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豪華絢爛が虚しい 『華麗なるギャツビー』

gatsby_2013061401-bffe1原作はそれほど好きでもないフィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』。かえって新鮮に観れるかな、と期待して見た。

バズ・ラーマンの『ムーラン・ルージュ』はゼロ年代ベストの一位に入れた、実は自分のオールタイム・ベストの上位に食い込むと思われる、愛してやまない作品。そのバズ・ラーマンが久々に華麗に描く、1920年代のアメリカ!ではあるのだけれど。

本で読み、ひとり頭のなかでボンヤリと再現した景色が、映像になって目の前に広がる嬉しさは、特に湖の向こう側にぼうっと光る緑の光が妖しく見えた時。一方で、豪華絢爛な煌めきそのものが悪夢のようで、むせ返るような趣味の悪さ。過剰なまでに装飾的な美術の中で、役者の演技がただ浮いて見えるような、リアルがお伽話の中で横滑りする感覚がどうしても拭えない。いくら成金趣味と言えど、こんなに趣味悪いか!?うーんごめんなさい、これちっとも素敵じゃないよね。

物語自体は、とても分かりやすく、あらすじをすっきりと見せていたと思う。語り部としてのニック・キャラウェイの立ち位置や彼の思いをハッキリとさせ、観客がどこに共感するべきかが分かりやすくなっていたり。

ただ、喪失感に覆われた失われた夢の物語が、大仰な喧騒の中の悪夢の一幕物のように感じてしまい、どうも個人的にノレないのでした。ギャツビーが手を伸ばした瞬間に消えてしまったように感じた緑の光、ナレーションで説明づけてしまうのなら、映像で見せて欲しかったな。原作をスポイルするような出来にウンザリしたのは、そう言えば「ロミオとジュリエット」も同じだったっけ。

’74年のジャック・クレイトン版は、コッポラが脚本を書いていたのね。こちらも機会があれば是非見てみようっと。

この作品のVFX責任者が、元の映像とを比べた動画をUPしたよ。チェックしてみてね。

The Great Gatsby VFX from Chris Godfrey on Vimeo.

’13年、アメリカ
原題:the Great Gatsby
監督:バズ・ラーマン
製作:バズ・ラーマン、キャサリン・マーティン他
製作総指揮:バリー・M・オズボーン、ブルース・バーマン他
原作:F・スコット・フィッツジェラルド
脚本:バズ・ラーマン、クレイグ・ピアース
撮影:サイモン・ダガン
音楽:クレイグ・アームストロング
キャスト:レオナルド・ディカプリオ(ジェイ・ギャツビー)、トビー・マグワイア(ニック・キャラウェイ)、キャリー・マリガン(デイジー・ブキャナン)、ジョエル・エドガートン(トム・ブキャナン)、アイラ・フィッシャー(マートル・ウィルソン)、ジェイソン・クラーク(ジョージ・ウィルソン)他

 

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