ミュージカル『RENT』2012に行って来ました!@シアタークリエ
演出:マイケル・グライフ
日本版リステージ:アンディ・セニョールJr
キャスト(11/25):マーク:加来賢人、ロジャー:中村倫也、ミミ:ジェニファー、エンジェル:田中ロウマ、モーリーン:ソニン、コリンズ:Take(Skoop on Somebody)、ジョアンヌ:西国原礼子、ベニー:Spi
No Day But Today!!
RENTのミュージカルに行って来ました。RENTのミュージカルは今回が初めて。
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の映画が好きな私は、作品中でイツハクが「RENT」のTシャツを着ていたシーン、そしてその後、「RENTのミュージカルに出ることになった」とヘドウィグメンバーから消えてしまうシーン、これを良く覚えていますw。
おかげで、「へえ、RENTってミュージカルがあるんだな」と思った、2001年当時の私。
映画版『RENT』は、もう6年前のことになるんですねー。時間が経つのは本当に早いな。まだあの興奮を覚えているのに。
ミュージカル映画って、本当に素敵なものが多いのだけれど、ミュージカルのオリジナルキャストをたくさん使った、2006年の映画は本当に素晴らしかった!
数あるミュージカルの中でも、より「伝説的」と言えるかもしれない。脚本・作詞・作曲を一人で作り上げ、公開初日に亡くなったジョナサン・ラーソン。そして彼の意を組むように、ずっと同じキャストで行われたオリジナル・キャスト。プロデューサーとキャスト達が一体になって一つの舞台を作った、そんな「魂を注ぎ込む」ようなRENTのミュージカル。これは本当に特別なものだったんだなあ、と・・。
オリジナルキャスト皆無の日本人版とは言え、ミュージカルは「芸術作品」なのだから、「語り継がれる」のが一番。キャストを変えて「それでも見たい」っていう人がいるのは、それはそれで良いことよね。
さて、この作品に戻って。
ダブルキャストが何人か居るので、その日によって彩りを変えるのが、このミュージカルの面白いところかも。
それから、演技が上手い人より、歌が上手い人の方がこのミュージカルに合っているかもしれない。
なぜなら、台詞部分も歌のメロディーで構成されているような、歌・歌・歌だらけのミュージカルだから。
私的に、一番印象に残ったのは、Takeさんのコリンズと、ソニンのモーリーン。
まず、Takeさんは、ものすごく歌が上手い。みんな上手いのだけれど、この人の聴かせる力はダントツでした。
Skoop on Somebodyのメンバーだったのですね。私は知らなかったけれど、今後ファンになってしまいそう。
この人の歌のおかげで、今回のこのミュージカルは締まったと思う。それぐらい、圧倒的な歌唱力を誇っていました。
それから、モーリーン役のソニン!
彼女は、小さくて細身の体に、ものすごくパワーに満ちあふれていて、存在感が大きかった。
正直、彼女のパフォーマンスがあまりに凄いので、やっぱりオーラってあるんだなあ・・と、驚きました。
阿部サダヲを生で見た時にも思ったけれど、ソニンは阿部サダヲレベル!
モーリーンの役自体が、すごくカッコイイ女性で、目立つ役どころなのだけれど、映画のモーリーンと違い、お洒落でカッコ良かった。私は彼女の姿ばかり目で追っちゃった。だって、パフォーマンス力が他の人と全然違うんですよ・・。
ソニンは、これまで「見たことのある美人さん」程度の芸能人だったのだけれど、認識を改めました。彼女は凄い!
あと、マーク役の加来賢人。この人は初めて見たのだけれど、この人のカッコ良さはまるでキムタクみたい。(おい!って言われそうw)
顔がカッコいい人で、思わず目を奪われる感じもある。でもおそらく、ミュージカルよりは舞台の方が良さそう。
普通に台詞を喋るときの方が、堂々としていたように思えたので。
マークって、『RENT』でも、ちょっと他のメンバーから浮く存在なんですよね。どこかでリーダー的でありながら、皆を少し離れたところから見守るような役・・。
少しオタクっぽいところがあって、シャイで熱いけれど、皆と違いHIV保有者ではない。この物語では重要な役者なんですよね。
賀来賢人さんはまずオタクっぽく見えないし、皆と少し距離を置くタイプにも見えなかった。普通にリーダーシップがあって、信頼感の置けそうなタイプに思えたんですよね。
つまり、オタクっぽさがマークという役どころに大事なものだとすれば、せめて眼鏡をかけたり、PCやガジェット好きそうな演出にするべき。賀来賢人さんが、「カメラが大好きで、向けられるより向ける方が合っているタイプ」に思えなかったんですよ。
おそらく、イケメンだから、彼のイケメンさをより生かそうとして、眼鏡をかけさせなかったのかな?なんて。
それはともかく。
エイズが発見されてから、2011年で30年が経ちました。HIV患者の総数は2011年現在、5年連続で減り続けているとは言え、総患者数3400万人。(→2011年世界のHIV/AIDS事情)まだまだ人数も多いし、新規患者の数が減っているとも言えない。治療薬も値段が高いし、HIVの悲劇の幕はしばらく明けなそう。
RENTの時代、90年代の世紀末的様相とは今は雰囲気こそ大分違うけれども、作品の持つパワーが失われる時が来るのは、まだまだ当分先かも。
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