117★ザ・レイド
’11年、インドネシア
原題:The Raid: Redemption
監督・脚本:ギャレス・エヴァンス
撮影:マット・フラネリー
音楽:マイク・シノダ、ジョセフ・トラパニーズ
キャスト:イコ・ウワイスラマ、ジョー・タスリムジャカ、ドニー・アラムシャアンディ、ヤヤン・ルヒアン、ピエール・グルノ、テガール・サトリヤ、レイ・サヘタピー
これは強烈な作品!アクション映画の大好きな人は、是非とも見るべき一本。
私が初めてタイのアクション映画を見たのは『マッハ!!!!!』が一番最初だったのだけれど、その時のことを思い出した。「一体、どっから出てきたの、コレ!?」っていう驚き。実はその時が初めてムエタイを見た時だったのだけれど、今回のインドネシアの「シラット」も初耳。
インドネシア映画と言えば、TIFFで2ヶ月前に(『目隠し』、『ティモール島アタンブア39℃』 )見たばかりだったのだけれど、こんなアクション映画ではもちろん無く。…いやあこちらの血まみれアクションに、心底ビックリしてしまいました。
物語冒頭、とあるマンションに警察が潜入するんですね。相手はどうやら闇の組織らしいのだけれど、一つのマンションを攻めて来ている。で、このマンションがこうした全面攻撃を突然受けるのは、実は二度目だそう。前回はギャングの一団が来たけれど、それは追い返しているとか。すごいマンションだなあ。南ア、ヨハネスブルグのポンテタワー(ポンテ シティ アパート)みたいな場所なんですかね?(→ポンテタワーをご存知無い方はコチラへ。「リアル世紀末都市、南アフリカ ヨハネスブルグの観光都市案内PV」)
こうして警察が一斉捜査で踏み入って来たからには、相当悪い奴らなのだろう、と思いきや、どうやら警察の方もキナ臭い。この辺りの描き方がまたいいんですよね。警察の方がどんどんヤラれていき、バックアップを呼ぼうぜ!てことになって初めて分かることなのだけれど、警察の一団も正規の捜査ではなく、どうやら組織の深いところで繋がっていそう。どっちも悪来ましたー!で、こういうどっちが勝ってもおかしくない状況から、俄然アクションがヒートアップしていくのです。最初から銃撃戦!銃撃戦!の乱れ打ち。
ただ、前半で面白いのはこの状況が分かるまで。この先しばらく、同じようなシーンが続いてちょっと中だるみしてしまいます。私は肉体系アクションは好きなのだけれど、銃撃戦でズドドド・・・とやるのはそんなに好きじゃないんですよね。申し訳ないけど同じことの繰り返しで、眠くなっちゃいました。火薬が多すぎて、全体が煙まみれになってるので、余計眠気を引き起こす。あー、銃撃アクションて全然面白くねーな!退屈すぎ!と思ってしまったのは、私が女の子だからなのね!そーか、そうだわ、って、自分のガーリーさを再発見。
でも、警察側と組織側の兄弟が出会った辺りから、俄然面白くなって来ます。肉体アクション満載に変身!!ここから、インドネシアの格闘技シラットの本領発揮〜!これが見事にカッコイイ。この辺からさらにヒートアップして行きます。銃撃戦は映像として見ると退屈なのだけれど、人間のアクションとなると俄然面白さが変わってくる。遠慮無く人がバッタバッタと倒され、ドンドン殺されていく。どれだけ殺すんだよ、っていう。シンプル極まりないけれど、なかなか無い強烈な作品!
この作品だと、アクションが本当に相手を殺すためのもの。シラットという格闘技は、肉体のアクションの動きを美しく見せるためのものではなく、手にはすんごいゴッツいナイフを手にしていたりするのです。拳の代わりにナイフをグサグサ刺してゆく。こえーよ!こえーって!!一人に対して、敵何人!?というアクションも、恐るべき勢いで殺しまくっていきます。もう、画面全体が血みどろのアクション。いやー、怖かったー。ところどころ笑いが漏れたりもしてました。ビビってオシッコも漏れそう。この感覚がなかなか良いのです。これ、アクション好きは必須ですよ。
※ストーリー・・・
ジャカルタのスラム街を舞台に、警察の特殊部隊とギャングが繰り広げる壮絶な戦いを描いたインドネシア発のバイオレンスアクション。麻薬王が支配し、ギャングや殺し屋、ドラッグの売人の巣窟となっている高層ビルに、ジャカルタ警察のSWATチームが強制捜査に入る。しかし作戦の情報は筒抜けになっており、20人の隊員は無数のギャングを相手に激しい戦いを強いられ、ひとりまたひとりと命を落としていく・・・
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コメント(4件)
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これ面白かったですね。記事にしてないけど。
私アクション好きじゃないんだけど予告で釣られました。
最後の締め方もいいよね。
これはとにかく細かいこと考えないのがいいです。
rose_chocolatさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
面白かったですけど…roseさんが高評価なのにビックリしました!w
こういう殺戮アクション物は苦手かと…^^;
じゃあ、もしかしてタイのアクションなんかもお好きなのかしらん。
この作品はさすがに、みんな評価高いみたいですね。
ねこたんっ!(肘っ!)
…よけた?
もうね、白髭ね!こういうガチ白兵戦で用いられる格闘術が大好き!で!常にね、最強の格闘術とは…って考えたとき、クラヴマガ、シラット、システマと出てくるんだけど、このレイドで一発でシラットに軍配が上がり、DVDも買って、あげくにシラット道場を探し尽くし、まぁマンツーマンで教えますって言われ、引いたチキン野郎なんだけどさー。
てか、レイドみて思いだした地上最強のグルカ兵の話を置いてくからぜひ!読んで!
ちなみにグルカ兵は漫画「夜叉」に出てくる静のボディーガードもそうだったよ☆
http://matome.naver.jp/odai/2133499738402588401
あ、レイドの話してない!
白髭タン☆
(ボスゥッ…)ゴフッ
入った!肘、めっちゃ入った!
白鬚タン、もともとシラッドご存知だったのネ。私は、そんなのシランド派。
しかし、そんなインターナショナルな格闘技、TOKYOみたいなどめすてぃっくな環境じゃ絶対見つからなそうなんだけど、マンツーマンでも教えてくれるオッサン(かな?)が身近に居るなんて!!すごぃ〜〜
まるでベストキッド!
プププ…格闘技教えてもらうはずが、ペンキ塗りとかやらされるイメージだにゃ^^*
どうして髭タンはそんな映画みたいなチョイス、スルーしてしまったの?
や、私だったらやっぱり怖いわ…マンツーマンは^^;
私も前言ったかもだけど、テコンドーやりたかったけど月謝が高かったので、高校の時空手部に入ったんだけどねw。
髭タンは、リアルに何か格闘技やってるの?
グルカ兵、すごいね…本当に一人相手に1個軍団なんだ!
ちなみに、ホーチミンはベトナム戦争前にゲリラ戦の戦い方を、弱かったベトナム国民に教えて、そのせいで彼らはいきなり強くなったと『映像の世紀』で言ってたんだけど(そしてこれはウィキペディアとかには書いてないんだけど)、それがもしかしてグルカ兵等のゲリラ戦の戦い方だったのかなー。