アリアガ邸、ペルーの変わったガイドさん
リマの街中にある、ヘロニモ・デ・アリアガというスペイン人征服者の屋敷に来ました。
外からパッと見ると、よくある普通の通りにある小さな門構え。
すぐ隣がアイスクリーム屋さんとファーストフードの店で、その間に挟まれている、ただの狭い門にしか見えません。
ところが、一歩中に入ると、ビックリするほど大きな屋敷。
これも、リマの町に坂が多いため、外から見てもこんなに大きな屋敷とは、分からないようになっているのです。
この人がヘロニモ・デ・アリアガさん
豪華なお屋敷で、実際に現在のアリアガさん一家が住んではいるのですが、ほとんど不在。
普段は警備員が居るだけなのですが、本来はこんな風に、中に入ることはなかなか出来ないそうです。
このガイドさんはツテがあって、警備員の人からOKが出た時ぐらいなんですって。
ガイドさんに言わせると、おそらくリマの人は、ここにこうした豪邸があることを、知らないだろうと。
外から見ればただの小さな門ですし、一般の人は入れないようになっているので。
こうして、海外から来た日本人観光客だけが、中に入ったことがあるのかもしれません。
ペルーのレストランは、美味しそうなポヨ・アラ・ブラーサ(鶏肉のグリル焼き)が、あちこちに見られます。
「あの辺の建物、まるでブラジルのファヴェーラみたい。(『シティ・オブ・ゴッド』)
あの辺りの地区って、怖いんですか?行ったことあります?」そう、私が訊いた時のことです。
ガイドさんが、一瞬答えに窮しました。そしてその後訊いた話、これが本当に驚いた。
彼は、ガイドはまだやり始めて間もない人で、以前は全く違う商売をしていたそうです。
実際、ガイドっぽくないな、と思いました。普通であればガイドさんが言うようなことを、あまり言わないのです。
教会に行ったら、その教会がいつの時代に建てられたものか、何式の建築様式か、見所はどこで、どのように価値があるか。
そんなことを普通言いますよね。でもこの人、一言も言わないのです。
ただ、人の気持ちを汲むのが上手く、話し上手でもあり、エスコートもとても得意。
普通はガイドっぽくないことに気づかないぐらいかもしれません。
以前はペルーと日本を行き来し、日本円にして3億円ぐらいの相当なお金を貯めた後、ブラジルに移住したそうです。
そこで新たな会社を興し、いざ商売を始めようとしたその時、地元のマフィアに目をつけられ、誘拐されてしまったとか。
その時持っていた何もかも、お金から資産から、全てを巻き上げられたそうです。
強制的に自白剤を打たれ、全て言わされ奪われた後、注射を打たれ、車のトランクに入れられたらしいのですが、
その朦朧とした意識の中で「燃やそう」という声が聞こえたとか。
これはまずいということで、車のトランクを下からこじ開け、自力で這い出し、
動く車の中、ゴロンゴロンと転がって逃走したのだそうです。
当時奥さんも子供も居たそうなのですが、一文無しになった後、離婚。
それからまだ3,4年しか経っていないそうですが、未だに殺される夢を、何度も何度も見るそうです。
すごい人生ですよね。まるで映画さながら。
彼は日系で、通訳が出来るぐらいの能力のある人なのですが、
九州に住んだことがあり、日本で働いていた時に、たくさんのお金を貯めたそうです。
ただ、正直言いますと、そんなにたくさんのお金を貯めることが出来たのは、
マトモな商売だったからとは思いませんでした。いくら何でも額が多すぎますよね。
そして、そんな彼だったからこそ、ブラジルで商売を始めようとした時に、目をつけられたのだと思います。
いやあ、トンでもない話を聞きました。最後の最後に(爆)。
本当はこのガイドさんの名前も訊いたし、写真も撮ったのですが、
このような内容であるので、彼の写真をUPするのはやめておきますね。
見た目は地井武男と舘ひろしを混ぜた感じ。40代後半だと思いますが、相当イケメンなおじさんでした。
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