『濡れた壷』 こちらも小沼勝×谷ナオミ!
シネマヴェーラに来れる喜びよ!嗚呼、ロマンポルノ素晴らしきかな。
谷ナオミ大好き!
これまた谷ナオミ×小沼勝監督コンビ、キメちゃいました。テヘッ
谷ナオミってどんな突飛な設定でも、何となくハマって見えるんですよね。今回は、淫乱な母に元旦那を寝取られ、競馬好きの父と浪人の弟を育てる苦労人、という設定。薄幸な女なので、スナックのママであっても化粧も薄め。と言っても、谷さんはいつも白塗りかつ唇は薄めの色のメイクが多いですね。
普通に服着て演技をしていても、はっとするほど程美しいとは思えない。八代亜紀顔にソックリな演歌顔。悶えて居ない時は無表情にしか思えないのに、服を脱ぐと途端に美しいんですね。
特に上手なのは悶える演技で、ネットリと輝いて見える。彼女の喘ぎ姿は最高なんです。丁寧な悶え方もいい。だから長回しが似合うんですよね。ここでもやっぱり長回しで絡みシーンを撮ってくれました。うん!早漏みたいな切り返しはしないで、男なら長回し。長回しをしてくれ!谷ナオミは本当に何でもしてくれそうな、懐深い大黒様。そして相変わらずのチチ自慢!好きですー。
マネキンをズラっと並べてそれに向っての愛撫、このシーンが実に映画的でエロい!人間相手ではそこまで卑猥な行為を出来ないからこそ、マネキンで映す舌使いのねちっこさ。これは思わずゴクリと唾を飲んでしまいます。マネキン相手にされているのに、まるで自分がされているかのような谷ナオミの悶え方!イマジネーションプラスイマジネーション、妄想世界ってこうでなくちゃ。うーん、絵になる!
あと、意外にもハッと驚くような編集がなされているんですよね。
父親は軍隊上がりの競馬好きで、ただのダメ男かと思いきや、戦争時代の仲間と4年ぶりに出会い、靖国神社を参拝。軍歌をバックに一列並びで闊歩し、飲んで軍歌を大声で歌う。さらには年端もいかない女学生を犯して捕まってしまう。彼はどうやら、戦争による心的外傷、つまりPTSDだったんですね。PTSDは日本ではあまり描かれないけれど、勇ましい軍歌を歌っていた元軍人が女学生をレイプしてしまうなんて、思い切った描写で驚いてしまう。
ロマンポルノでありながらそれからはみ出していくチャレンジ精神は、まるで神代のよう。
ラスト、男達の視線を浴びながら下半身を抑えて歩くシーンがまたエロい。谷ナオミは洋装も素敵なんですね。和柄に薔薇の派手な絵のついたお洒落なワンピースを着ているのだけれど、彼女のスタイルの良さが目立って効果的。ラスト、唇の大写しもキマってる!
2015/12/13 | :ピンク・ロマンポルノ 日本映画
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