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70★カラー・ミー・ブラッド・レッド

’65年、アメリカ
原題:COLOR ME BLOOD RED
監督・脚本・撮影:ハーシェル・ゴードン・ルイス
プロデューサー・音楽:デヴィッド・F・フリードマン
出演:ドン・ジョゼフ、キャンディ・コンダー、エリン・ワーナー他

 

血の祝祭日』『2000人の狂人』に次ぐ、血の三部作最後の作品。

これってそれほど面白くは無かったですが、上記血の三部作の最後の作品なので見逃せないし、見に行かざるを得ない作品でした。ちなみに、血の三部作の初めからずっと一緒に仕事をしてきた、プロデューサーのデヴィッド・F・フリードマンと組むのもこちらが最後。

まあストレートな展開。ゴア描写がちょっとイマイチなのが寂しい。でも、基本アイディアはすごくイイんですよね。日野日出志『地獄変』と一緒だけど、こちらの作品が65年で、日野日出志の『地獄変』は84年だから、こちらの作品の勝ち〜!ちなみに、先日(2012.10.4)、NYで自分の血液をアートにした人、ビンセント・カスティリア氏の個展が開かれたらしいけれど(ソースはこちら)これも、ハーシェル・ゴードン・ルイスのパクリだったのね。きっと、世に出てないだけで、真似した人は大勢居そう?な、血のアート。

でも血の赤は実際にアートに使うと、カスティリア氏の作品のように、酸化して赤は黒っぽくなってしまうし、あんなに真っ赤な鮮血色にはならないですよね。まあそこはファンタジー。

こちらは、有名な批評家に自分の色使いをコキ下ろされたことがキッカケになり、赤の色合いに悩んでいた画家が、とうとう口うるさい奥さんの血を使って・・というストーリー。血のアートを完成した後も、批評家が自分を認めることを拠り所としているから、そこがこの物語の弱いところなんですよね。自分のやりたいことをやれたら、それだけでアーティストには誇り高く居てもらいたいところ。この作品も、これを最後に、ハーシェル・ゴードン・ルイスとデヴィッド・F・フリードマンによるコラボが解消してしまい、結果的にコチラが最後の作品となるので、これだけ物語のバイブレーションが弱いのかもしれないなあ・・などと余計なことを考えてしまう。

日出志の地獄変は、自分のほとばしるものを作品にぶつけたい!ということで、それが血であったので、だからこそ心血を注いだ表現となったし、「自分の自伝」である迫力が増している。そんな訳で私は、こちらの作品よりも日出志押し!

でも、良いシーンも一箇所あって、そこはフランク・ヘネンロッターも言っていたのだけれど、臓物を絞って絵の具にするシーン。乳搾りならぬ「腸絞り」。ここは「おおっ」という感じでした。

 

※ストーリー・・・
評論家に色使いの悪さを指摘され、スランプに悩む売れない画家の主人公が、ふとした怪我の拍子でキャンバスに飛び散った血を見て“血”を絵具がわりに使う狂気のアートを思いつく。それ以降彼は、絵具を求めるがための猟奇的殺人を繰り返すことに・・・

 

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