【今月のブルー映画】『ブルー・ワールド』夏らしく海洋ドキュメンタリー
大ヒット『ディープ・ブルー』に続く海洋ドキュメンタリー。
「ディープ・ブルー」の共同制作でも知られるオーストリア国営放送(ORF)が、当時の最新鋭の技術で制作を担当した。
「難破船アンブリア」「アドリア海の秘密」の2作品収録。
水族館が大好きだ。ボーっと魚を見るのが好き。
癒やされているのかは分からない。不気味な形をしている魚も居れば、案外エグい恰好のやつもいる。
何となく魚達に心の中で様々なツッコミを入れながら、ニヤニヤ笑ったり。
“ブルー”と名のつく映画は多いが、今月は夏らしく海洋ドキュメンタリーを選んでみた。
夜眠れない時、夜中に深海生物のDVDを見るのが好きだったこともある。
フワフワ漂う魚をぼーっと見るのも良し、様々な魚の生態を知るのも良し。
そうすると、ふと眠気が湧いてくる。
海洋ドキュメンタリーは最高。
やはり癒やされているのかもしれない。
ただし、こちらの作品は弱冠専門的なきらいがあった。
調査隊が調べた事実を羅列するので、物語性には欠ける。
娯楽性はあまりなく、専門知識まではいかずとも、とかく固有名詞が多過ぎる。
「あの、もう少し話を膨らませてくれませんか」と思う瞬間もあった。
まあ、真面目なドキュメンタリーでした。
1話と2話に分かれていて、1話は「難破船アンブリア」。
1940年にアフリカ、スーダン沖に沈んだイタリアの戦艦、アンブリア号の姿を捉える。
1万トンの弾薬と5万枚の銀貨が積まれていたそうだ。奪われるよりは船員もろとも海の底に沈むことを、船長は選ぶ。
海の底に沈んだ宝を探す物語なんて、『イントゥ・ザ・ブルー』を思い出してちょっぴりワクワクする。
だが今や、魚が多様に共存する格好の場所になっている。この魚たちについて、詳しく解説している。
2話は「アドリア海の秘密」。アドリア海沿岸に生息する動物たちを調べたレポート。
パラグルージャ島は別名、“鳥の楽園”。自然のままに鳥達に開放されたパラダイス。火山活動により出来上がった島だとか。
ヴェネチアの姿も、こうして見るとまた違って見える。
2015/08/21 | :ドキュメンタリー・実在人物 オーストリア映画
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