久保田麻琴presents Black Waxライブ×『スケッチ・オブ・ミャーク』上映@ラストバウス
吉祥寺バウスシアターにて、ラストバウス“爆音映画祭”は5/31で終わり、いよいよ「ラストバウス ラストライブ」期間が、6/1~6/10まで。これにて本当にバウスシアターは終了してしまう。ただ地元商店街の人曰く、吉祥寺の再開発事業で古くからある建物を地域的に取り壊そうとする動きがあるとのことで、バウスシアターの収益そのものが立ち行かない訳ではないらしい。それを聞くととても残念。
さておき、今回はそのラストライブ企画、”久保田麻琴presents Black Waxライブ×『スケッチ・オブ・ミャーク』上映”に行って来た。
『スケッチ・オブ・ミャーク』の上映、ピーター・バラカン×映画のプロデューサーである久保田麻琴氏のトーク、そして宮古島出身の若いジャズバンド、Black Waxのライブ!というお腹いっぱいの企画。たっぷり4時間あり、すっかり堪能してしまった!
映画自体は去年に見ていたので実質二度目だった。宮古島に伝わる古来風土そのままに伝わる歌、それらを口承で伝えていく宮古島のおばあたち。同じ日本でここまで違うのかというほどに、宮古島の風がすっかり心地よい。まるで潮風がそのまま流れ込んでくるかのような、風を意識した爽やかな画作りが素晴らしい。
そして宮古島の特異さ。「おばあたちは常に謳っていて、島の住民にとって歌は生きることであり、神への祈りそのものであった」。冒頭辺りに出てくるこの言葉は、初めこそ不思議な感覚であったけれど、こうした感覚が次第に理解出来るようになってくる。今まさに無くなろうとしている、日本の古い姿の文化に遭遇したかのよう。
ピーター・バラカンが登場してのトークは、主に映画作りの背景にある、プロデューサー久保田麻琴氏の、宮古島との不思議な縁について。単に宮古島のドキュメンタリーを撮ろうとしてそうしたというよりは、まるで運命のように導かれて、それら物事がどのように繋がっていくか。映画には入りきらない事柄が、溢れるように情熱的な思いを伝える。太古の歴史を感じさせるアミニズム的無意識の話。
Black Waxのライブにおいても、不思議な心地よさがその場の空気を支配していた。映画の中で常に映し出されていた、心地の良い風を感じるライブ。メイン&MC担当の、サックスを担当していた彼女がまた、すごくミャーク(宮古島の人)っぽい、魅力的な人だった。宮古の魂とジャズ演奏の不思議な融合。
すっかり宮古島に魅了された心地の良い時間だった。
’11年、太秦
監督・製作・撮影:大西功一
原案・監修:久保田麻琴
キャスト:久保田麻琴他
2014/06/30 | 音楽, :音楽・ミュージカル・ダンス 日本映画
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