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124★次の朝は他人

’11年、韓国
原題:the Day He Arrives
監督・脚本:ホン・サンス
撮影:パク・ヨンヨル、ジ・ヨンジョン
キャスト:ユ・ジュンサン(ユ・ソンジュン)、キム・サンジュン(ヨンホ)、ソン・ソンミ(ポラム)、キム・ボギョン(キョンジン/ソン・イェジン)、コ・ヒョンジョン(映画ファン)

正直言うと、『高地戦』の後に見てしまったのがいけなかったのかもしれない。正直言うとこの監督さん、自分とはあまり肌が合わない感じがしますです。他人の恋愛話は、うん確かに、面白い部分もあるんですよ。自分と似たようなことをしている訳だし。頑張って!リア充乙!以上!という感じになってしまったのでした。ああ、私っていつからこんな非リア充体質になってしまったのー?

私は『ハハハ』とこれしか見ていないのだけれど、全く同じ台詞があるんですよ。「あいつは、ピアノを弾かなければいい奴なのに」という台詞が。「私ってどう見える?」とかね。さらにまた今回も似たような、自分の半径100m範囲内の恋愛物語。彼らが行く場所は、酒場・お洒落な酒場・居酒屋、ここをグルグル回るのみ。呑みながら喋る彼らの会話も退屈この上なく、決して刺激のあるものではないのでした。

主人公は4本映画を撮ったけれども、今は人に教える仕事しかしていない、ノンビリモードな田舎暮らし。映画は撮りたくても撮れない状況を強いられているのか、それとももう撮らないつもりで居るのかが分からない。何にせよ、後ろめたく思っているところがとてもリアルで、あの心理は何となく分かる気がする。「映画監督」という職業は言ったもん勝ちなの?^^; 確かにそうなのかもしれない。なんだかどの職業も、バンドマンとあんまり変わらないのね。(「バンドマン」て言い方は今は古いか?でも、「ミュージシャン」て言い過ぎじゃん。)

ソウルには通り過ぎるつもりでやって来たのに、以前の知り合いと会って飲むことになり、ズルズルと腰を上げることが出来ない状況でいる。この設定がなかなか面白かった。女性に対するスタンスも、本気にはもうなりたくないのか、誰とも本気になれない気持ちなのか、とにかく真剣さは無い。一晩過ごした翌日に、「頑張って生きて行け、日記を毎日書け(三行でもいいから)」みたいなロクでもないアドバイスをする姿に、私だったら心底ウンザリ。相手への嫌悪と自己嫌悪ですっかり凹んだ気分を体験させてもらったけれど、相手の女性は真面目に聞いてて馬鹿みたい。

 

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コメント(3件)

  1. 昨日コメントしようと思ったのですが睡魔に負けました(笑)

    あり得ないっちゃあり得ない話でしたね。
    朝起きて、「何であたしこんなのと付き合ってるんだろ?」とか、ふと思う瞬間とかってもしかしたらあるようにも思うんだよね。そのあり得なさが何となく浮かんでしまった私にとって、これってアリなのかも?と思えてしまったのでした。
    でも、普通に考えたら噴飯ものでしょうね(笑)

  2. rose_chocolatさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。

    そうそう、roseさんとは映画がカブっているので、たくさんお話できますよね〜!

    ふーん、roseさんには「あり得ない話」のように思われたんですね。確かに、「よくある話ですよね」なんて言われたら、「どんだけ遊んでるんだ」という話になりますがw。

    でも、一晩過ごして翌朝は他人のよう…というのはそんなに「ない」話とも思いませんよー。
    ただ、Hした翌日に、「立派に生きていけよ」なんて偉そうに余計なお説教まで聞かされた日には、「うわあコイツのハズレっぷりキツイ」って私なら思いますw。まあ、この作品は言わばダメ男の話でした。それも、監督自身の姿を思わせるという。…そんなリアリティはものすごくありましたww




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