幻の焼鳥屋「鳥重」に行って来ました!@渋谷のんべい横丁
渋谷駅高架下のすぐ隣、のんべい横丁にある「鳥重」。
予約が難しいということで有名な超人気店、威勢のいい名物女将がたった一人でやっている店ですが、
今年の年度末、創業61年の時を経てとうとう閉店します。2012年12月29日に閉店予定。
残り3ヶ月を切った現在、今から入ろうにも入れないと思うので、
記事にするのは酷かと思うのですが、記念ということで書いておきます。
上の写真はレバーの炙り(「柔らかいモツ」という名前で注文)。
この日は、渋谷のんべい横丁のお祭り。狭い道の間をお神輿担いで通ります。
「祝六十周年 渋谷のんべい横丁」の名前の入った升酒が、1杯500円で振舞われます。 なみなみと、サービス良く一杯。
この日は夜9:30の予約でしたが、いつも大体時間は押します。10:15ぐらい、ようやく私達含む、次の予約の人の回転の順番がやって来ます。
そもそも、ここの予約をどうやって取れたか、というお話からするべきかな。
まず、ここの店は、いつ電話しても予約で3ヶ月先まで埋まっている。そして3ヶ月以上先の予約は、今まで来たことのある常連さんの予約しか受け付けない、というもの。
つまり、一度も来たことのない人は、誰か知り合いでも居ない限り、何度電話しようが無理。門前払いされてしまいます。
そこで私達は、震災後の1〜10日以内の、東京中が停電になるため、JRや地下鉄が動かなくなるという日、
都内の会社のほぼ全てが、早めに早退することになった日を狙って突撃。
すると、1組だけ病欠のためキャンセルがあったということで、初めてこの店に来る事ができました。
一度来た人は、次回の予約をほぼ全員がして帰ります。大体、4ヶ月ほど先。この時も予約をして帰りました。
今回は3度目の来店でした。
まず、前回の人たちが終わって会計を済ませると、テーブルにつきます。
ぎゅうぎゅうの寿司詰め。そして、目の前には前の人の洗い物がどっさり。
これを、お客が手伝って洗い物を下げるところから始めます。
女将が洗い物をしている間、ひたすら待たなければいけません。この店のルールブックがあるのですが(お客が作ったもの)、そこにも「待つことに耐えよ!」と書いてあります(笑)。
ここは、女将と上手くやって行かなければいけないタイプの、典型的「頑固店主の店」。しかも値段がトンデモないのです。こだわりの食材を、フルコースで食べて呑んで、一人2000円。安すぎて申し訳なくなってしまう。
こんな店ですから、独自のルールがあります。前の人の洗い物が全部終わったら、次は注文の時間。焼き物、生(レバーなど)全て頼みます。1串がすごく大きなサイズで、1本で2人前ぐらいあります。2人連れで来たなら注文は3串まで。4串頼むと「その辺にしときなさい!」と怒られ、それ以上は頼めません。
ちなみに、上の写真はハツ(「シンゾウ」)。肉であれば7〜8人前が乗る、一番大きな大皿に、焼き鳥が4本しか載っていないところを見ても、どれだけ一串が大きいか分かるかと。
右の写真は「トリ」。結構油が多めです。大根おろしが進む。
一人ひとりに一皿配られる、大根おろしは、お椀にたっぷり入っていますが、後でこの中にスープを入れてくれるので、4分の1〜半分程度は残しておいた方がベター。
今回、3本目はボンジリ。「シッポ」と呼ばれています。これもまた、油が多め。
こちらは、3本目の次に来る「刺身」。レバー、ささみの混ざったもの。これがまた美味しい!
レバーも、本当に生きが良くて、口の中でとろけます。しかも、高級料亭だったらちょっぴりしか出ないものが、ドッサリ入ってる。このサービスの良さがこの店の驚くところ。
後で別のお店にお土産を持って行ったのですが、そこで聞くには「これほどの大きなレバーを扱うには、大きな鶏からしか作れず、卸値も自然、高くなるはず。どうやっているんだろう」と。ここの女将さんは商売が長いので、信頼出来るツテから注文をしているとのことですが、イキのいい新鮮な鶏刺し、レバーは、毎日手に入る量は決まっていますし、これを仕入れから何から何までたった一人でやるのは大変だろうに・・と改めて思ってしまいます。
酒のお代わりの注文も、遠慮しながら「お手隙で」の一言を添えるのがベター。ちなみに、何か変なことを言うと「ぶつよ!」と言われてしまいます。
このワイン。初めて見た時は驚いてしまいました。
コップの中にビールグラスが入っていて、まるで日本酒みたい。ビールグラスから溢れた分は、コップ半分ぐらいになみなみと注がれています。
これが最後・・なんだか寂しいなあ。
去年、創業60年ということで、女将は店を畳む決意をしたようで、予約をなるべく入れないようにしていました。これまでのお客の数を減らすようにしていたのですが、「なかなか辞められないのよ」、なんて言ってました。今年はついに閉店の決心をしたのですね。
とても残念ですが、まだ3度しか行ったことのない私達ですら、こんなに寂しく、女将の体を案じる気持ちにどうしてもなってしまうのです。いかに皆に愛された店、女将だったかと思います。
口が悪いけれど、心根は温かい、いかにも「江戸っ子女将」なんですよね。とても綺麗で、肌なんかツヤツヤしているので、「引退するには早いんじゃないの」なんて言われてますが、「馬鹿言うんじゃないわよ、いい加減にしなさい」と怒られてしまいます。
今年の9/20に、この店の本が出たそうです。
タイトルは「ぶつよ!」うちの母と全く同じ口癖ですが、この物騒な口癖がタイトルに。
「東山とし子さん」と言うんですね。実は名前を知らなかったので、初めて知りました。
Amazonより「ぶつよ! 名物お母さんの元気が出る言葉」 -東山とし子 講談社
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コメント(4件)
前の記事: さようならメロメロパーク
>女将と上手くやって行かなければいけないタイプ
ありますねーーそういうお店。あるあるある。いうこと聞かないと怒られる系のね。
でもルールに従えばこれほど美味しいお店もないというくらい、2000円でたっぷり楽しめるなんて凄いじゃないですか。
とらねこさんのグルメネタも面白そうw
rose_chocolatさんへ
こんばんは~♪コメントありがとうございました。
頑固店主の店タイプって、アクがが強い人が多いんですけど、やっぱり味や腕に自信があるからなんですよね。
ここは相当美味しかったです。もう仕入れが良くて、まあそれが全てかもしれないんですけど、昔からのツテがあるからなんでしょうね。
グルメネタ、実は書こうと思えばたくさんあるんですよ~。でも、ほとんど書かないですね。
おはようございます★
きゃーここ知ってる!ホイチョイにいた時の知人(おじさん)が連れてってくれるといいながら別のとこにしてずっとそのままでいつも通る度気になってたんですよ!閉店しちゃうの!?わぁ、、、残念です。
だったらもう行けないのは確実なのかな。毎日埋まってますよね予約。
とらねこさんの写真だけでもうますます食べたくなっちゃったー!
しかも本まで出されたとは 笑
今度立ち読みしてみます 笑
さて、朝ご飯してきます★
migさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
おー!ここのお店知ってるなんて、さすがmigさん。映画好きの人はどうせ知らないだろうな〜と思ってました!
ところで、ホイチョイに居たって、ホイチョイで働いていた時期があるってことですか?
もうきっと閉店までここに入るのは無理だと思いますね。なんか有名人は好きなようで、秋元康には会いたいとか言ってましたけど・・。秋元康も、ここに良く来ていたそうで。
本、立ち読みしてみて下さいw。