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異文化カップルの毒舌コメディ 『ニューヨーク、恋人たちの二日間』

66588_1ジュリー・デルピー初の監督作、『パリ、恋人たちの二日間』以来の作品…と思いきや、こちらですでに監督4作目。途中、フランス映画祭で公開された『血の伯爵夫人』と、今年に特集上映で公開されてた『スカイラブ』とを挟んでの新作、ってことなのね。

相変わらずこの姉さん、自虐的&お下劣ギャグのオンパレード!前作であまりに下ネタの多さにビックリしてしまったのだけれど、今回ももちろん健在、というか腕によりをかけて下品になってるっていうね(笑)。

女として言わせてもらえば、下ネタの一つも出てこない同性の友人て、本当退屈なんですよね。本音トークが出来ないのと同じ。でも女性の半分は、大概はつまんない奴なんですよ。こういうアンチフェミ発言は嫌われてしまうんだけど、お上品ぶってる女、単純に言うことが面白くない女、本当に多いんですー。ユーモアのセンスって大事。この間、仲の良い友人が福岡に転勤で行ってしまって、ふと思ったのだけれど、女っていい年になると、あんまり一緒にふざけたりしてくれない。でもこの友人は、すごくイイ女なんだけど、一緒に居る間ずっとゲラゲラ笑い合えるような女性。彼女が居なくなってしまって本当に残念!もっと東京に居る内に会えば良かった。今度、東京に帰って来たら、近くに住む約束などしてしまったのでした。

で、話はそれてしまったのだけれど、ジュリー・デルピーもこういうタイプなんだろうな。素直であけすけで面白い女。一緒に居て、大爆笑もすれば、心の中のいろんな話が出来そう。ただ正直言えば、ちょっと時々ついていけないぐらい下品なんだけどね。私より下品だなんて、みんな大丈夫?ついていける?この作品に(苦笑)。

物語は自分に絶望しているアラフォー女性というところから始まる。正直、ジュリー・デルピーの老けっぷりには心が傷ついてしまった…。ああいう薄い顔の女性って、たとえ美しくはなくとも老けて見えない、と相場が決っている。…そう思っていたのに。太ったのもあるのかな。女優さんの老け姿には、何故だか傷ついてしまうのだけれど。絶望した姿のジュリー・デルピーに向かってアフリカ系アメリカ人が言う、「でも君はフランス女性だから」。そうでない人種はどうすればいいの?

今作は、終始カラっと笑える、人種の違うあるカップルのスレ違いが描かれる。正直、テーマが前作とほぼ変わっていなかったので、少し退屈してしまった部分もあったかな。それこそ、『ビフォア・サンセット』シリーズ同様、9年後に撮ったら良かったかもしれない!?さておき、等身大の彼女が描かれた“女の本音”シリーズ、さほど興味はなくともついつい足を運んでしまうのだから、やっぱり彼女は偉大だな。

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’12年、アメリカ
原題:2 Days in New York
監督:ジュリー・デルピー
製作:クリストフ・マゾディエ、スコット・フランクリン、ジュリー・デルピー
脚本:ジュリー・デルピー、アレクシア・ランドー
撮影:リュボミール・バクシェフ
キャスト:ジュリー・デルピー(マリオン)、クリス・ロック(ミンガス)、アルベール・デルピー(ジャノ)、アレクシア・ランドー(ローズ)、アレックス・ナオン、ダニエル・ブリュール、ビンセント・ギャロ

 

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