ホラー集大成deお祭り騒ぎ! 『死霊のはらわた』
この弁当凄くない?これ1、2年位前だったかな。twitterで回ってきた「死霊のはらわた弁当」。トラウマ級の弁当ですよね。箱の蓋開けてこんなん出て来たら、勉強なんか頭に入らんわ^^;
本人製作によるリメイクということで、ずーっと前から楽しみにしていた今作。ただ、よくよく考えたらサム・ライミのプロデュース作品て、多分にイマイチだったりするんですよね。そう気づいて、あんまり楽しみにするのもアレかあ、と思い直す私。しかし、公式HPこそ簡易に出来上がっているけれど、公式Tumblrが(英語版しかありませんけど、いいですね?了解しました?なんて確認をされてから飛ぶようになってる)メチャメチャ良くて。Tumblrでは一般の人が手を入れたアートワークがたくさんUPされているのだけれど、いかにオリジナルを好きな人たちが大勢居るか、皆が楽しみに待ち、盛り上がっている様がヒシヒシと伝わって、否が応でも私も盛り上がってしまったのですよ。この「死霊のはらわた」アート群が素晴らしいものばかりだったので、自分のブログを美術館みたいに飾りたーい♪と思った私でした。
映画の方は、ちゃんと楽しめるものに仕上がっていたと思う!オリジナルのキレの良さ、シンプルさが好きな私には、少しガチャガチャした印象に思えたけれど、基本はちゃんと抑えてるし、何が何でも楽しませよう!という精神が好感度高し。何種類もの武器を使ったり、いろんなタイプの切り株描写にも細かい工夫を感じられて素晴らしい。勢いの良い直球ホラーの気持ちよさをちゃんと堪能出来てしまった。さらにラストシーンにかけてのオリジナルへの裏切りっぷりなど、オリジナルとの違いを出そうと苦心している様が感じられるんですよね。
オリジナルとは違うラストを目指し始めた辺りから、「まだ終らないぜベイベー!」とばかりにさらに頑張っていく感じ、嫌いじゃないです。いいと思いまーす。楽しければいいんだから!みたいな精神を感じたり。
なんか『キャビン』みたいな作品でしたよ。『リング』みたいだったり、『キャリー』っぽいシーンがあったり、『悪魔のいけにえ』っぽくなったり、『シャイニング』ぽかったり、『死霊のはらわた』と言いながら、実はオールスターキャスト!?みたいな。『殺し屋1』みたいな死に方のシーンもあったし、ラストなんてブルース・キャンベルが「Smoking!」ってこの台詞、それ『マスク』のジム・キャリーの決め台詞だよね。角度でも同じだし。…あ、でもフレディだったのかな?フレディもあの角度だよね。オリジナル以前からの朋友ブルース・キャンベルが出てる!てだけで嬉しくなりますよね。
ただ、地下室の使い方や、鏡の割れるシーンの怖さ、霊に取り憑かれた仲間の豹変した姿など、後のホラーにいくらでも見られるこの作品へのオマージュが、せっかくのリメイクで少し物足りないものになっていたこと、これはちょっと痛恨のポイント減でしょう。木に犯されるシーンの異常なテンションなどは、あまりにアッサリしていてガッカリ。それぞれの印象的なシーンほど、そのままにやることへのためらいがあるのか、結果的にオリジナルの持ってるレベルへ到達出来ていないんですよね。レイプシーンやヴードゥーのシーンに至っては、オリジナルをリスペクトすらしていないんじゃないか、と思えるぐらいアッサリしたものになっていた。
個人的に良かったのは、死ぬ前に膝枕をするシーンの画面の馬鹿馬鹿しさ。しかしその後、オタクロン毛青年がひきつったように笑い出してしまうことにより、笑いを保つことが出来ず白けたものになってしまうんですよね。逆にライミホラーの楽しさの難しさ、照れない・ブレないことへの難しさをふと感じてしまった。
ただ、すごく楽しく満足出来た割に、書き始めたらいつの間にか文句がたくさん出てしまったのは、私がオリジナルを好きすぎるせいだと思う。なんたって、15の時から好きなホラーなんですよ。
ヤンキーの友人と一緒に見たのだけれど、この彼女、学年で一番綺麗な一番の不良の子でした。人形みたいな綺麗な子だったのだけれど、暴走族の頭と付き合っていて、時々顔に痣を作って学校に現れた。彼女が家にたまにしか帰らないので、親に殴られたらしい。
で、この彼女、森のレイプシーンで、「この女絶対感じてる」って言ったんですね。私はあの台詞が忘れられなくて…。私は15なので当然処女だった訳ですけど、「この女、やってるな…!」と思った。この作品は私にとっての初ホラーであり、大人への階段を登る一歩でもあったんだナ〜なんて、思ったりしますw。
監督:フェデ・アルバレス
製作:ロブ・タパート、サム・ライミ、ブルース・キャンベル
製作総指揮:ネイサン・カヘイン、ジョー・ドレイク他
脚本:フェデ・アルバレス、ロド・サヤゲス
撮影:アーロン・モートン
キャスト:ジェーン・レヴィ(ミア)、シャイロー・フェルナンデス(デビッド)、ルー・テイラー・プッチ(エリック)、ジェシカ・ルーカス(オリビア)、エリザベス・ブラックモア(ナタリー)
2013/05/10 | :ホラー・スプラッタ サム・ライミ
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コメント(7件)
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キャラ弁・・・・w
よくでき過ぎでしょ。
これオカンに作られたらもはや嫌がらせσ^_^;
ノラネコさんへ
こちらにもありがとうございます。
そうそう、究極のキャラ弁!でもこれ、弁当の蓋にチェーンとかついてるし、多分、食べる用に作られた弁当では無いですよね。
私もキャラ弁を作れるお母さんになりたいなあ♪さすがに、これは真似しませんがw
2013年版、やっと観ました。
本寸法のホラーを充分堪能した・・・、のに、何故かケチを付けたくなる作品でした。
オリジナル版でさえ、最近漸く見た新参物ですが・・・
「面白いけど、何か違うなぁという思い。」その思いが吹っ飛んだのが最後の最後でのブルース・キャンベル登場のバカバカしさ。
あれにも元ネタがあるんですね。
imaponさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
お、見ましたか、リメイク版!この間imaponさんは、きちんとオリジナルを予習されてましたよね♪
私も、こちらはなかなか良くて楽しめたことは楽しめたんですが、なんかちょっとユーモアの無い感じがイマイチ、ライミ版とセンスが違ってて…。
私もなんだかんだ文句を付けたくなってしまった今作でした。
ブルース・キャンベルは確かにちょっとビックリでしたね。ゲゲゲの鬼太郎の終わり方みたい…。