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究極のイカダ映画 『コン・ティキ』

T0015438p海洋漂流物と言ったら今年、『ライフ・オブ・パイ』に続いてこの作品が来ましたよ~!しかも夏の暑い盛りの、今の時期にピッタリじゃない?

やっぱねー、男のロマンですよ。最高!くっそーいいなあ、憧れるよねーということをまんまとやってのけてしまう博士。自分の学説の正しさを証明するために、無謀な旅に出る。これって、憧れの究極的なものかもしれない。これこそ、自分がやってみたい最高の夢もしれない!そんな思いでいっぱいになってしまった。相変わらずノセられやすい私としては。

ポリネシアを発見したのはアジアではなく、南米のペルーだ!という自説の正しさを証明するために、筏(いかだ)で110日間の旅に出る。この旅の怖いところは、方向転換や自分で漕いだり出来る船ではなく、あくまでも海流に乗って海上を漂うだけのイカダだということ。計算通りに行かなければ、海に呑まれ一瞬でただの藻屑になってしまう、ということ。

自分の信念だけでこれをやってしまう、主人公トール・ヘイエルダール。事実を元にしたフィクション映画だから、当然安心して見ることは出来るのだけれど。この無謀な冒険に一緒になって旅立っていった男たちの、内心の不安を見るだに、「やっぱり無謀だよなあ」とつくづく思ってしまう。たとえば、「君が信じているものを否定するつもりはないが、現代文明の利器も使ってみてくれ。」とワイヤーを差し出されれば、それが筏の木と木を繫ぎ合わせる補強になると知りつつも、遠慮なく海に放り投げ捨てる!これ、なかなか心が折れるとおもいますよー、目の前でやられたら。

頼るべきものは信念の強さのみ!臆病風に吹かせられた同僚(約一名、冷蔵庫の営業マン)の不安がった顔がそこにあるだけでも、大分気持ちが削がれると思うもん。私だったら。肉体的にも精神的にもキツイ状態で、そのまま海流に抱かれるように、海の上を漂う。

ああっ羨ましい!私も一度やってみたい!

筏映画って、本当に素敵だな。もう、問答無用なんです。最高!

筏映画、他に『アギーレ 神の怒り』とかもありましたよね。後は、ボート映画でヒッチコックの『救命艇』。『激流』なんかも結構好きだったー。そして『ライフ・オブ・パイ』。まだ他にあるかな?イカダ映画。

’12年、イギリス・ノルウェー・デンマーク・ドイツ
原題:Kon-Tiki
監督:ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ
製作:ジェレミー・トーマス
脚本:ペッター・スカブラン
音楽:ヨハン・セーデルクビスト
キャスト:ポール・スベーレ・バルハイム・ハーゲン(トール・ヘイエルダール)、アンダース・バースモー・クリスチャンセン(ヘルマン・ワツィンゲル)、ヤコブ・オフテブロ(トルステイン・ロービー)、トビアス・サンテルマン(クヌート・ハウグランド)、オッド・マグナス・ウィリアムソン(エリック・ヘッセルベルグ)、グスタフ・スカルスガルド(ベングト・ダニエルソン)、アグネス・キッテルセン(リブ・ヘイエルダール)

 

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