『ふしぎな庭』 ポヤル&シュチェパーネク
『クーキー&チェコアニメ週間』にて鑑賞。
機会がある毎にほんのちょっぴりづつ見続けて、いつしかすっかりチェコアニメ好きに。
1年に1度位はチェコアニメを見たいな。
今回は、『リトル・プリンス 星の王子さまと私』の中の、『星の王子さま』のストップモーションアニメ部分がとても良く出来ていて、
ああ、本物のチェコアニメが観たいなあ、とすっかりその気になっていたところだったので、
これはいい機会♪と飛びついたのでありました。
ブジェチスラフ・ポヤルが監督、ミロスラフ・シュチェパーネクが美術を務めたもの。今回は『ふしぎな庭』シリーズ4作品。
1.「動物がすきな男」(1974年/15分)
2. 「広がる霧」(1975年/14分)
3. 「トラを捕まえろ」(1976年/17分)
4. 「銀紙に包まれたねずみの話」(1977年/15分)
(ああ、ちゃんと記録しておくと忘れなくっていいわねw
チェコアニメは短編のシリーズ物で、毎回好きに上映側がプログラムを組むので
一体何を見て何を見ていないのか、分からなくなってしまうのだ…)
1.「動物がすきな男」
こちら、ペンタッチが感じられる2Dアニメに感激。
絵画そのものがアニメーションになっているのでした。『かぐや姫の物語』なんかはポヤルを元にしたのだろうか、なんて思ったりした。
ここに出てきたクジラが「クジラのラジク」なのかな。
最後に「銀紙に包まれたねずみの話」のラストにも、ここのクジラのその後の話がチラっと登場します。
動物を子供の頃に飼い始めて、その動物が大きくなるのが楽しみな、愛らしいオジサンの話。
どの動物も、オジサンの愛とたっぷりの餌をもらって、ムクムクと予想以上に大きくなります。
小さな動物が大きくなっていくのを楽しみに眠る、オジサンのポワンポワンの葉巻の煙と、魚の泡の1シーンがいいですね。
1人と1匹がハーモニーを奏でるかのような幸せな姿。
でも、いつかお別れの時も来ます。
オジサンは後悔したり、悲嘆にくれ嘆き悲しんだりはしない。
これは、幸せな独身者の姿を描いた、一つの理想形なのかもしれません。
2.「広がる霧」
ここからは人形アニメ。わんぱく4人組の登場です。
彼らはとあるドアを見つける。思わず『指輪物語』を思い出す1シーンでした。
『ふしぎな庭』シリーズはポヤルの絵本が原作で、こちらを立体アニメにしたものだとか。
カラフルで可愛い、原作の絵本が欲しくなってしまいそう。
3.「トラを捕まえろ」
庭に居る猫がなかなか憎たらしくて、キャラが立ってます。
この猫とやんちゃ坊主達のやり取りが飽きさせません。
もしかすると、これは「動物がすきな男」のオジサンの飼っていた子猫の後の姿かも。
4.「銀紙に包まれたねずみの話」」
猫が具合悪いふりをして、子どもたちをまんまと手玉に取ります。
「象が「子どもたちをよろしく」と言ってくれたものを食べたら具合が悪くなった…」なんて言って子供たちをたぶらかすのだから、猫はかなり悪賢いし憎たらしい奴のようです(笑)。
猫が水びたしになって、半分のサイズになっちゃうところが可笑しい。
ちなみに今回初めて行ったユジク阿佐ヶ谷、すごく可愛らしい映画館でした。
ラピュタ阿佐ヶ谷の姉妹館だそうです。
手描きの黒板の絵が可愛くて
今回の雰囲気にぴったり。
若い女の子がいっぱい来ていて、なかなかの盛況でした。
私の両隣はおじさんでしたがw
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ども。おじさんAですw
反対側のおじさんはどういう人だったんだろうね~ おおよそチェコアニメに興味などなさそうな人だったけど。いやいや、人を見かけで判断しちゃいかんね
>幸せな独身者の姿を描いた、一つの理想形なのかもしれません
ううむ。なるほど。こんなおじさんみたいに綺麗に人生に幕を引きたいわ~ 子供たちへの楽しみもちゃんと残してね
SGA屋伍一さんへ
こんにちは〜♪コメントありがとうございました。
オジサンBは、始まってすぐに夢の世界を彷徨っていたようです。
チェコアニメ特集、可愛らしい女の子がいっぱいで嬉しかったですね。
『真夏の夜の夢』の終わった後なんて、出口のところで美少女が「すっごく良かったぁ〜☆彡」と目を輝かせていましたよ。
SGAさんてば、もう先のこと考えてるの…
一生独身オタク貴族でいるつもりなんでしょうか。
いやいや、まだまだ花を咲かせるかもしれませぬぞ!
枯れ木に花を咲かせましょう〜♪