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107★WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々

’11年、アメリカ
監督・脚本:トム・マッカーシー
製作:トム・マッカーシー、メアリー・ジェーン・スカルスキー他
製作総指揮:ロリ・キース・ダグラス、トム・ヘラー
原案:ジョー・ティボーニ
撮影:オリバー・ボーケルバーグ
音楽:ライル・ワークマン
キャスト:ポール・ジアマッティ、エイミー・ライアン、ボビー・カナベイル、ジェフリー・タンバー、バート・ヤング、メラニー・リンスキー、アレックス・シェイファー(カイル)

扉をたたく人』のトム・マッカーシー監督作品。「地味なんだけど良作。」を地で行くタイプ。この作品が一番好き、という人は居ないまでも、嫌いな人は居なそうな感じ。一つひとつのエピソードを丁寧に描きながら、それぞれの登場人物の心の動きも、優しく見守るような展開。

まさに、アメリカの良心的な人達の典型が描かれていて、それが心地良い。隣人とも仲良くし、困っている人達とも助け合う・・そんな、アメリカの長所が感じられるような一作。アメリカ人て、こういうところがいいんですよね。旅先で会っても、オープンにいろんなことを話し合えるし、サラリと仲良くし、決してしつこくはしない。その代わり、愛想が良くなかったりすると、途端に「アイツ阿呆だわ」と言われてしまいそうな裏は感じたりもする。・・こんな風に思うのは、私がひねくれ者だから?

ポール・ジアマッティ演じるマイクは、そんな良心的なアメリカ人そのもの。彼が話す内容によって、いかに彼が良い人なのかが分かる。嫌なことは極力口には出さず、時々は怒りに駆られるけれども、だからこそ、彼が素直な人物であることが分かるというか。また、彼の奥さんもまた、本当に温かい人物。カイルの母親がダメな奴だと分かると、自分が電話に出たがって、話したがったりする。

カイルも、変なブリーチをして髪を染めているけど、根はすごくイイ子なんですよね。余計な事を言わないけれど、心を少しづつ開いていくと、少しづつ距離を縮めて来たりして。ただ、彼がアマチュアレスリングが得意である、という設定は、『しあわせの隠れ場所』を思わず思い出させるし、両者に共通点が多いため、何となくこちらの評価が下がってしまったかなあ・・。養子に欲しいと思う子は、必ずスポーツをやっていて、それが得意でない限り、養子にしたくなるような魅力がない、ってことなの?なんてひねくれてしまったりもして。

 

※ストーリー・・・
不況で仕事がなく、高校のレスリング部のコーチでお小遣い稼ぎし、妻と幼子2人の家庭を守る弁護士のマイク。マイクは金策のために依頼人で身寄りのない老人レオの後見人になる。そんな時、レオの孫の少年カイルがドラッグ中毒の母親の元から家出してきて、レオを訪ねてくる。戸惑いながらもカイルを預かるマイク。しかし、カイルはなんとレスリングの天才だった。お互いに好都合な関係になったマイクとカイルだったが・・・

 

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コメント(3件)

  1. こんばんばん。これ、スケール的にかなりこぢんまりした話だったけれど、そのこぢんまりしたところが良かったように思います

    カイルがたまたま天才少年だったのは少し出来すぎな気もするけれど、アメリカの人たちって日本と比べてわりとさくっと養子縁組結んだりするような。文化的なものもあるのかな? 『幸せの隠れ場所』では「キリスト教精神ゆえに」って言ってたね

  2. SGA屋伍一さんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    うん、小さいけれどしっかりまとまった良作でしたよね。
    カイルは彼らのところで育てられたからこそ、本来の彼らしく伸び伸びと出来たんですもんね。
    あ、このテーマ実はトールマンとちょっと似てるんだわ。
    良ければSGAやんもトールマンを見てみてちょ。
    幸せの隠れ場所もいい映画だったよね。すごい共通点があったよね。君はこの作品が幸せの隠れ場所を思い出す、とは書いてなかったのね。




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