真夏に見る♪悪夢の清涼剤 『ペーパーボーイ 真夏の引力』
13年位前から、毎年「夏の大作ハリウッド映画には自分の好みの物が無い。」と言っている私。ハリウッド映画が特に嫌いというわけではないのだけれど、何故か毎年、夏の大作映画は肌に合わなくて。
でも、こういうアメリカ映画なら好きだなあ。アメリカの片田舎で起こる、奇妙に時空がねじれたような感覚を起こさせるような出来事。真夏の太陽がじりじり照りつける中映画館に入ったら、「一時悪い夢を見た」、そんな風に感じさせるような物語。映画館から外に一歩出た途端、陽の光もその暑さも、入るまでとはちょっと違うものに感じさせる映画。夏だからこそ、余計悪夢が心に染みる…。
こちら、小さな作品に感じさせられる割に、俳優が粒ぞろいなんですよね。ニコール・キッドマンの「40女のクレイジーなバービードール」っぷりもいい。まさか、彼女がここまでダーティーな役を立派にこなすなんて。『イノセントガーデン』もそうだけど、彼女の役どころは確実にポイントを押さえてる!
ザック・エフロンも、『ハイスクール・ミュージカル』で一躍トップアイドル俳優になったのに、まさかオシッコをかけられてしまう役だなんて!?マシュー・マコノヒーに至っては、今年もう断然、注目俳優。『キラー・スナイパー』でのキレキレ演技に始まって、『バーニー みんなに愛された殺人者』でも町の実力者たる検事役、この作品と来て、それから今年は何と言っても『マジック・マイク』!特筆すべきはもう彼って感じ。
もちろん、ジョン・キューザックの汚れっぷりも初めて見たような気がするし。つまりこの作品て、『キラー・スナイパー』と並んで“みんなの汚れっぷりに圧倒される映画”って感じ。うん、こういうのってもう、間違いがないでしょう!きっと『キラー・スナイパー』も、ジーナ・ガーションの役をニコールが演じていたら、公開されていたりして!?
でも、一番驚いたのはメイシー・グレイが出てるとこ。私、この人の声本当に好き!女中役でオーラはないけどいい感じ。
’12年、アメリカ
原題:the Paperboy
監督:リー・ダニエルズ
製作:ヒラリー・ショー、リー・ダニエルズ他
製作総指揮:ダニー・ディムボート、トレバー・ショート他
原作:ピーター・デクスター
脚本:ピーター・デクスター、リー・ダニエルズ
撮影:ロベルト・シェイファー
音楽:マリオ・グリゴロフ
キャスト:ザック・エフロン(ジャック)、ニコール・キッドマン(シャーロット)、マシュー・マコノヒー(ウォード)、ジョン・キューザック(ヒラリー)、デビッド・オイェロウォ(ヤードリー)、スコット・グレン(W.W.)、メイシー・グレイ(アニタ)、ネッド・ベラミー(タイリー)、ニーラ・ゴードン(エレン)
2013/08/14 | :サスペンス・ミステリ ザック・エフロン, ジョン・キューザック, ニコール・キッドマン, マシュー・マコノヒー
関連記事
-
-
『エル・クラン』 ブラックテイストな犯罪一家物語
アルゼンチンで大ヒットした、と聞いて思い出すのが去年の『人生スイッチ』...
記事を読む
-
-
『ヘイトフル・エイト』 密室の曲者揃い踏み!!
エンニオ・モリコーネのオスカー、おめでとう。この作品で獲りましたね。 ...
記事を読む
-
-
『ヴァバンク』ポーランドの国民的娯楽作
今年のポーランド映画祭でかかった81年の作品ですが、ポーランドでは誰も...
記事を読む
-
-
後味の悪い映画と言えばコレ! 『ファニーゲーム』
史上最強に後味の悪い映画として、悪名高き作品。 私は、DVDで見た時は...
記事を読む
-
-
『ピエロがお前を嘲笑う』 ドイツ発のサイバーサスペンス
ドイツ発のサイバークライム/ハッカーを描いたスリラー。 ギークな童貞主...
記事を読む
とらねこさん、おはようございます。
よかったですねコレ。
ほんと、悪夢から放り出されたような感じ。
役者陣もまんべんなくタガ外れてて。(笑)
私、原作もいい感じで読みすすんでおります。
きょうはプール
明日は「ワールド・ウォーZ」。
昨年よりぜったい涼しい有難き札幌の夏であります。
そちらは昨年よりさらに暑いそうで大変そう。
どうですか、この際、北海道へ移住しませんか?(笑)
ああ、そちらの方々、長くて寒い冬がダメですもんね~
(^ ^);
vivajijiさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
クズとキチ◯イしか居ない作品でございましたが…私、大満足♪ディープなアメリカの暗部を見事に描き出した作品だと思います^^。沼映画としてもなかなか味わいがあって。
明日はワールド・ウォーZですか。私も来週辺りに見ようかと思ってるんですが、もしかしたら違う作品にしてしまうかも…。
明日は私は『青春トルコ日記 処女すべり』を見ますw
いいなあ、北海道。今頃もやっぱり涼しいんでしょうか?こちらは刺すように暑いですー。
そうそう、今年の初めにスキーしにニセコに行きましたよ。
ブログ書かなかったんですが…。
ジンギスカンにお寿司に牛乳!(これ大事!)ポテトとコーンと…美味しいものだらけですよね。札幌だったら十分都会だし。
冬は残念ながら、雪だらけでほぼ動きたくなくなりそうです…。
爽やかそうなキービジュアルに惹かれて観に行ったんで、こんなビッチな映画とは思いもよらず(笑
まあプレシャスの監督と分かって、なるほどなという感じです。
若年系「スプリング・ブレイカーズ」塾女系「ペーパーボーイ」は今年の二大ビッチ映画では。
しかしそのビッチの魅力的な事。
これはやっぱりニコールの映画でした。
ノラネコさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
アハハ!本当、ビッチビチな作品でしたねえ〜w。『プレシャス』のリー・ダニエルズ、前作とは傾向が全く違うとは言え、双方ともに最高!
私はプレシャスは素晴らしいとは認めながらも、悲しくてやり切れない思いに駆られ、心底辛くなりました。今思い出しても泣けてくるぐらい…。でもこちらの方は心から大好き!
ふふふ、『スプリング・ブレイカーズ』が若年ビッチ、『ペーパーボーイ』が熟女ビッチ、の双ビッチ作品、となww
確かに!ノラネコさんもベストに入るかな?私、今年ホラーにあまり当たりがないためも手伝ってか、この辺りのボンクラ作を、こぞってベストに挙げそうな勢いですわい。もうボンクラづくし!