rss twitter fb hatena gplus

*

めったに会えない素敵なラブコメ 『セレステ∞ジェシー』

484537_515013931896512_902013359_n久々に素敵なラブコメに出会えた!どれぐらい良かったかと言うと、“好きなラブコメのベスト10”を考えるとしたら、ベスト10に入りそう!ってぐらい。ちなみに、他にこのラブコメベスト10に入りそうなものは、『恋人たちの予感』と『ビフォア・サンセット』と『あなたが寝てる間に…』、『ラブ・アゲイン』。

ふと考えると、私みたいにバイオレンス物を好む人は、基本、女子をターゲットにしたヌルい恋愛を描いた映画群はあまり好きじゃない、なんて考えがち。でも、映画好きとしていろんなタイプの映画を見るのに、「恋愛物が好きじゃない」なんていうのは、砂糖を使わずに料理をしようとするのと同じ。気がつけば砂糖って煮物のほとんどに入っているじゃん!ケーキばっかりじゃないんですよね、砂糖が使われるのは。人間を描く時に、そこに必ず恋愛部分がある。これをメインに持ってきた作品だって、面白くない訳がないんですよね、アプローチ次第。

この作品、主演のセレステ役のラシダ・ジョーンズはクインシー・ジョーンズを父に持つセレブなんだそーで。で、彼女自身が自分の経験を元に脚本を書いているとか。しかもこの作品のセレステとジェシー二人の友人役のウィル・マコーマックがその相手。彼自身が製作まで携わっているらしい。なんと、この作品てまさに第二の『ルビー・スパークス』!

ラシダ・ジョーンズには夢中になってしまいそう。なんて素晴らしい脚本なんだろう!ちゃんと恋愛の酸いも甘いもわきまえた上で書いてる手応え。軽快なコメディシーンを描くことも出来れば、永遠に横たわる男女の愛の行き違いも描くことが出来るなんて。

私は、自分の悪いところをきちんと理解出来ているところに、特に感心してしまった。自分の仕事が調子が良く、向上心を持って取り組んでいて、自信満々で居られる時。自分に適した最愛のパートナーを、ちょっぴり物足りなく思ってしまう。本当はそんな温かい存在が居たから、光り輝いていられたのかもしれないのに。傲慢さというよりは、世界に対してちょっぴり強気で、もっと上をと狙っていたが故、かも。

もちろん後で間違いだったと気づくのだけれど、いつも隣にいる相手の価値をきちんと見定めるのは、本当に難しいことなんですよね。誰もが犯してしまうかもしれないほんの些細なミス。
セレステがそれほど傲慢だったと、私は思わない。長年一緒に居ると、まるで毛布のように、相手が居心地の良い存在になってしまう。もっと刺激のある相手を欲し始める。本当に大事なものに後から気づくなんて、とても辛いこと。この作品の原題は「Celeste and Jesse Forever」というものだけれど、この、最後についた“Forever”を考えると、なんだか切ない。

ミスター・ライトを見つけ出すのは、いつだって難しいことだから。

’12年、アメリカ
原作:Celeste and Jesse Forever
監督:リー・トランド・クリーガー
製作:ジェニファー・トッド、スザンヌ・トッド
製作総指揮:ラシダ・ジョーンズ、ウィル・マコーマック
脚本:ラシダ・ジョーンズ、ウィル・マコーマック
撮影:デビッド・ランゼンバーグ
音楽:サニー・レビン他
キャスト:ラシダ・ジョーンズ(セレステ)、アンディ・サムバーグ(ジェシー)、イライジャ・ウッド(スコット)、ウィル・マコーマック(スキルツ)、エマ・ロバーツ(ライリー)

 

関連記事

『帰ってきたヒトラー』 このご時世じゃ笑いたくてもワロエナイ!

ヒトラーは生きていた!? 「源義経はモンゴルに渡り、チンギス・ハーンに...
記事を読む

『神様メール』 新・新約聖書がもし書かれたなら

映画の面白さについて語るのはいつも難しいことだけれど、とりわけこの作品...
記事を読む

『これが私の人生設計』 窮屈なイタリア社会を笑う

イタリア映画祭で評判だったこの作品は、イタリアの国民性を感じるコメディ...
記事を読む

パン・ホーチョン 『愛のカケヒキ』 女同士のバトルが面白い!

中国映画週間にて。 そうか、香港は中国に返還されたから、“香港映画”で...
記事を読む

アレックス・デ・ラ・イグレシアでデラ上がる! 『グラン・ノーチェ!最高の大晦日』

ラテンビート映画祭にて鑑賞。 アレックス・デ・ラ・イグレシアに遅らばせ...
記事を読む

4,246

コメント




管理人にのみ公開されます

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)


スパム対策をしています。コメント出来ない方は、こちらよりお知らせください。
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ

結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...

【シリーズ秘湯】乳頭温泉郷 鶴の湯温泉に泊まってきた【混浴】

数ある名湯の中でも、特別エロい名前の温泉と言えばこれでしょう。 乳頭温...

2016年12月の評価別INDEX

年始に久しぶりに実家に帰ったんですが、やはり自分の家族は気を使わなくて...

とらねこのオレアカデミー賞 2016

10執念…ならぬ10周年を迎えて、さすがに息切れしてきました。 まあ今...

2016年11月の評価別INDEX & 【石巻ラプラスレポート】

仕事が忙しくなったためもあり、ブログを書く気力が若干減ってきたせいもあ...

→もっと見る

【あ行】【か行】【さ行】【た行】 【な行】
【は行】【ま行】【や行】 【ら行】【わ行】
【英数字】


  • ピエル(P)・パオロ(P)・パゾリーニ(P)ってどんだけPやねん

PAGE TOP ↑