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『インターンシップ』Google100%印の全力コメディ

internship
ちょっと危惧してたんですよ。
“Google全面協力の、Googleを舞台にした、Google社へのインターンシップの映画”、と聞いたら。
でも、監督がショーン・レヴィ、出演がオーウェン・ウィルソンということで、これは案外面白いかな?と。
当たり!DVDスルー作品なのだけれど、これが十分面白かった!

私のFacebookの友人に、Google社で働いている人が居ます。
彼は、Microsoft社からGoogleへ転職したエリート。
元々Google好き(そして、Macの方が好き)な私は、MicrosoftからGoogleへの彼の転職に心底驚き、心から祝福したのは当然のこと。
でも彼のFacebookは、前向き精神でキラキラなものばかりかと言えばそうではなく、むしろギャグ満載。
家族サービス精神溢れる、ほんわかと笑えるお茶目さに満ち満ちているんですね。それが余計、彼の人望を厚くしてしまう。

彼は、笑いの効果ということを良く知ってる人なのでしょう。
そして、この映画も同じかもしれない。

私が想像するにGoogleは、“Googleを舞台にした、インターンシップの映画”というお題を与え、さらに100%出資したかもしれないが、
物語や製作等には一切口を挟まなかったのではないか。
それぐらい自由闊達に、ショーン・レヴィのコメディ精神が感じられるものだったんですね。

そうでなければ、もっと“感動”ある“ちょっぴり退屈”な“いい話”風になっていたはず。

そもそも、googleのインターンシップにいい年したオジサンが入り込むことすら、あり得ないことかもしれない。
ましてや、PCを持っていないため図書室でPCを借り、周りがドタバタする中でSkypeする、電源ソケットすら位置が良く分かっていない人たちが、
HTML5やCSSを少し勉強したからといって、Google社に入ることが出来るのか、と…。

いやはや、アメリカのコメディの面白さや冒険精神に、改めて惚れ直しました。
映画の知識がある人は、この作品が途中で挟み込む、細かい描写についつい笑ってしまうかも。
感動物というより、内容はまるで『アニマルハウス』だし(『モンスターズ・ユニバーシティ』風でもある)、
いじめっこはビフ・タネンそっくりの姿で現れ、途中おもむろに『ハリーポッター』をパクった、運動ゲームが始まる。
箒を股に挟んで妙ちきりんなゲームをし出し、人間“ゴールデン・スニッチ”が片足首を持った変なダンスで、サイプレス・ヒルの音楽と共に登場した時は、堪え切れず爆笑してしまった。

Googleの闊達なクリエイティビティの話を描きながらも、必ずや凶悪なギャグセンスを出さずには居られない、このセンスが最高。
「Googleが好きになる話」かと言われたら私は、これを自社の100%出資で許した、そんな懐の深いGoogle社をこそ尊敬し、その点に置いて好きになれた、と答えますね。
ハリウッドでは、スポンサーが映画製作側を全面的に信頼していて、健全であり、だからこそ出来ることなのかもしれない。
もしくはそうしたコラボレーションが上手に機能しているか、あるいはこのクリエイター達が上手にそれらをケムに巻いたか。

それなのに最後ちゃんと定番的に、Googleが好きになったり、勇気をもらったりもする。
うん、とにかく一風変わったコメディではあります。
ショーン・レヴィは『ナイトミュージアム エジプト王の秘宝』で見たばかりだけど、いや素晴らしいクリエイターだと再発見しましたね。

 

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