rss twitter fb hatena gplus

*

山村浩二作品集

カフカ 田舎医者

1031581_l
短編アニメーション、35mm、21分、2007

無意識に作用するような暗さが見事。何より凄いのは、バランス感覚がおかしくなるような映像で、ぐにゃりぐにゃりと歪む。現実世界の上と下の感覚といったものを無視した映像とでも言うべきか。異次元をアニメで表現したらこのようになるんじゃないか、とでもいうような。それなのに不思議とその絵に見入ってしまう。そうこうする内に、精神世界の暗黒面に連れて行かれるような気がする。

シネカノン有楽町でやっていた頃に一度、レイトショーで見たのだけれど、最初から最後まで寝てしまい、見た内にすら入れることが出来なかった作品。レイトが始まるまでの長い時間、漫画喫茶で待ったのに…。眠りを誘うのは無意識に作用しすぎたせいかもしれない。翌日の朝また会社行くのがいつもより何倍もドンヨリしていたから、寝ながらこの作品のエッセンスを感じ取っていたのかも。

カフカの原作は読み返してみなくちゃ!

こどもの形而上学

Child's-Metaphysics002
短編アニメーション、35mm、5分8秒、2007

紙のようなテクスチャ感と、自由に線を引いただけのような描画感覚。

年をとった鰐

image-movie02
短編アニメーション、35mm、13分、2006

ブログをやり始めの頃に、ある人のこの作品の感想を読んで、以来ずっと忘れられなかった。それほどインパクトの強い作品で、そんな思いをしたのはこの作品ぐらい。その時の自分の精神状態には辛い思いをしそうで、見れなかった。

毎日恋人のために魚を採ってくる、献身的な恋人のタコ。そのタコの足を、我慢しきれず夜にこっそり一本づつ食べてしまう鰐。とうとう彼女(タコ)は動けなくなるが、動けなくなった彼女のことを美味しく食べてしまう。

『おおきな木』のことを思い出す。愛情の意味について考えてしまう。鰐はおそらく自分のことしか考えない人のことだ。愛について思いを巡らすことのなかった人生。こういう人は案外居そうである。誰だってそうなる可能性もある。もちろん自戒を込めて、この話を思い出すだろうな。

P.S.ところで最後、何も知らない人間に祀られるのだけれど、「鰐はゆでダコのように真っ赤でした」という一言で終わるのだけれど、この部分の英語字幕が「ロブスターのように」になってた。ここはタコじゃないと意味が変わってしまうんじゃないか、と思うのだけれど、単に赤い色ということだけでロブスターでいいのかしら?。タコを食べるという食文化が無い国もあるし、茹でると赤くなることを知らない国もあるだろうけれど…。

Fig

061219a
短編アニメーション、4分20秒、2003

頭山

20110203_image_v
短編アニメーション、35mm、10分、2002

これは楽しい。落語の「あたま山」をアニメ化したものだったのね。
落語と三味線、それに山村浩二の大胆なタッチのアニメのコラボレーションがすごく新鮮!
『カフカ 田舎医者』では現実の世界を歪めて描き、どちらが上でどちらが下なのか、分からないような映像だったけれど、こちらも、あり得ない映像感覚ということで言えば、頭山を持つ主人公が見えている世界と、彼の頭を映し出した映像とが、同時に表されていて斬新。頭の上に上がってみれば、そこに花見をしている客が!面白くて何度も見たくなる。これは癖になる。

five fire fish

短編アニメーション、1分29秒、2013

iPadのアプリで、ベッドに寝っ転がりながら、何気なく作った映像とのこと。

マイブリッジの糸

mybridge
短編アニメーション、35mm、12分39秒、2011

山村浩二アニメの成熟さを感じさせられる最新作。…と言っても、先ほどのiPadの映像を抜かして言うなら。
色合いもとても心地よくて。
キネトスコープは、このエドワード・マイブリッジが作ったゾープラクシスコープ(名前が覚えられない…)を見たエジソンが、触発されて作ったという。エドワード・マイブリッジの人生と、彼が捧げた馬の連続写真。
こんな風に簡潔に描かれる人生がまた、心惹かれる。

 

関連記事

『レッドタートル ある島の物語』 戻ってこないリアリティライン

心の繊細な部分にそっと触れるような、みずみずしさ。 この作品について語...
記事を読む

『君の名は。』 スレ違いと絆の深さとピュアピュア度合いについて。

今夏の目玉映画として期待されていた訳でもないだろうに、残暑の中、なんと...
記事を読む

『ファインディング・ドリー』 冒険も人生、帰ってくるも人生

『ファインディング・ニモ』は当時大好きな作品だったけれど、最近はピクサ...
記事を読む

『パディントン』 心優しき子ぐまの冒険

大人も童心に戻って楽しめるファミリームービーで大満足。めちゃめちゃ笑っ...
記事を読む

イジー・トルンカ『真夏の夜の夢』 陶酔!夏の夢まぼろし

イジー・トルンカの長編「真夏の夜の夢」 (1959年/73分) 今回初...
記事を読む

1,580

コメント




管理人にのみ公開されます

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)


スパム対策をしています。コメント出来ない方は、こちらよりお知らせください。
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ

結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...

【シリーズ秘湯】乳頭温泉郷 鶴の湯温泉に泊まってきた【混浴】

数ある名湯の中でも、特別エロい名前の温泉と言えばこれでしょう。 乳頭温...

2016年12月の評価別INDEX

年始に久しぶりに実家に帰ったんですが、やはり自分の家族は気を使わなくて...

とらねこのオレアカデミー賞 2016

10執念…ならぬ10周年を迎えて、さすがに息切れしてきました。 まあ今...

2016年11月の評価別INDEX & 【石巻ラプラスレポート】

仕事が忙しくなったためもあり、ブログを書く気力が若干減ってきたせいもあ...

→もっと見る

【あ行】【か行】【さ行】【た行】 【な行】
【は行】【ま行】【や行】 【ら行】【わ行】
【英数字】


  • ピエル(P)・パオロ(P)・パゾリーニ(P)ってどんだけPやねん

PAGE TOP ↑