舞台『LENNON レノン』を見た
ジョン・レノンの歌を何よりも聴きたい日に行って来ました。
ジョンの命日に、舞台版『LENNON レノン』。
今回、日本初上演だそうです。
舞台と言っても極めてシンプル。
ジョンの曲を、ビートルズ時代のもの、ソロ時代のものと織り交ぜて、MCを加えながら歌うといったものでした。
本来MCとは歌の合間に入れるお喋りですが、この舞台版『LENNON レノン』では、「ジョンならもしかしたらこう言ったかもしれない」、そんな気分になるようなものを作り上げています。
バンドではなく、ピアノとギター一本という生演奏。
ピアノの傍らにはサウンドボックスがあり、ところどころドラム的な重低音を、足で響かせていました。
もう決して肉眼では見ることのできないジョンの歌だから、こんなに心を動かされてしまうのでしょうか。
「ジョンがもし目の前にいたら、こんなこと言っただろうか」
そう想像を働かせるだけで、なんだか心がざわざわと動かされました。
57歳のジョン・ウォーターズさんが歌う歌は、少し声がひび割れていて、
だけどあったかい声でした。
ジョンの声によく似せてはいるけれども、それらに足された“年輪”を感じさせるものでした。
それが、心地よかった。
ジョン・ウォーターズさん自身、還暦に近いこともあって、見た目が決して若くないんですね。当たり前だけれど。
だからこそ「ジョンがもし生きていたら」ということを考えてしまう。
そして、泣けてしまう…。
ジョンの歌詞って、まるで自分の心の中を開いて見せるような赤裸々さがあって、心にとても響くのです。
ジョンの歌、こんなことを歌っていたんだ、と驚きと共に衝撃もあって。
というのは、私はビートルズやジョンの曲を、どんな歌詞だったかあまりよく分かっていなかったのです。
実際どのバンドの曲でも、あまり「歌詞を先行して」聞く方ではありませんし。音楽はトラックで聞くので、歌詞カードなんてまじめに読んじゃいなかったのです。
歌を聞く時でも、歌詞はあまり聞いていない方だったので…。
ジョンの“世界観”を表現した舞台は、ただそれだけで、とても感動的でした。
見て良かった。
やはり、五発の銃弾の音には改めて傷つくところもあったけれど。
まあこういう表現なのでしょう。
35年前の今日かあ…。
ちなみにこの日は初日だったためか、出演者によるトークショーもありました。
2015/12/12 | 舞台・演劇
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