63★レミントンとオカマゾンビの呪い
’11年、フィリピン
原題:Zombadings 1: Patayin sa shokot si Remington
監督:ジェイド・カストロ
脚本:レイモンド・リー、ジェイド・カストロ、山本道子
製作:ジェニファー・アレハンドロ、タミー・ベヘラノ他
キャスト:マート・エスクデロ(レミントン)、ローレン・ヤン(ハンナ)、カービー・ザモラ(ジグス)、ユージーン・ドミンゴ
したまちコメディ映画祭にて見て来ました!
上映前に、井口昇監督と松崎しげるのトークがありました。さらに、ビックリプレゼントで、松崎しげるの『愛のメモリー』の替え歌(ハゲのメモリーが好き!)、『寿司のメモリー』の生演奏つき!何故『寿司のメモリー 』かと言うと、井口昇監督の次回作、『デッド寿司』に、松崎しげるが出演していたためw。「良く出演してくれる気になりましたね」と言われてたけど、本当に^^;。 松崎しげるが今まで映画に出演しているというイメージって無いなあ、と思ったのだけれど、ケータイ刑事の時に、井口監督とすでにタッグを組んだことがあったとか。
さて、映画について。
いやー、とってもキュートな楽しいお馬鹿コメディでした!ゾンビとあるので、もう少しホラーっぽいかと思いきや、ホラーっぽさは皆無。私としては、ホラーっぽさを追求しないまでも、ゾンビメイクはもうちょっとちゃんとやって欲しかったけど。ゾンビメイクは、『桐島、部活』の劇中映画以下かもしれません・・・。
タイトルの「オカマゾンビ」のインパクトはかなり凄い。だってそれだけで、私が釣れたようなものだから。「オカマ」で「ゾンビ」って、すごく目の付け所がイイと私は思った。誰かが、「邦題は変えた方がいいのではないか」と言っていたけれど、私は絶対このままの方がいいと思う(って、まだ配給決まってないッて)。
子供の頃、オカマをバカにしたレミントンは、ある日「大きくなったらオカマになる」という、呪いをかけられてしまう。その15年後、レミントンは夜、おかしな黒子装束の何者かに襲われる。だが殺されるかと思いきや、翌日家で目覚めると、身体中カミソリ跡が。レミントンは身体中の毛を剃られてしまっていた。同じ頃、町にはゲイばかりを狙う連続殺人事件が起こる。何故か次から次へとゲイばかり(ダイアナ・ロスw)が殺されている。そんな中レミントンは、何度も黒装束の怪しい者に襲われ、いつの間にか少しづつゲイっぽい行動を取るようになってしまう・・。
見所は、何と言ってもレミントン役のマート・エクスデロの演技。ストレートになったりゲイになったり、どっちつかずになってしまった呪われた体を演じるところ。ストレートの時も基本的にキュートな男前さんなのだけれど、ゲイの時は最高にキュート!本物のゲイかと見まごうリアルな演技。彼はもしかして、そのケがあるんじゃないか、と思えるぐらい真に迫っていて、本当に上手いんですね。コメディタッチで嫌味なく、本当に面白い。顔は妻夫木聡にソックリで、笑顔が本当に可愛いの。ルックスばかりでなく、演技も良いし。
物語のポイントは、ゾンビが襲ってくるというようなホラーっぽさではなく、むしろフィリピン社会における、ゲイへの偏見を描き出すこと。ゲイへと変わることについて、決して否定的な描かれ方はしていない。
文句を言い始めれば、いろいろと描き方が雑だったり、欠点は目についてしまうけれど、ヒューマンな明るさとコメディの楽しさで、そうした欠点を吹き飛ばしていた。最後はちょっぴりホロリ。
レミントンがストレートの時に恋に落ちる女の子役ハンナ、ローレン・ヤンもすごく美人。彼女も将来は約束された女優さんだとか。さらに、ハンナのお母さん役のユージーン・ドミンゴは、国民的大女優。日本で言えば泉ピン子級!?フィリピン人なら誰もが知ってる人。ちなみに、私は去年TIFFのシネマラヤ特集、『浄化槽の貴婦人』で見たことがあるけれど、コメディ演技がしっかり面白い芸達者の女優さん。チョイ役なのにしっかり存在感を出していた。
※ストーリー・・・
フィリピンの田舎町を舞台に、ゲイの大人たちをからかっていた少年レミントンが、「大人になったらゲイになる」呪いをかけられてしまったことから起こる騒動を描く・・・
2012/10/21 | :コメディ・ラブコメ等 したコメ, ジェイド・カストロ, フィリピン映画, マート・エスクデロ, ユージーン・ドミンゴ, ローレン・ヤン
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コメント(4件)
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こんばんばん。「ハゲのメモリー」聞かせていただきました。松崎しげるよ・・・ あなたにプライドはないのか!? そしてわたしはそろそろこの歌を無邪気に笑えない年齢にさしかかってきました
町山さんだったかな。「誰にもゲイ的要素はある」って言ってたのは。自分の胸の底に宿るゲイの魂を呼び起こされそうでちょっぴり「ヤバイかも・・・」と思わされた映画でした。うふ♪
レミントン役の子は「だめよだめよ」と思いつつも男にひかれていく演技も上手でしたねw 自分的に今年のゲイ映画はこれと『J・エドガー』がツートップです(とゆうかそんなにたくさん見たくない…)
SGA屋伍一さんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
>そしてわたしはそろそろこの歌を無邪気に笑えない年齢にさしかかってきました
ヒャハハ♪ この言葉に純粋にウケる私は、ハゲの心配のない女性です。ごめ〜ん!
ハゲのメモリー、いいでしょ。これ、しげるの十八番替え歌の中でも、一番のヒットだと思います^^
町山の誰でもゲイ発言、SGAやん的にヒットしたんですね。SGAやんだけは違うと思ったのに・・男ってやつぁどうして・・。嘘w
でも本当、男ってコメディやお笑いで、ゲイネタいつもお気に入りですもんねー。皆心の奥では、このネタに対する憧れがあるのかもね。
>自分的に今年のゲイ映画はこれと『J・エドガー』がツートップ
うんうん、賛成!こっちの彼は意外と本物なんじゃないか、って今思い始めてます・・。だって、あまりにも巧すぎるんだもん!