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レナード・カッスル 『ハネムーン・キラーズ』トリュフォーが夢中になった殺人カップル

51Z1PBSEFJLトリュフォーが激賞した、“ロンリー・ハート事件”を描いたレナード・カッスルによるオリジナル。
南米リメイクの『深紅の愛 ディープ・クリムゾン』、’07年のリメイク『ロンリー・ハート』もある。
ロードムービー特集にて再見しました。まだ記事を書いていなかったので、今更ながらUP。

このチラシポスターが最高!私はこの『ハネムーン・キラーズ』が見てみたくて、しかしこちらより先にアルトゥーロ・リプスタインの『深紅の愛 ディープ・クリムゾン』の方を見てしまった。ああ!思い出してものけぞってしまう。哀しくてやり切れない、絶望でいっぱいになる映画。愛のために傷つき、他の女を殺す。

この“ロンリー・ハート事件”を描いたものは、どれも同じテーマのようです。少し表現方法が違うだけで。
あまり美しくない、オールドミスの太った女性が主人公。文通で知り合った結婚詐欺の男に本気になってしまう。男の方はいつも通りに心を奪っておきながら、さっさとトンズラしようとする。が、女の執念によって逃れられなくなり、自分の正体をさらけ出す。それでも女が逃げないので、二人で地獄の逃避行・結婚詐欺の旅が始まる。

このデブの女主人公の哀しさ。おそらく自分には愛は縁がないものと思って生きてきた様子が見て取れるんですね。しかし自分を愛してくれる人が居た、と女は夢中になる。男は結婚詐欺をやめようとはしないので、それに付いて行っては嫉妬に駆られて、相手を殺してしまう。
結婚詐欺に引っかかる女たちはどの女も皆オールドミス。男のハンサムな見た目と、甘い言葉に簡単に引っかかり夢中になってしまう。こういう女たちは必ずどこの世界にも居そう。

彼らは確かに法を犯したけれど、彼らの愛は本物だった…。「やり方が間違ってはいたかもしれないけれど、それでも彼らの愛は深かったのかもしれない。」という、愛と嫉妬の行き着く間違った道を行った彼ら。
ある種“究極の愛”とも思わせるような愛。ゆっくり噛み締めると、このテーマがキリキリ来るのですね。「はて、自分が得ている今の愛は果たして本物なのだろうか?」と。この深さが一番表現出来ているのが、『深紅の愛』でした。だから私には深く突き刺さった。
こちらの『ハネムーン・キラーズ』では、女がいつもガミガミ男に文句を言い通しなんですね。彼女の顔つきはいかにも不機嫌そうで、ただ嫉妬の塊に思える。ただ女性の強烈な個性は凄いです。

 

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