『ジュラシック・ワールド』 正しき夏休み映画
なんと『ジュラシック・パーク』を劇場で当時に見て以来のこちらのシリーズでした。十分面白く見れちゃった!
自分が子供だったら、こんな映画が夏休みに見たい、と思えるような、いいパニック映画。映画を思いきり信頼して見ることが出来た。このライド感がいいね。
パニック映画としても、“余計なモノを抜いた”感覚が、変にゴチャゴチャすることなくスッキリした筋立てで見れて、ウッと面倒くさくなる瞬間がほぼなかった。
まるで、スピルバーグの80年代を思わせるようなテイスト。製作が彼なんですけどね。これが逆にセンスを感じさせる。昨今のハリウッドのゴチャゴチャした感じがない。つまりどうやら、このために評が割れていると言えそう。
と言って、アクションまでアッサリなのかと言えばそんなことはない。「おお、そこは追求するんだ」なんて思わずニヤリとするような描写も。例えば、インドミナスが透明の球体ライドに乗り込んだ子供二人を弄って、そのままガブっとかぶりつく辺りは秀逸。プテラノドン達が園内を襲う大パニックモードもあって欲しい描写だったし。クライマックスのラプトル混じえての大乱闘は言わずもがな。
ブライス・ダラス・ハワードの服がだんだんボロボロになるに従って、“嫌なタイプの鉄壁キャリアウーマン”から、ヒロインらしい好ましさがどんどん増していく。こうした変化が本当に上手いなと。とは言え、ピンヒールで泥土の中を走り回る、というのはさすがに無理な気がしちゃいましたけど。
何にせよ、「園内に来たぞ〜!」なんて観客にまで思い起こさせる、ディズニーワールド状態の冒頭の描写。これが本当に夏休み気分を盛り上げるね。
弟にとってちょっぴり意地悪だった、年の離れた兄も、二人でお目付け役の女性の目を盗んで二人で行動し始める辺りから、兄弟の足取りがピッタリ合っていくように感じられた。モササウルスのショーのところで、弟が本当に驚いて大口を開けて、ビックリしているシーン。ここ好きだったな。兄はもう大人になりかけているけれどやっぱりまだまだ男の子。本当はガールフレンドと一緒に居たかった気持ちが最初にはあったかもしれないけれど、この辺りから弟と次第に足並みが揃っていき、透明のライドのところではすっかり子供心を取り戻してるのよね。自分の方がノリノリ。
以降、ネタバレ
弟が、離婚を心配し泣き出すシーンがある。子供たち二人を送り出すお母さんが、不安な精神状態だったのはそういう訳だったのね。
この子供不在の夏休みの1週間は、彼らにとっては、じっくり二人だけで話し合いをする時間として設けられたものだったのだろう。
つまり、ジュラシック・ワールドに来ている二人の子供たちには、親を死ぬほど心配させる権利がある、ってここと。
そして親にとっては、親が自分たちのことしか考えていない間に、“子供の生死を心配する”ことで、じっくり反省することになるんだろうナと。
一見すると浅く見えるキャラクター描写の中、よく見れば見事に機能しているものは、このファミリーの描写だけでなく、クリス・プラットとブライス・ダラス・ハワードの二人の関係性もそうだし、次第におかしくなっていった、園内の人間関係についてもそう、クリアに描けていた。
アジア系のドクター・ウー(B.D.ウォン)が裏でホスキンス(ヴィンセント・ドノフリオ)と繋がっていたことも、それとなく匂わせつつはっきり説明しているし、ブライス・ダラス・ハワードは園の顔として営業で張り切って仕事をしながら、その実インドミナスの遺伝子操作では、どんな遺伝子が組み合わせれているのか理解していない。彼がどのように危険であるかを、冒頭、インドミナスの檻の前のシーンだけで、短時間で見事に提示出来ている。
ラプトルたちのアクションが印象に残るのも、アクションシーンの見せ方に同じものの繰り返しがないところでしょうね。だから飽きずに見られる。ラプトル達が団結してインドミナスに向かうところも、クライマックスだけだからこそ、そしてあの短時間だからこそ、説得力を増すという部分もあった。
今年の夏休みのハリウッド大作は、例年になくよく追いかけてみたが、今年は本当に優秀だと思う。
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パーク以来って22年ぶりの恐竜鑑賞ってことですね(笑)
ワタシも『ジュラシック・パーク』で実物(と決めつけたい)の恐竜が目の前に現れた衝撃は
涙を流したグラント博士と同様、未だに脳裏に焼き付いてます。
今回、製作総指揮に回ったスピルバーグですが、カメラによる感情表現は上手かったですよね。
監督差し置いて、相当口出ししてるんじゃないかと^^;
ワタシ、『宇宙戦争』でそれ実感しました(笑)
ただ、本作はもっとオドロオドロしい不気味さを前面に出してくれてたら
評価も違っていたかもしれません。
itukaさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
あ、『ジュラシック・パーク』の当時の料金が2000円だったという話ですが、学生証を見せてもオールナイトであるため一般料金だったんですよ〜。そして、一般料金が何故かこの時、2000円だったの。
twitterでもやはり2000円だった、と言ってる人居ましたよ。何故か基本料金が値上がりだったんですね、この作品だけ。
しかし、この作品は結構分かれてますねえ。
オドロオドロしさか、ふーむ。
私はこの適度な感じがちょうど良かったのです〜
こどものころの恐竜映画ってなにがあったかな~と考えてみたら『ドラえもん のび太の恐竜』がありました。スピルバーグもどっかで見たそうですが、『ジュラシック・パーク』にも『ジュラシック・ワールド』にも似たシーンがあったなあw
恐竜からは脱出できても、そのあとも色々大変そう…というところを匂わせるあたりが普通のアクション映画とはちょっと違っていたような。あと兄弟のお目付け役の女の人が… あそこで「ひでえ…」と思うか「もっとやったれ~!」と思うか
SGA屋伍一さんへ
こちらにもどうもです♪
恐竜“映画”は少ないけれど、恐竜展なんかは割と夏に開かれていることが多いですよね。
学生の頃から、毎年夏に恐竜展を見かける度に行ってましたよ(笑
SGAさんとも、一度いつか一緒に行ったことなかったっけ?
『ジュラシック・パーク』は、当時すごく楽しみでした。
映画が公開されるずっと前から原作を買って読んで、楽しみにしてたんですよ(笑
兄弟のお目付け役の女性、なんとプテラノドンにアメフトのボールみたいにボンボンとぶん投げられてましたね。
あそこのシーンは大好きで、大爆笑してしまったよ。
とらねこさん☆
ジュラシック~~♪
今年は夏休み大作映画がどれも優秀だったね!
充分満喫できちゃった☆
私もこの映画はすっごく楽しんだのだけど、いかんせんシリーズが好きすぎて何度も見ているせいか、ライドで行くシーンとかあえて同じ構図で撮っていたり、ファンも喜ばせながら、最新鋭のパークも見せてくれて大満足な分、ストーリーもほぼ同じだったのが残念に感じた部分だわ。
あとちょいお子様向け寄りになっていたかな~~
ノルウェーまだ〜むさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
ノルさん、夏休み大作映画の順番はー?私は、
マッドマックスFR>M:I ローグ・ネイション=ひつじのショーン>ジュラシックワールド>インサイド・ヘッド>バケモノの子>ミニオンズ>アベンジャーズAOU>ターミネーター
そっかー、つまらなかったのね。
私はジュラシック・パーク以来でずっとこのシリーズを追いかけていた訳ではないので、すごく新鮮で面白かった。
でもこれって毎回こんなにクオリティが高いの?
80年代風なのもいつものこと?
子供向けとは思わなかったな〜。ジョーズが大人も楽しめたように。
おじゃばんわ♪
ラプトルを調教、が自分的にはヒット
手でカチカチさせてっていうのが、いかにもそれっぽくて
あと、あの球体の乗り物に乗りたいです
絶対♪
サイ5150さんへ
こちらにもどーもです♪
>ラプトルを調教
本当、そう来たか!って思いましたよネ
1ではあんなに恐ろしかったはずのラプトル達が…。
あの球体の乗り物、楽しそうですよね〜
本当にこんな場所あったらいいのに!
…いや、良くないか