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超絶技巧の本物ヴァイオリニスト 『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』

poster2こ、これは凄いですぞ。現代のパガニーニとも言われるヴァイオリニスト、デヴィッド・ギャレットがパガニーニを演じているという幸せな作品。おそらく、クラシックファンには垂涎の的であろうことは、クラシック音楽に造詣の深くない私にも、十二分に分かる。
 しかも、モデルをやっていたこともあるというこの美麗な御姿。長髪が似合うヴァイオリニスト、髪を振り乱してヴァイオリンに没頭する姿が何て絵になるの!パガニーニの実際の姿が彼ほどの美男子でなくとも、あの超絶技巧に女子達がうっとりとなってしまったのは分かる。うんうん、分かるぞお!

パガニーニの前にフラリと現れる、謎の敏腕マネージャー・ウルバーニ(ジャレッド・ハリス)。想像を絶する放埒な行動のパガニーニに呆れ、イギリスの民衆の反対デモに翻弄されている内に、次第に彼本来の姿が見え始めてくる。音楽に自分の全てを注ぎ込み、恐ろしいまでに純度の高い音楽性を傾けるパガニーニの姿が。敏腕マネージャー・ウルバーニの姿も、初めは頼もしく思えたものの、薬漬けにされているパガニーニの姿(あのフラスコと、謎の緑の瓶が不吉)を見るうちに、次第に恐ろしく思えてくる。そう言えば冒頭での彼の登場の仕方も、『アマデウス』でモーツァルト(トム・ハルス)にレクイエムを依頼したサリエリ(F・マーレイ・エイブラハム)のようではなかったか。

b6c55778f162612ee221c51ec88b7d37ラストのコンサートでの、ヴァイオリンを弾く姿のパガニーニの姿に、フワリと映る悪魔の影。『マレフィセント』みたい…と思ってしまうぐらいのハッキリとした悪魔の影法師w。原題の“Devil’s Violinist”は、誰が悪魔だったのかがハッキリ分かる仕掛け。

’13年、ドイツ
原題:Paganini: The Devil’s Violinist
監督・脚本・撮影:バーナード・ローズ
製作:ロジリン・ヘラー、ガブリエル・バッハー他
製作総指揮:デビッド・ギャレット
音楽:デビッド・ギャレット、フランク・バン・ダー・ハイデン
キャスト:デビッド・ギャレット(ニコロ・パガニーニ)、ジャレッド・ハリス(ウルバーニ)、アンドレア・デック(シャーロット・ワトソン)、クリスチャン・マッケイ(ジョン・ワトソン)、ジョエリー・リチャードソン(エセル・ランガム)、ヘルムート・バーガー(バーガーシュ卿)

 

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コメント(2件)

  1. とらねこさん「パガニーニ」ご覧になったのですね~
    パガニーニ好き、ギャレット好きの私には大好物の映画でしたが・・・・・・・。
    全編を流れる音楽に酔いしれ、悪魔に魂を売ったパガニーニの魅力に心酔するギャレット(少し太ったのが残念)の演奏に酔いしれた私でした。
    同じ映画を観た友人(クラシック好き)が詳しく分析してくれましたが、とらねこさんが仰るようにラストの演奏会での悪魔の影がすべてを象徴していましたね。

  2. cinema_61さんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    おおっ!cinema_61さんは、ギャレットを元々ご存知でいらっしゃったんですね!
    私はお恥ずかしながら知らなくて、予告を見て「一体この人は誰?超上手いんですけど…!?何者!?」という感じでした。

    ただ、「が……」の後の長い沈黙がちょっぴり気になるんですけど!?(笑)
    そうそう、ラストの悪魔の影でいろいろ細かい事を言わずとも、全て物語っていますよね。ちょうど、パガニーニが操り人形のように見えるんですよね。
    冒頭ではウルバーニは役に立つ人にしか思えなくて、パガニーニの悪行三昧に「本当に困った人だなあ」なんて思っていたんですけど、パガニーニはむしろ純粋過ぎるんですね。
    実際のウルバーニがどこまで、この映画で描いたような悪人なのかは分かりませんが、パガニーニのあそこまでの才能を持ってすると、やはりそれを利用しようとする人が少なからず居たのかもしれないと、思わざるを得ません。




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