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『ゼロの未来』 脳内ベインズリー

zero
どこか懐かしさいっぱいのギリアム世界。SFと言ってもあくまで個人的な物語として、自分の内面を覗き込んでいく。
この感覚がこの人の好きなところだったんですよね。
しかしその懐かしさも、どこか自分自身のセルフパロディ的、劣化縮小コピー感がしてしまった。なんだか寂しい。

外の世界“現実”を描く時のあのペラペラな“ハリボテ”感は、長年引きこもりだった主人公コーエン(クリストフ・ヴァルツ)の世界観そのものなんですね。
絶望の未来の確率“エンティティ”を計算するなんて、それだけでも鬱に陥ってしまいそうだもの。
インターネットのエロサイトはもっとペラペラなハリボテ感。でもそこで自分を解放することが出来たのは、この人の孤独を癒やす唯一の方法だったんだな。

そもそも何のために生きてきたのか、自分の目的もゴールも未来への展望も見えない。そんなコミュ障な男はまるで、中二病な私達の心の中に居るもう一人の自分のよう。
レディオヘッドのカバー「Creep」、この曲好きだったな。この曲の歌詞が全てを物語ってますね。
まるでオールドジャズ・バージョンのような気だるさに痺れながらも、ついつい心の中ではトム・ヨークが叫んでしまう。

楽しいシーンもありましたよ。ベインズリーのコスプレ、ムチムチ感は目が喜んじゃう。
“Enter”の文字が出るまでの粗い映像コマ変換がキュート♪乳首がスケスケだっ。
直接脳にコネクトするかのような、神経シナプス回路装置。これいいな。
“脳内ポイズンベリー”ならぬ、“脳内ベインズリー”。

 

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コメント(4件)

  1. こんばんは^^

    私がこの作品をいまひとつに感じたのは
    単に私がテリー・ギリアムが苦手な所為だと
    思っていたのですが、ギリアム好きな方が観ても
    手放しで褒めることは出来なさそうですね^^;

    >「Creep」
    >この曲の歌詞が全てを物語ってますね。
    本当ですね~!今気付きました!
    (前回のコメントからそんなんばっかりですね、私^^;)

    http://hasikko.exblog.jp/21844367/

  2. amiさんへ

    おはようございます!コメントありがとうございました。

    いやー、もう素晴らしかった時代が嘘のように、まるで自ら劣化コピーを作っているようで、辛くなりました…。
    まあ懐かしい気はするんですけどね。
    大好きだった映像作家が、まるで「出がらし」みたいになってるのを見るのは辛いです…。

    『Creep』の歌詞そのまんまの映画でしたよね!
    賛同いただけて嬉しいです^^

  3. なに?女性から見てもベインズリー氏のムチムチボディは興奮するの?(何を訊いてる)
    面白い映画とは言えないけどベインズリーと
    ティルダの頑張りでなんとか最後まで寝ずに持ちこたえましたよ(笑)

  4. itukaさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
    うん、ムチムチボディってなんか、見てるとムズムズしちゃいますね…
    言われてみれば、なんでだろ?
    私、結構女見て興奮してるんだよナ…。

    なんか、ちょうどいいムチムチ感じゃありませんでした?
    ガリガリってあんまり魅力を感じない〜
    やっぱり肉感的なのがいいな。

    ワタシ的には、ティルダは「いつものこと」って感じだったかも…




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