ヘドウィグ アンド アングリーインチ 2012 森山バージョンを見て来ました!
行って来ました、森山未來主演のヘドウィグ アンド アングリーインチ、
東京公演ツアーファイナルの千秋楽。
全て日本語公演で、歌詞はスガシカオ、演出は『モテキ』の大根仁監督。
最高にカッコ良かった!!森山未來君には、惚れまくり。
彼が芸達者とは思わなかった・・。もう、脱帽です。ブラボー!!!
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は、私の大好きな映画で、
ゼロ年代のベスト3に入れたけれど、2001年はこれがベスト1。
さらにヘドウィグのジョン・C・ミッチェルは私の神で、映画は、一番好きなミュージカルの1.2を争うもの。
思い入れがあまりに強いため、イメージが壊れるのが怖くて、おいそれと日本公演に行けないぐらい・・・だったけれど、
さすがに10年も経てば「ちょっとぐらい日本公演も見てみたいかな?」なんて考えたりして。
しかーし!実際、行ってみてこんなにハマるとは!
森山未來君のステージングは、本当にプロのミュージシャン顔負け。どころか、それ以上でした!マジカッコ良かったよ!!
歌唱力が随分あるなあ、と思ったら、彼はずっと前から舞台にも立っていたり、
来年行われる『 100万回生きたねこ』で再びミュージカルをやるそうです。なんだか、『100万回〜』の方も、行きたくなって来ちゃいました。彼、心底素晴らしいのです!すっかりファンになってしまった。
まず、冒頭の自己紹介の時点でもうバッチリ。見事すぎるステージングで、いきなり心をワシづかみにされてしまった。
会場はお台場のZepp,「Zepp DiverCity」だったのだけれど、お台場を「盛り場」などと言ってみたり、
「レインボーカラーはゲイの色、レインボーブリッジはゲイとノンケへの架け橋」などと新しい説をブチ立てたり、とにかく冒頭のマシンガントークが凄い。
台本を各所で考えて、それがきちんと無理のない「ヘドウィッグぽさ」、つまりウィットと下品さに富んだ、最高に可笑しくてラブリーな、豪快な台詞使いになっているのです。
それにしても、彼のパフォーマンス力が圧倒的!!ゲイらしい言い回しから台詞運びまで、もう完璧!なのです。
正直、森山くんのヘドウィグは、写真を見た時はイマイチ、似合ってないように見えて、とっても不安でした。ごめんなさい。
ところが、これがステージで見るとまるで別人のよう、生き生きと呼吸しているのです!
彼のそれほどイケメンでない、目が離れた顔(ごめんなさい)も、ヘドウィグのメイクにはぴったりに思えてきた。
ジョン・C・ミッチェル同様、だんだん綺麗に思えてくるところも同じじゃないですか!
彼のステージングは、ただ単に、「決められたことをそのままやっている」のではないと思える、
何故なら、アドリブだらけだからです。ステージ慣れした度胸は本物で、台詞回しの細かな点に至るまで、
一切無理している感じがないのです。歌もダンスも、動きから台詞から、全て素晴らしい!
まるで何十年もステージに立っているかのような技。惚れ惚れしてしまいました。
後で知ったのですが、彼が尊敬している人は、フレッド・アステアだったり、好きな映画も片っ端からミュージカルだったりなど、
元々こうしたミュージカル物は、彼は本当に好きで、素質もある人だったんですね。
『その街のこども 劇場版』などでは、アドリブ演技がとても自然だったけれど、
今回はそれを遥かに凌駕していました。こんなに舞台度胸のある人だったとは。
今回の公演は、典型的な「ミュージカル」というよりは、「ロックのライブ」と言った印象そのもの。
おかげで、心ゆくまで暴れさせていただいたし、8の字ヘッドバングまでしたおかげで、今、首が痛いです・・。
このロックのライブっぽい企画は、今回の公演で特に意識した事だったようで、
音楽もよりノリの良い物へと変わっているとのことでした。
訳が日本語になり、スガシカオさんが全部訳を担当した、ということだったけれど、そればかりでなく、
物語自体も今回は、新たに作り直した2012公演、オリジナルのもの。
ヘドウィグも「原発2世」という設定になり、 イツァークも同様。
原発の元あった場所に壁が出来、壁の中の世界を架空に設定するという、近代SF的になっていたり、
途中、体中に蛍光塗料をオレンジと緑のものを塗りたくって、暗闇の中からヘドロのように浮かび上がらるなど、
ヘドウィグでない、この2012日本公演の完全にオリジナルな、面白い演出が効いていたのでした。
言わば、震災後の日本ならではの、また別の物語へと、ヘドウィグの物語を自分の物にした印象。
『モテキ』の監督&主演による、極めて新しい試みだったのです。
とは言え、オリジナルのヘドウィグの凄さはまた別のもので、
オリジナルの物語そのものが持っていた、大切な要素のいくつかは抜け落ちていたかもしれないけれど、
それでも、3時間の舞台公演の中でしっかりと楽しませ、熱狂させるものがありました。
私は、今まで見たミュージカルの中で、一番好きでハマりました。
その理由は、今までで一番、音楽性が自分に合ったものだったから、そのせいかもしれないけれど。
ヘドウィグとトミーを一人の人間が演じる、というのは、映画の本質から外れていないし、上手に省略出来ていたと思う。
また、ヘドウィグが『マイウェイ』をパンクバージョンで歌う曲があったけれど、ヘドウィグの持つ反抗の精神を、より表現出来ていたと思います。
観客席(椅子があるのに!)のド真ん中を掻き分けて進む「シド・ビシャススタイル」が何と合うことか!
あと、千秋楽のせいかもしれないけれど、ステージ上に設置された階段の上から、2度までも森山君、ジャンプしてた。
体は大丈夫かなあ?とちょっと心配してしまいました。
すっかりファンになってしまった・・・。
2012/10/01 | 舞台・演劇 ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
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コメント(6件)
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これですか!ツイでとらねこさんが行く行くって言ってたのは。
でもすごぉぉく魅力的な内容だー。
森山くんは結構作品観ているだけに、それだけでも行きたいよ~
しかもスガシカオ?? やーん、行けばよかった。 腰が悪いので立見は辛いけど・・・。
rose_chocolatさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
んー、これ行こうかどうしようか悩んでたんですよ。行ったら後悔しちゃうのかなあーとか。
そうそう、森山未來君がすごく良かったのです。私は立見席でなく、椅子のある1階席だったんですけど、1曲目から観客総立ちでしたよ。でも、途中ゆっくりの曲の時は座ったりもしてましたよ。
ねーねーroseさん、良かったら『100万回生きたねこ』行きません?私原作ファンだし行きたくなっちゃった。
あ、それ行きたい行きたい!これ来年の初めだよね?行こう行こう♪
こないだお芝居観に行ったらチラシもらったよ。あとでメールしまーす。
rose_chocolatさんへ
わ〜い、気持よくOKしてくれて嬉しいです、ありがとうございます♪
roseさんはお好きだったんですね、森山未來君。彼こんなに能力高い人だったとは驚きですわー!
楽しみ楽しみ、百万回生きたねこ♪ 12月にイメフォでドキュメンタリーもやるんですけど、私的にはミュージカルだけでいいかな〜(と、言いつつ見に行きそうな気も・・)
遅ればせながら、これすごく行きたかった舞台です。うらやましいです。
土日のチケットが取れなかったので、平日狙ってたのですが、この時期仕事が繁忙期で東京公演を諦める羽目に(泣)
ヘドウィッグ・アングリー・ア・インチを予習してたので、とらねこさんのレポートでかなり救われました。うーん、再演は難しいでしょうが、大根監督&スガシカオと大好きな「舞台の森山未來」の奇跡的コラボ、DVDになったら絶対に観ます!
ふみかさんへ
こちらにもありがとうです〜♪
お、これ行きたかったんですね!ふみかさん、大根監督やスガシカオもお好きだったんですね!そしたら絶対この公演オススメでしたよ〜。
これ、初めの東京公演をやっていた時期には無かった公演で、後から追加になった分なんですよ。初めの頃の時期と1ヶ月半ぐらい時期が違うんです。結構ミュージカルってこういう追加公演、多いですよね。で、舞台っていつも思うんですけど、千秋楽が一番美味しい!アンコールに答える回数も、普段より1回多い可能性が高いし(笑)。
ヘドウィグ、マジで超〜良かったですよ!ヘドウィグと言わず、ふみかさんと何か一緒に行きたいな〜♪
あ、そうそう、twitterとうとう教えてくれましたね!本当水臭いんだからー!このアイコン、素敵ですね!これ、シャーデーですよね?センスいいアイコンだなあ^^ ふみかさんてば、ブログも教えてくれないし、謙虚過ぎて、逆に面白い!