事実ベースなので文句言いっこなし!?安定した実力のホラー 『NY心霊捜査官』
『エミリー・ローズ』、『フッテージ』のスコット・デリクソン監督。11月14日公開の『デビルズ・ノット』の脚本・製作総指揮でもある。…と聞けば、これは期待出来る!と嬉しくなる訳です。製作がブラッカイマーではあっても。
やっぱりアメリカのホラーはちゃんとそこそこ楽しめる作りになってるんですよね。実話がベースとは言え、刑事が主人公でバディ物のホラーって何気に今まであまり無かったと思うし。夜の動物園で、動物たちに驚かされる…というのも、珍しい気がする。そして、ドアーズの歌詞をブツブツ言う取り憑かれた人物…というのも、うん、これって新しい!
それから、ミスフィッツ的な見た目の不思議な人物。何物かよく分からない恐怖を、あまり引っ張らずに割と早い時点で出してしまうのもこの監督らしい。ホラーの定石をきちんと踏みながら、『死霊のはらわた』的なシーンがそこかしこに出てくるところにも大喜び。楽しいな〜!この監督の『エミリー・ローズ』は『エクソシスト』を思い出すような出来だったけれど、今作はどちらかと言えば『スペル』に近い。
「ああ、落ち着くんだ、この空間が…」と思いながら、シアターNの座席に腰を埋めるのにちょっと似た感覚だった。ああ、久しぶりなこの感じ。渋谷シネパレスだったけれど、場所で言えばシアターNに近いしさ。ああー、ホラーはやっぱりいいよねええ。どうでもいい感じのホラーが、時に私の人生に必要なんですよ。
別の世界の扉としてドアーズの音楽やその歌詞が使われている…という設定だったのだけれど。バンド名の元になったのはウィリアム・ブレイクの『知覚の扉』なんだけど、こっちではないのね?^^; …なんてついつい嘆かわしく思ってしまうのは英文学専攻だったせいか。アメリカ人ですら、イギリスの古い詩人なんて読んだりせず、サブカル方面の方が身近になってしまうよね。主人公の相棒はアリス・イン・チェインズのTシャツを着ているし、犯人はミスフィッツだし、何気にサブカル満載な映画でございました。
そうそう、『カルロス』のエドガー・ラミレスがメキシコ人の神父役、『ニュースルーム』、『ニュースルーム2』のオリヴィエ・マンが奥さん役なのも、個人的には妙に嬉しかったな。
’14年、アメリカ
原題:Deliver us from Evil
監督:スコット・デリクソン
製作:ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮:マイク・ステンソン、チャド・オマン他
原作:ラルフ・サーキ、リサ・コリアー・クール
脚本:スコット・デリクソン、ポール・ハリス・ボードマン
撮影:スコット・キーバン
音楽:クリストファー・ヤング
キャスト:エリック・バナ(ラルフ・サーキ)、エドガー・ラミレス(ジョー・メンドーサ神父)、オリビア・マン(ジェン・サーキ)、クリス・コイ(ジミー・トラトナー)、ドリアン・ミシック(ゴードン)
2014/10/06 | :ホラー・スプラッタ アメリカ映画
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同じく定期的にホラー映画を観たくなるのは何なんでしょうね(笑)
ちょっとドキドキするような感覚を摂取したくなるのは
普段の生活が安定してる証拠と言われそうですが
それはそれでまた別問題だと声を大にして言いたい(って誰にだよ)
にしても、刑事から神父へ転職するっていうのも家族の理解があってこそですよね。
ちなみに嫁は出てましたっけ?(爆)
itukaさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
そうそう、定期的にホラー見たくなります。
itukaさんもホラー好きだったのですね!
うん、ホラー好きはこの作品、なかなか評価高いですよね〜。
え、普段の生活にドキドキが無い証拠!?
それはトキメキとか恋愛とかそういう意味でしたでしょうか(爆
刑事から神父へ転職のメンドーサ神父。うん、彼は一風変わった神父でしたが、なかなか個性豊かで面白そうな人でしたね。
嫁は出てましたよー。ヒスパニック系とアジア系の血が混ざったような、魅力的な感じの人です>オリヴィエ・マン
とらねこさん、お久し振りです。
コメントありがとうございました。
公開されるホラーと呼ばれる代物、
漁っている私でも、この作品は面白かったです。
音楽とか肝になっているんだろうな
とは思ったんですが、洋楽には通じてないので・・・
メンドーサ神父のキャラが面白かったな。
シアターNと言えば、
今年もヒューマントラストシネマ渋谷で
シッチェス映画祭やりますね。
今年も全作鑑賞予定です。
来週一週間は渋谷通いだなぁ。
http://cinechan.at.webry.info/201409/article_25.html
CINECHANさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
ですよね、これホラー好きにはなかなか面白かったですよね!
メンドーサ神父は型破りでしたね。メキシコ人だからというのも手伝ってか、ちょっとエキゾチックな役柄でも何となく納得してしまう部分がありました。
お!シッチェス・ファンタスティック映画祭通われますか。
今回、TIFFと全く同じ期間なんですよね〜。去年までだったら、一週間ずらしてあったから、ちょうど良くて。
TIFFが終わった途端にちょうど芸術映画に飽きた頃に、ホラーを堪能出来たのに。
シアターNと違って、ヒュートラ渋谷は本当に気が利かないんだよなあ〜
ところで、今回の6作品はすでに2つもう見てます。
『ボーグマン』と『トランストリップ』。この2つはすでに日本で見れましたよ。
『トランスリップ』の方はラテンビートで『マジックマジック』という名前だったんですが、これ面白かったですね〜。私は好きでした!
ボーグマンの方もちょっと変わった物語でした。こちらはもう少しひねりが欲しかったなあ。