『マッドマックス 怒りのデスロード』V3 @英雄の館(立川シネマシティ)
毎日アツいっすね。
東京は35度超え、前橋は連日38度だなんて。
子供たちにとってはようやく夏休みの本番が始まったばかりだというのに(8月に入るとこんな風に思いませんでしたか?)、
私にとってはやる気がすっかり失せるぐらいの猛暑と、最近の日本の政治ニュース…。
こんな時こそ、マッドマックスFRしかない!
…という訳で、行って来ました、マッドマックスV3。
立川シネマシティの極上爆音上映
普段、どこの映画館に行くにも、到着するのが開演時間の5分〜10分後(おかげでTOHOの貝社員は一度も見たことなし)という私ですが、
初めて行く映画館なので早めに行ったつもり。
しかしながら立川駅のロータリーで近道を発見出来ず道を誤ったおかげで、残念ながら到着が遅れてしまいました。
何と、英雄の館に遅刻してしまった!ガーン…。
ドジっ子ップリはまるでニュークスな私ですが、英雄の門は閉じられて無くて良かったです。
「英雄の館」こと立川シネマシティに関しては、以下のサイトを参照して下さい。
→※立川シネマシティのマッドマックス「極上爆音上映」が凄いらしい…「作品以上にいかれてる」「産毛まで震える」
私は一度目にも爆音上映で見ているのですが(ワーナー・ブラザーズでの試写)、これが最高でした。
おかげで二度目に見た普通のTOHOシネマズの3D上映(ドルビーアトモス&TCX)が、ちょっと物足りなく思えてしまった。
正直、この作品を見て「普通」程度にしか思わない人も、爆音で見たらおそらく全く違う感想になるでしょう。
それぐらい、この作品には爆音が似合う。爆音で見ると、最強の熱狂映画になり得るんですね。
ただあまり強烈にプッシュしてしまうと、爆音上映で見れない東京以外の地域に住む人が可哀想すぎる。
ちょっと遠慮気味ではありますが、立川シネマシティをオススメしていた私でした。
何度も見ている人ですら、ここで見ると全く違うとか。
【マッドマックス 怒りのデス・ロード】極上爆音上映。台詞が良い例だけど、ただ音が大きいというより、音の通りがいい。太鼓の音、ボルトカッターを地面に叩きつける音、砂を払うためにウォータンクを叩く音、銃声の一発一発、今まで10回も聞いてた音は何だったんだというくらい、全ての音が違う。
— micchii☂@憤怒道V14 (@micchii520) July 26, 2015
『マッドマックスFR』4回目、極上爆音上映版 観了。この作品は"音響が何より重要"なのは理解していたつもりだったが、爆音上映により、また新たな感動を湧き上がるとは‼︎ マジで今回が1番感動したね。立川に来て大正解だったわ‼︎
— rob_0815 (@rob_0815) June 27, 2015
映画マッドマックスの聖地と化した『立川シネマシティ』 “極上爆音”上映のトリコとなる人が後を絶たない – Togetterまとめ http://t.co/yfwUDbtxSf
— CinemaCity (@cinemacity_jp) July 22, 2015
V3の感想
三度目の感想としては、子産み女たちの一人が言う、「銃は死の種。植え付けられたら終わり」という台詞にグッと来ました。
婆ファイターの遺品として種をもらうことと、真逆なんですよね。
@travis02130213 私は、「種=希望」と見ました。種を育てようとしても育たなかったのは、土の問題だと考えましたよ。女性=育むもの、というメタファーもあったかと。それを種で表現するのは見事だし、美しいですよね…。
— とらねこ (@rezavoircats) June 28, 2015
@travis02130213 そうだと思います。砦なら育つ場所もいずれかにあったかと。婆ファイターから若い女性への継承でもあり、フュリオサの王国が正しい未来を形作っていくことを予想させられますよね。種は希望そのもののメタファー。
— とらねこ (@rezavoircats) June 28, 2015
で、この“種”=“希望”というのがこの作品のキーワードにもなっていたと思うんです。
希望が絶望に取って代わり、そこからもう一度希望を得て帝王に君臨する。これは全部主語がフュリオサだものね。だから彼女が主役なのだけれど、マックスが主役ではない証左はむしろ、彼に「下手に希望を持つからいけない」という台詞があることですよ。
— とらねこ (@rezavoircats) June 27, 2015
…と、私は呟きました。
マックスは確かに絶望しているフュリオサに向って、「下手に希望を持つのがいけない」と言うんですが、
シタデル(砦)に戻る提案をするのもマックスなんですよね。
そしてここでのマックスの案について、「希望がありそうだな!」と言うのがニュークス。
ニュークスはやはり、今作の影の主役なんだと思います。
ちなみに、ケイパブルとニュークスは、3度目線を交わすんですよね。あれは、言葉を交わさなくても分かり合っているんですよね。
このアイコンタクトは、ニュークスの最後の「俺を見ろ(Witness me)」に繋がる。
ここで三回とも泣きましたが、一度目に見た時は「こんな脇役のウォーボーイズに泣かされるなんて!?」と思いました。
これで二度目を行く気になったようなものですからね。
死にたがりのウォーボーイ達ではなくて、健康体で生まれてきた彼らを間引くやり方として、華々しく散る若死を美徳とするイモータン・ジョーの施政こそハッキリと悪であると見るべきでは。そうで居ながら自分は“immortal”(不死)を名乗っている。
— とらねこ (@rezavoircats) June 29, 2015
ニュークスはそこからこぼれ落ちた落伍者であるからこそ、赤毛美人ちゃんとほんの束の間の間寄り添うことが出来た。彼が得たものは、右肩(ラリーとバリーの居ない方)の温かさのみだったけれど。
— とらねこ (@rezavoircats) June 29, 2015
「俺を見ろ!」で散った彼の最後は、イモたんの英雄の館へ入るためじゃなかった。彼自身が掴んだささやかな栄光なの。美人ちゃんとの生を選ぶことが出来なかったのは彼の悲劇なの。
— とらねこ (@rezavoircats) June 29, 2015
ニコラス・ホルトは普段の姿が普通すぎて(当たり前だ)、もう普通のメイクで見れなそうです。ごめんなさい。
でも『ウォーム・ボディーズ』ならなんとか行けそうかなー。(結構好きでした!)
ニュークスとケイパブルのアイコンタクトについて上で言いましたが、マックスもフュリオサとアイコンタクトを取るのが重要なんですよね。
武器将軍を狙ったマックスが、あと一発という時になりフュリオサに銃を渡します。ここでフュリオサはマックスの肩で銃を固定させる(フュリオサは片手が効かないから)。
これは二人の初めての共同作業でした。
でその後、マックスとフュリオサは途中に2度ほどアイコンタクトを取るシーンがあるんですよね。
フュリオサが怪我をした時にマックスは彼女の目を見、それだけで事実を見て取ります。
このアイコンタクトは、ラストシーンでのマックスのさり気ない立ち去りの際に、フュリオサと目だけで会話するシーンに繋がる。
男と女が、ちゃんと心と心が通じ合っているところがいいですよね。
これって結構究極にロマンチックな恋愛論かもしれません。
「好きな女とはアイコンタクトを取るべし」なんですよ。
あと、三度目の感想としては、武器将軍がかなり私は好きなようです。彼は格好良くしか見えないw
「痴話喧嘩かよ…」という登場の最初の台詞もいいですし、フュリオサに目をヤラれたジョジョの悪役っぽい劇画タッチもいいですよね。
その後の鉢巻締めての突撃もカッコ良すぎ。
ちなみに勘違いしてこんがらがってたんですが、ケイパブル(←ニュークスとラブラブだった赤毛ちゃん。)がエルヴィス・プレスリーの娘、ライリー・キーオ。
トースト(弾丸詰めるショートカットの娘)がレニー・クラヴィッツの娘、ゾーイ・クラヴィッツ。
オマケ 好きだったマッドマックスのツイート集
マックスの背中のタトゥ、調べてみた。訳はざっくり。きっちり検査して記録してて、ジョーの砦はかなり機能的に運営されてたんだなってわかる。 http://t.co/QUGBLtQknf pic.twitter.com/i7Xzhb8TvO
— Weeping angel (@weepingangel013) June 29, 2015
ヤマアラシ族の車はピーター・ウィアー監督「キラーカーズ/パリを食べた車」へのオマージュだと、G.ミラーは語っているが、何とその作品には若き日の鉄馬の種の老婆ことメリッサ・ジャファーが出演している。 #マッドマックスヤバい pic.twitter.com/rycOhVaQCm
— 家猫 (@wilberforce_10) July 25, 2015
種の老婆役メリッサ・ジャファーはTV、舞台を中心にキャリアを積んだベテラン女優。かつて人食い男爵が芸術助監督を務め、現在はケイト・ブランシェットが監督を務めるシドニー・シアター・カンパニーでも活躍している。 #マッドマックスヤバい pic.twitter.com/71XfYks8RR
— 家猫 (@wilberforce_10) July 25, 2015
いまだにV8ポーズの意味がわかっていない方もおられる様なので、実際のV8エンジンの形をご覧下さい。#マッドマックス pic.twitter.com/JJgxht5PZI
— TAKUMI™V10 (@takumitoxin) July 25, 2015
やっとマッドマックス観れた。 こんな凄い映画観て小便した後、手なんかちまちま洗ってられないよ。
— 松尾スズキ@ニャ夢ウェイ4発売中 (@matsuosuzuki) July 21, 2015
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コメント(4件)
前の記事: 2015年7月の評価別INDEX
あー、シネマツー場所わかりにくいですよね
シネマシティとは建物別でもう少し奥まった所にあるから…
もともと、おそらく日本で一番音響にこだわったハコなんですが、今回の極爆も輪をかけて気が狂ってましたねぇ
低音圧高すぎてリバースしそうになりましたわw
「このふざけた劇場へ、ようこそ」
「採算? 我が仕事に一片の悔いなし」
遠山室長の話が面白すぎです
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150721-00000002-asciiplus-sci
行って帰ってくるだけの潔いボンクラ映画ではあるんですが、意外と話法はクレバーでそこは全然マッドじゃないというw
双頭トカゲ→血袋脱走→ディセント状態→イモたん登場までで世界観と関係性を簡潔に観せきるとこにシビれました
あと、ビョンビョン棒には感心しましたね
色んなカーチェイス、バトルシーンみてきたけど、これは圧倒的に新しいな!と
絶対フォロワーいないと思うけどwww
>アイコンタクト
おふぅ…なるほどー!
もうね、目だけで会話とかその概念がないから、そんなとこ観てなかったわー
>ロマンチックな恋愛論
意志の疎通は口頭もしくは文面でお願いしますw
イモータン・みさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
立川最高でしたよね!
シネマ・ツーばかりか、HPの見方も慣れるまで良く分からないのが困りましたがw
しかし、ボンクラ映画としても最高でありながら、クレバーに思えるというこの二重の構造がたまりませんよね。
映画をたまにしか見ない人ほどボンクラに思え、
映画好きな人ほどボンクラかつクレバーであることが分かる…深い…。
「この画が欲しいんだァァァ!」というこだわり、カット割の“クリーミー”さがたまらないんですよね。
冒頭、アクションオンリーで見せる世界観が本当見事でした。
全体的に見ても、台詞で説明せず、画を見れば分かるようになっているところの多さ!これが楽しいんですよね。
イモタン登場のグラァァっと揺れる「上から見た世界」なんかも、最高にキレッキレ。
あの地位に酔う気持ちが分かるんですよネ。
私もビョンビョン棒が大ッ好き。間違いなくフォロワー居ないでしょうねw
はじめ、ニュークスに縛られて車の前に棒で吊るされてるマックスがちょっと可哀想に思えたんですが、
自分たちもやってるやん、というw
アイコンタクト、これについては女性の友人と話したんですが、
こういうのが分からない男は駄目なんだ!って話になりましたよw。…あれ?
「別の車に乗っていて見えないはずのフュリオサが怪我していることを、マックスが分かって動く」というシーンがありましたね、
私の友人にとってはあのシーンが1番のクライマックスに思えたんですって。
ちなみに私にとっては、ニュークスの「俺を見ろ!」が最高に好きなシーンで、こここそクライマックスに思えました♪ここもアイコンタクト。
ラストのマックスのシーンだって、フュリオサとのアイコンタクトだけで分かり合ってるし。
ねっ?アイコンタクトは、この映画すごく大事でしょ?
とらねこさん、こんにちは^^
立川!
私も行こうか、どうか悩んで、やっぱり遠いから諦めていた劇場でした。
そもそもこの映画を見ようと思い立ったときに、ターミネーター4と時期がかぶって、そっちを選んでしまって・・・。
その後行こうと思ったら、もう上映時間が夜しかやってない劇場ばかりで。
たった一つ、昼間公開していたのが、立川で。
そうかあ、もしも立川に行けていたら、私もズッポリはまっていたかもしれないなあ。残念。
>ケイパブル(←ニュークスとラブラブだった赤毛ちゃん。)がエルヴィス・プレスリーの娘、ライリー・キーオ。
トースト(弾丸詰めるショートカットの娘)がレニー・クラヴィッツの娘、ゾーイ・クラヴィッツ。
うわー!ほんとですか? 知らなかったー。
凄い情報ありがとう。
latifaさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
そうなんです〜!立川、the英雄の館!
スピーカーにン百万かけて増強する映画館なんて、日本広しと言えどもここ位かもしれませんよ?!
なんたって心意気がいいじゃないですか。
立川だったら何とか見れる可能性があったんですね〜、ムムム、是非見て欲しかったな。
立川でマッドマックスFRを見ていたら、今後の映画人生で一生自慢出来るものになったかもしれませんよ!