新春らしい娯楽大作 『千年医師物語 ペルシアの彼方へ』
雄大な砂漠を背にしたルックに、欧州から回教徒の国へと渡る主人公。
その壮大な一代記に思わず『アラビアのロレンス』を想像し、期待が膨らんでしまった。
脇を固めるオヤジ俳優が、ステラン・スカルスガルドにベン・キングスレー、というのもワクワクしてしまうし!(後者はターバン姿で『ガンジー』も思い出させますよネ!)
オヤジに惹かれつつフラリ見たものの、開けてみれば若きイケメン主人公の優雅さに、
嗚呼、気持ちを持っていかれること×2!!
トム・ペインは鮮やかな碧眼で目元の深みが知的さを漂わせ、少しハスキーなクイーンイングリッシュは声を聴いているだけで麗しい御姿!
若い頃の、いや髪がフサフサだった頃のジュード・ロウによく似ている!(声やアクセントが本当に良く似てるのよ。)
ただし率直に言えば、物語自体は至極オーソドックスな娯楽大作。
「理髪師」がイコール「医師」の意味を持っていた時代のこと、一般的な知識としてはあっても、
実はこの職業について描かれた物語ってそれ自体珍しいと云えるよね。
だからその辺で満足してあげちゃう、甘めな観客にとっては良いかもしれん。
ちなみに原題の”the Physician”は「医者」という意味だけど、「内科」という意味合いの方が強い。
人間の内側で起こる病気がまだまだ発展途上だった時代、盲腸(side sickness)をはじめとした内臓系の病気は、
何も施しようの無い絶望的な病気だったのか、とつくづく。
そう言えば、日本では気軽なイメージの同手術も、アメリカでこれを受けるとなると、
人によっては保険医療費の被加入者でない場合、それこそ破産する人も居る恐ろしい病気であったことも、ふと思い出したり。
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もっと地味でお堅い感じの作品なのかと思ったら
とってもお金のかかった娯楽作でびっくりでした(笑)
私もオヤジ俳優に釣られて観た口ですが
残念ながら若きイケメンは対象外なので
気持ちは持っていかれませんでした(笑)
amiさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
そうそう、真面目でシリアスタッチの物語を想像していたら、意外にも見やすい娯楽大作なんですよね!w
でも結構評判いいみたいで、見た人のレビュー探すとみんな好意的なんですよね。
おや!「イケメンは対象外」、ときっぱりと言うamiさん、カッコ良す♪
だってー、全盛期の頃のジュード・ロウを思い出すと思いません?彼の美しい瞳が!
喋り方もなんだか高貴な匂いのする、素敵なイケメンだと思いましたわー。ホホホ