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パン・ホーチョン 『愛のカケヒキ』 女同士のバトルが面白い!

mv201510-05中国映画週間にて。
そうか、香港は中国に返還されたから、“香港映画”ではなく“中国映画”になるのか。
…などと今更ながら思ってしまった私で、香港映画好きクラスタからは怒られてしまいそうだけれど、これはとっても良かった♪

気楽に見れて楽しいラブコメだけど、ただの悪ノリだけじゃない何かがある。パン・ホーチョンがメガホンを取るとこんなにも新鮮なものになるのか!と、つくづく驚きを感じてしまった。
なんて力のある人なんだろう。ホラーもまた撮って欲しいけど、ラブコメがこんなにキュートだなんて!まだ見ていない『恋の紫煙』は、何かの機会に必ずや見ないと。

付き合いは長いのに平行線のままの友人関係。女の武器を使って何とか振り向かせようと奮闘する、女子力の低いヒロインが可愛い♪
ジョウ・シュンは本来とても綺麗な人だと思うけれど、演技によってちゃんと“女子力の低い女性”を体現出来ていて素晴らしかった。針金のように細い体や童顔を、少年のような容貌の不器用な少女にちゃんと変身できている。こうしたことがきちんと出来ないと、このラブコメは成り立たないのだ。(こういう事が出来ていない映画は、私は大概嫌いになっちゃうので。)
そんな不器用少女のヒロインを、女子力の高い美人達が(1人、変なのも居るけど)大変身させようと奮闘。これがまた面白〜い!

ヒロインは自分に振り向いてくれない大学時代の友人である彼(ホアン・シャオミン)に向かって、「彼女でも作れば」と言ってしまう。すると本当に彼女を作ってしまったのです。しかも、その相手はかなり女子力の高い、“男ウケしそうな”女性。
英語タイトルは『Woman Who Flirt』というものなのだけれど、これは訳すと「お世辞を言う女性」という意味。男にとっては、自分の気持ちいいことだけを言う女性は、居心地のいい存在ですよね。”お世辞を言う”のは、時として最大の攻撃力になるもの。自分のライバルがこんな人だったものだから、大変!

“女子力”については、昨今何かと取り上げられるモノ。日本だと、大抵肯定的な意味に使われます。女子力が高い/低いという価値判断で言われると、確かにボーイッシュな女性は“女子力が低い”ということになってしまう。だけど男って、誰もがそんな女性だけが好きな訳ではないよね?(と、思いたい)

私も、ちょうどこんな女性を知ってるの!
以前、軽井沢に男女4、5人づつのグループでバンガローに泊まったことがある、と言うのはブログにも書きましたよね。
実はその時に、ちょうど1人こんな子が居たのです!顔はさして美人というほどでもないのだけれど、甘ったれた声でゆーっくり喋るの。ちょうどそこに居たある1人(東電のサラリーマン)を狙っていたようで、この旅行中に二人はカップルになりました。そんな攻撃的な“ラブラブ光線”、今にもカップル誕生しようという瞬間を見たのはもう久しぶりのことだったから、あれは面白かったな(笑)。お風呂に入っている間に私の旦那が聞いた話では、真顔で喋っている瞬間の声を偶然聞いたら、まるで違う人のようだったとのこと。彼女もやっぱり天然を装った子だったのですね。(私はとっくに見抜いていたけど!)

しかも面白いことに、その一年後にまた同じ軽井沢旅行に行ったの。相変わらず舌っ足らずな喋り方はそのまま。言わば、”軽井沢カップルのその一年後”を見ることが出来たのでした。
その旅行の時はちょうど二人の間に亀裂が入り、時に喧嘩して今にも別れそうなカウントダウンの時。それでもまだまだアツい部分はあったから、もう少し長続きはするかと思ったけれど…。何と、その旅行のすぐ後に別れてしまったのでした。
彼女は当時27で、彼の方も同じ位だったから、私は彼女はあのまま結婚する気だろうと思ったのだけど、そう上手くはいかなかったのね。

【余談】『ゴースト』と『フライング・ギロチン』が見たくなっちゃう。

 

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コメント(2件)

  1. こんばんは^^

    この作品は未見ですが(実はラブコメが苦手^^;)
    パン・ホーチョンは彼の作品としては異色かな~?な「イザベラ」が好きです。

    今回の中国映画週間では呉天明特集が気になります。
    私が最も中国映画を観ていたのがちょうど第五世代の時なもので、懐かしいです。

  2. amiさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    へー、amiさんはラブコメがお嫌いだったんですね。
    私似合いませんが、案外好きなんですよ(笑

    『イザベラ』未見なので、機会があったら見てみますね!
    呉天明、実はよく知らなかったのでスルーしてしまいました…。
    amiさんは案外幅広いなあ!




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