『アントマン』 膨張するマーベル宇宙でこちらは縮小だ!
また気づいたら“マーベル・シネマティック・ユニバース”なるものに付き合ってしまいました…。
どんどん大きくなるマーベル宇宙。我ながら頑張って付いて行ってるなあと、ちょっぴり呆れてしまう。この手の“何とかマン”が得意な訳でもないのに。ちなみに、マスクを被ったらアイアンマンとアントマンの違いが分からないかもしれません…。
でも、こちらのアントマンが何となく可哀想に思えてくるのは、マーベルの他のシリーズより、いかにもお金がかかっていなそうなところ。
まず主役が、若くもなければイケメンでもない、ポール・ラッド。有名な俳優はマイケル・ダグラスぐらいでは?
悪役のダレン・クロス社長は、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のイケてるハゲことコリー・ストール(これから売れるといいなぁ)。アベンジャーズと同じくするマーベル世界で、登場しているのは“スターク”の名前のみ、そして出演はアベンジャーズの中でも1番地味なファルコンだけ。私はこのアンソニー・マッキーは好きな俳優なんですけど、他のアベンジャーズに比べたら、印象がもっとも薄い鳥男なんですよね…。「あ、バードマンとそっくりだったんだ」なんて今頃思い出しちゃったりして。
でもその割には、すごく良く出来たちゃんと面白い娯楽作品になっていたと思います!1番のアクションシーンでは、機関車トーマスの模型が走っちゃったりして、特撮好きの日本人の心をくすぐるのでは!?
CGアクションだ、火薬だと、派手に見せる一方のハリウッドが、工夫によって最大限素材を活かして面白くしているのが分かる。だから、思わず心が踊らざるを得ないんですね。
体が小さくなってしまうという面白さ、『ミクロの決死圏』や『インナースペース』を思い出しました。この2つは大好きなSFなので、この設定だけでもアガってしまう。
でも、量子力学の論理を使ったオチは、この2つより何と言ってもP.K.ディック『不屈の蛙』でしょう!
ただ、声がどこから聞こえてくるのか?という瞬間があったり、アクションも“小さくなって、どこかでパンチが効いたらしい”というように、アクションの面白さがイマイチ伝わりづらい。ちょっと突っ込みどころがあるように感じてしまうところも否めない。
さらに、蟻が想像以上に蟻っぽすぎるんですね。うーん、この見た目はキツイ。
でも蟻の見た目よりも気になった箇所はそこではなく。体が小さくなった分、人間の気づかない埃やゴミだらけなんだろうな、と思いきやそんなことないんですよね。排水口を通って行く際に、さぞかし水垢やコケやゴケミドロが描かれているかと思いきや、少しも臭ってこなそうなクリーンな排水パイプ。私には嘘っぽく思えてしまったりした。部屋の掃除でいかに埃だらけであるか分かっているので…。
『レミーのおいしいレストラン』の時は、「ネズミが不潔そう」というような大人の思い込みとは全く無縁で居られたのに、もう私はすっかり子供心を無くした大人になってしまったのでしょうか…。
2015/10/09 | :SF・ファンタジー アメリカ映画
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とらねこさん☆
そうね!
ドラえもん的に大きくなったり小さくなったり、虫に乗ったりして起きる様々なSF的事象は、ホコリやダニと戦っていると話が進まないのでした。
ここは童心にかえって~~
先回のアベンジャーズでメンバー入れ替えの紹介があって
ファルコンがいちばん地味でしたよね(笑)
でも、そんなファルコンでもアントマンと比べると強そうに見えちゃうから面白い。
ワタシは特撮が大好きなのでミニチュアが出てくると
もう嬉しくてたまらないんです。
トーマスのシーンも最高!
アリがリアルすぎて引いてしまったのは同じでしたね(笑)
ノルウェーまだ〜むさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
アハ、そうですよね〜。「埃やダニと戦ってると、先に進まない!」(笑)
でもでもさー、全然埃もダニも落っこちてないなんて、もう嘘みたいで…。
アリサイズになってしまうと、どうしたってゴミも大きく見えるはずなのに、全然塵1つ落ちてないんだもんナ〜。
その割には、敵が放った銃弾でアンソニーは倒れちゃうし(主人公には当たらないのに)…
itukaさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
ね、ファルコンなんて一番印象薄いアベンジャーズでしたよね…。
だからこそ、この作品でアベンジャーズ御殿(?)の警備なんてやってるのが似合うってもんですがw
アントマンのことを「縮小の技を使うんだ!」というのは笑ったな〜
そっかー、ミニチュア好きなんですね。
ごめんなさい、色々文句つけてるように見えますが
これでも、それなりに結構楽しんだんですよ!
トーマスは最高でした!
「レミー・・・」OKだったんですね!
私は「えーネズミが…」の人でした。最後まで観られなかったんですよぉ。
この映画の大量アリもダメだったわ。
アリ以外は楽しめたんだけどなー。
最初の方のハゲの容赦ない仕打ち、ビビりました。
そそう。
「マッドマックス」観てきたよーーー。
これは劇場鑑賞作品だね!
AnneMarieさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
あれー!アンマリーさんはレミーがダメだったんですね
私は子供の頃からネズミのぬいぐるみがお気に入りで、何種類も持ってたりして
ネズミが料理を作っちゃうなんて嬉しくてたまらなかったですー。
アリはちょっとゴキっぽくもありましたよね…
でも実際、ゴキが出てきたら、アントマンでも敵わなかったと思います
だってやつら同サイズな上に、超強力な甲冑を着てるわけでしょ。
殺虫剤だって効かないんですよ〜!絶対アントマンよりゴキの方が強い!
やったー!マッドマックス最高でしょ。感想待ってまーす!
いやいや、これ確かに他のマーベル映画より少し少なめだけど、一応160億くらいかかってるからw
ヒロインのエヴァンジェリン・リリーもけっこう有名だし。
小さな映画に感じるのは、実際ミニチュア世界の話だからというよりも、ベースがダメ親父のホームドラマだからでしょうね。
でもそれがアメコミアメコミした映画が苦手な人たちにとっては、間口の広さと観やすさに繋がってるんでしょうね。
ノラネコさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
そっか、じゃあ安めではあるけれど、あえて安めに上げたわけではなく、特撮によって“偶然に”安く上げられた、程度なのかしら。
ポール・ラッドは、ジャド・アパトー組の中でもすごく地味な位置にいるし、なーんか地味ぶりを加速させているように思えてしまいました。
ダメ親父のホームドラマだから地味に思える、なるほど。
マイケル・ダグラスの親娘関係とポール・ラッドの関係。アントマン自身も父親であり。多重構造で上手いですよね!