるホステルに向かいました。
いずれにせよ自分の荷物がそこにあるからです。

タクシー運転手は、インド系の方でした。
「iPhoneを探す」アプリはダウンロードしてくれたので、私のAppleアカウントで入ってみると
さっき行ったフィッシャーマンズワーフのところに私のiPhoneはあるようでした。
60ドルほどかけて、せっかくホステルへ着いたのに…。

ひとまず、自分の荷物を引き取り、通訳のYさんに相談することにしました。

ホステルに行き、Yさんに事情を急いで打ち明けました。
そしてYさんの「iPhoneを探す」アプリで探したところ、私のiPhoneはまだフィッシャーマンズワーフのところに止まっていました。
すぐにフィッシャーマンズワーフに行けば、間に合いそうです。でも、ここからは少し距離があるので、早く行かないと移動してしまう。
私はサンフランシスコに知り合いが一人も居ないので、Yさんに頼るしか無かったのです。

当然、Yさんが一緒に来てくれないと、つまり「iPhoneを探す」アプリが無いと、私のiPhoneの現在地が分かりません。
移動してしまったが最後なのです。

ところが、Yさんは目が良く見えない(度の合っていない眼鏡しか無いとのこと)ので、出かけたくない、と言います。
そして、iPhoneを貸してもくれないのでした。
まあ、そりゃそうでしょう。
何時間も話しましたが、一宿一飯の仲であるだけです。
私はその後飛行機の時間もあります。
私にそのままiPhoneを持ち去られてしまったら、とYさんが考え、iPhoneを貸す訳には行かない、と言い張るのも無理のないことではありました。
しかし、ここで借りられないと、手ぶらで出かけるしか無くなってしまう。

iPhoneが移動してしまったら最後、もう追いかけることは出来なくなる、
私は最後のチャンスとかなり粘ってしまいました。
その間、刻一刻と時間は過ぎていきます。

結局、iPhoneは貸してはもらえず。
しかし諦めきれないまま、ホステルを後にし、
肩を落として再びフィッシャーマンズワーフに向かいました。

(後編へ続く)

 

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コメント(2件)

  1. とらねこさん!!
    続きは後編で・・・って気になってしょうがないよぉう!!
    まるで映画「64」じゃん…

    英語に慣れたとらねこさんでも、そんなトラブルに巻き込まれちゃうのねぇ。
    とにかく続きを早く見せてぇ~

  2. ノルウェーまだ〜むさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。

    「前後編や2つに分かれた映画は見ない」とか普段言ってる癖に、自分が2つに分けた記事を書いてしまった…
    ごめんなさい^^;
    だって、いくらなんでも長くなっちゃったんだもの〜
    前日譚もあるしさ。

    いやー、私が完全にウッカリしていたんですよ〜
    でも、毎回海外旅行行く度、何かしらトラブルって発生したりしません?
    あれ、そんなことない?^^;




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