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ダニー・ボイル監督最新作は記憶モノ! 『トランス』

319a7672 ダニー・ボイル監督の最新作だ、やった~!と大喜びで飛びついたこの作品。機内で映画を見るとこうして、まだ公開されていない作品を見ることが出来る。これが映画好きにとってはたまらないのよね。

記憶系サスペンススリラーというと、私にとってはかつて最も好きなジャンルの一つだった。ノーランの『メメント』なんか、もう夢中になったなあ。こちらの作品も、真相が分からないままにあれよあれよと進み、そのスタイリッシュさや疾走感がどこまでも気持ちがいい。なんだかダニー・ボイルは近年、何とも若々しくフレッシュな映画作りをするんだなあ、と驚いてしまう。しかもセンス良く上手に、つまらなくなる前のギリギリのところで回避し、冒険心を忘れない。たとえば『127時間』も『スラムドッグ$ミリオネア』も、大絶賛する人もあれば、そうでもない人も居た。賛否両論で問題作、だからこそ無視せずにはいられないような、そんなテイスト。娯楽作品として上手に漂着するのは、そういうものなのかも、なんて思ったりもする。そして彼はそれを十分に理解した上であえてやっている感じ。

この作品、見終わった後はなかなか面白かったと思っていたけれど、他の映画をどんどん見て上書きをしていったら、割とこの作品の印象が薄いようにも思ったり。どうしてもサスペンスタッチの物語は、オチが分かった時点で急激に醒めてしまう、というのもある。この世界に魅入られトランス状態に陥っていたのもこの映画の魔力なら、そこから醒めてしまった今改めて思えば、さほど驚くべきでもなかったような…。でもやはり、この手の物が一番好きだった昔の自分なら、やはりこの作品を大絶賛していたと思うし、これが大好きな人は大勢居ると思いますよん。

poster

2013年、イギリス、アメリカ
原題:Trance
監督:ダニー・ボイル
製作:クリスチャン・コールソン
製作総指揮:バーナード・ベリュー、フランソワ・イベルネル他
脚本:ジョー・アハーン、ジョン・ホッジ
撮影:アンソニー・ドッド・マントル
音楽:リック・スミス
キャスト:ジェームズ・マカヴォイ、ロザリオ・ドーソン、ヴァンサン・カッセル

 

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