『ピエロがお前を嘲笑う』 ドイツ発のサイバーサスペンス
ドイツ発のサイバークライム/ハッカーを描いたスリラー。
ギークな童貞主人公の語りでグイグイ掴んでいく。
AnonymousやWikiLeaksのニュースで思わず興奮する私にとって、この手のサイバー犯罪モノはツカミの良い素材だった。ただし、すごいアイディアで世の中をあっと沸かせるような話とはちょっと違う。攻殻機動隊の「笑い男事件」や、世の中に対する孤独な復讐で熱いものがこみ上げてくる、『V フォー・ベンデッタ』のような突出した感じはない。
驚きはさほどなく、どこか既出感のある懐かしいテイストに感じてしまう部分はある。
ハッカーの行う“動き”これら全て“PCの中の出来事“なので、これを分かりやすくするために、映像的に分かりやすく効果を付けている部分があった。こうした工夫がいくつも見て取れ、その部分を見ているだけでも面白かった。
「ネットの中だけでなく、リアルもそれなりに楽しむ」。こんな当たり前の感覚を、自分の守るべきルールとして上げる童貞の主人公。彼にシンパシーを感じて進んでいくので、退屈することなく最後まで楽しめた。
この後、弱冠のネタバレ
主人公が◯◯◯◯であることが分かる前に、家の壁に飾られている『ファイトクラブ』のポスター。「え、そんな分かりやすいことしちゃうわけ?う、もしそうだったらあまりにもダサいぞ…」と思った後に明かす、さらなるドンデン返し。
このドンデン返しに嫌味っぽさを感じなかったのは、割とテクニックがあると言えるかも?少なくても、退屈せずに見ることは出来たもの…。
2015/09/13 | :サスペンス・ミステリ ドイツ映画
関連記事
-
-
『エル・クラン』 ブラックテイストな犯罪一家物語
アルゼンチンで大ヒットした、と聞いて思い出すのが去年の『人生スイッチ』...
記事を読む
-
-
『ヘイトフル・エイト』 密室の曲者揃い踏み!!
エンニオ・モリコーネのオスカー、おめでとう。この作品で獲りましたね。 ...
記事を読む
-
-
『ヴァバンク』ポーランドの国民的娯楽作
今年のポーランド映画祭でかかった81年の作品ですが、ポーランドでは誰も...
記事を読む
-
-
後味の悪い映画と言えばコレ! 『ファニーゲーム』
史上最強に後味の悪い映画として、悪名高き作品。 私は、DVDで見た時は...
記事を読む
コメント(2件)
前の記事: 神泉/渋谷 マティーニハウス
高度なIQの持ち主が犯罪テクで警察を翻弄させるという
これほど美味しい映画はありません(笑)
オチも悪くないけどチョイと時代遅れな感がありました。
ギークな童貞男って好きなフレーズですよ(笑)
真っ先に『電車男』思い出したりして(爆)
とらねこさんもIQ高いんでしょ。ワタシも中学のころ学年で1割に入ってました。
itukaさんへ
おはようございます〜♪コメントありがとうございました。
ただいま新幹線で東京脱出真っ只中でございますー。
うんうん!ギークが世界に復讐する…イイ話ですなあ
「有名になったぜ、いぇい!」と大喜びするも、いまいち漂う小物感にリアリティがありましたネ。
美味しいストーリーであるのに、全体から払拭できない時代遅れ感と、とても似合っておりました笑。
IQがかつて高かった、かぁ…
これって哀しいかな、過去の栄光でしか無いんですよね。
現在の自分とどうしても比べてしまうと
でも、自分に努力が足りなかったとは思います。
IQって年齢に即して計算されるものだから、落ちてゆくのは仕方ないことではありますことよ。
まあ、今が不幸でないだけマシですよね、きっと^^