『パディントン』 心優しき子ぐまの冒険
大人も童心に戻って楽しめるファミリームービーで大満足。めちゃめちゃ笑ったし泣いた!…と思いきや、案外評判悪くて驚いてしまった。童心に戻る系の作品だと私は、ここぞとばかりに大人を放棄しちゃうみたい。
私が気に入ったのは、クマが可愛いとかそんなことじゃなくて、爆笑連続のアクション満載だったから。
先日見たハロルド・ロイドの『ロイドのスピーディー』が本当に気に入ってしまったのだけれど、何気ないシーンでギャグ大連発するのが、私は本当に大好き。これはユーモアのセンスの問題なのかな。特に、ちゃんとアクションで見せてくれるのがポイント。街の中でクマが大暴走するところなんて、サイレントコメディそのもの!
故郷のペルーの家は被災してしまい、マーマレードジャムいっぱいの瓶と一緒に渡航する捨てられた子ぐま。いっぱいあったはずのジャムはすっかり全部食べちゃうし、来てみたらロンドンの人間はとても冷たいし…駅のホームで、すっかり悲しい思いをしていたクマの姿になんだか切なくなっちゃった。私も田舎から出てきて、都会の人達があんなふうに皆忙しそうにソソクサと通り過ぎたりしたら、寂しくて心もとなくて泣きたくなっちゃうだろうな。
意気消沈した子ぐまは、パディントン駅のちょうど「Lost&Found」の前に居る。これは日本語だと「遺失物保管所」なんだけど。ブラウンさん一家が通り過ぎた時に、子ぐまの後ろの「Lost」の文字(←“迷った”という意味もある)に灯りが付いていて、「Found」だけチカチカと点滅しているのね。そこへ優しいお母さんが、思わず子ぐまに声をかける。その瞬間、「Found」(←“見つけた”という意味もある)にチカッと灯りがともるの。この映像の優しさに思わず泣いちゃったよ。なんて繊細な描写なんだろう!って。ああ、この映画は私きっと大好きだわ、と安心してしまった。
ブラウンさん一家の壁紙アートで、みんなの心を表現しているのもとっても好きだな。
アクションでは、ミッション・インポッシブルやメリー・ポピンズオマージュもあった。ミッション・インポッシブルは1だけじゃなくて、5もあったね。
マーマレードジャムを作るシーンが大好きだった。とっても美味しそう!
関連記事
-
-
『レッドタートル ある島の物語』 戻ってこないリアリティライン
心の繊細な部分にそっと触れるような、みずみずしさ。 この作品について語...
記事を読む
-
-
『君の名は。』 スレ違いと絆の深さとピュアピュア度合いについて。
今夏の目玉映画として期待されていた訳でもないだろうに、残暑の中、なんと...
記事を読む
-
-
『ファインディング・ドリー』 冒険も人生、帰ってくるも人生
『ファインディング・ニモ』は当時大好きな作品だったけれど、最近はピクサ...
記事を読む
-
-
イジー・トルンカ『真夏の夜の夢』 陶酔!夏の夢まぼろし
イジー・トルンカの長編「真夏の夜の夢」 (1959年/73分) 今回初...
記事を読む
こちらがお気にいられたのなら、ポール・キング監督のテレビコメディ「マイティ・ブーシュ」もオススメです。
やっぱモンティパイソンの国だなあと思わされるシュールにぶっ飛んだ番組で、かなり面白いです。
日本版も出てますよ。
ノラネコさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
パディントンのポール・キング監督、映画は脚本ばかりで長編は1作のみだと思っていたんですが、TVシリーズまでノラさんは追いかけていたんですね!へええ〜
次作もまた、この監督が続投するんですね。この作品の世界中でのヒットも、「監督の感性に負うところが多い」と喜んで迎え入れられた辺り、さすがだなあと思います。
私もこの作品、監督が素晴らしかったからだと思っているので
続編も楽しみになりました!
これはもう一回見たいな〜。大好き!
クマくんのリアルさが半端ない割に二足歩行というアンバランスさ加減が気になって(笑)
自分の名を言うときの咆哮に「えぇ~?」でしたよ(笑)
>寂しくて心もとなくて泣きたくなっちゃうだろうな。
とらねこさんなら大丈夫です。放っておけませんので
声掛けられすぎて警察に通報する側になるでしょう(笑)
itukaさんへ
こんにちは〜♪コメントありがとうございます。
ハハハ、人間の言葉は喋れるけれど、クマの名前は咆哮というのは面白い設定だなと。
「元々別の名前がある難民が、別の国で他の名前を付けられる」という現象は、本人からすると自分のオリジナルな名前を軽んじられているような気がするものだと思うのですが、
別の国の人には「発音しにくい」ということであれば、納得ですよね!
itukaさん、私全然可愛らしいクマのような見た目では無いんです…
もし捨て子になってしまったら、温かい家族に拾ってもらえたら嬉しいなあ。
誰も声かけてもらえなかったら、itukaさん骨を拾ってくださいね!
こんにちは。
こんなに「クマ」と人間家族が暖かく交流できるなんて~
ロンドン子は誰でも受け入れてくれるって正解ですね。
数年前訪れた時も感じました。
あのパパも最後はパディントンの最大の味方になってくれるなんて・・・・。一家が個性的なのも気に入りました~
ただ一人悪役を務めた美女(ニコールキッドマン似)も良かったです!
cinema_61さんへ
こんにちは〜♪コメントありがとうございました。
ロンドンっ子は本を読んだ印象や、数年前に観光に行った印象だと、冷たい人が多いなあなんて思いました。
しょっちゅう雨が降っていたり天気も良くないせいか、人々がツンケンしている…なんていう冗談もありますね。
わからず屋のパパのせいで家族が本当は窮屈な思いをしていたんですよね。
でもパパも本当は若い頃はヒッピーみたいな自由人だったこと、そういう裏設定も結構効いてましたね♪
ニコール・キッドマン似とは?!彼女本人ですよ…。
アハハ、確かに彼女は若く見えましたね!中にはcinema61さんみたいに、「ニコール・キッドマン似の別の若い子」と思った人も他にもいました!
これはよかったですね!
両親と、こどもが姉弟、お父さんが厳しそう、というのは「メリー・ポピンズ」を思わせます。あ、こちらは、おばあちゃんもいますけど。
こういう固定人気のある(?)話の映画化は下手をすると大失敗すると思うのですが(主役がクマなのも難しい)、とても暖かくて楽しいものになっていました。
私もまたいつか見たいです。
http://bojingles.blog3.fc2.com/blog-entry-3037.html
こんばんばん。これ、評判悪いのかな? わたしはいい評判しか聞いてないけど…
おうちを求めて道端でしょぼくれる毛むくじゃらの物体。こういうのどっかで見たことが… そう、まるでチェブラーシカじゃないですか!
だからかラストでパディントンが気持ちよさそうに「ああ、家だ…」というシーンには「よかったね~」と鼻水がダラダラと垂れました
ボーさんへ
こちらにもありがとうございます♪
メリー・ポピンズオマージュ、私もそう思いました!(記事にも書いてます)
私これはオリジナルの物語を全然知らなかったんですー。
なので、「半裸のクマ」だし「マーマレードジャム」がはちみつを思い出させるし、クマのプーさんに似すぎだなあなんて思っちゃいました。
私もこれ、もう一度再見したいなあ。
SGA屋伍一さんへ
こちらにもどうも♪
チェブラーシカ、実は私もそう思ったの!SGAさんぐらいだなー、それ指摘してくれた人。
だって、「毛むくじゃら」の「正体不明」(南米からやって来たけれど、“異星人”扱い)、しかも「マーマレードのジャムの箱」に入れられて来るんだものね。
しかもね、実は私と同じチェブラーシカ好きのブロガーさんと一緒に見たから、余計そういうこと考えながら見ちゃったの!
SGAさんの鼻水発言、毛むくじゃらの物体として君も似合うよ…
熱い国に住む毛むくじゃらの人…(え?そんなに毛は生えてない?)