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46★ムカデ人間2

’10年、オランダ・イギリス
原題:Human CentipedeⅡ (Full Sequence)
監督・脚本:トム・シックス
製作: イローナ・シックス、トム・シックス
撮影: デビッド・メドウズ
美術: トーマス・ステファン
キャスト:アシュリン・イェニー、ローレンス・R・ハーベイ、マディ・ブラック、ドミニク・ボレリ

遅らばせながらムカデ参戦。1stはDVDで見ましたよ。公開当時、「3人で見に行けばムカデ割引、一人1000円」をやっていたんですよね。私が発起人で周りに声を掛け、もうちょっとで見に行こうとしていたその人数は4人。ちょっと中途半端ではありました。リア充を引き連れて行く予定を立ててた。しかし、行く直前に私が「中国の纏足怖すぎワロタ」←このページを教えてしまったところ、女子に「怖すぎる!!」とドン引きされ、「とらねこさんのオススメってもしかしてチョット・・」と及び腰になってしまったのね。で結局、行くかどうするか、最後まで引っ張られて、見に行く予定だった1stを劇場ではまんまと見逃してしまったのでした。

今回の2は、12人繋ぎということで、12人の割引。・・・さすがに「12人は集まらないだろう」と諦めモードに入ることが出来たので、安心して一人で鑑賞。2で面白いのは、ピラニアよりもムカデだ!」との熱い(?)コメントをいただいていたしね。すると・・

一人で映画開始時間までくつろぐ私の耳に届いたのは、「あー、この列、一列が12人だよ!12人全員で座れるよ」などと言いながら、ガヤガヤ入ってきた若者たちの声。うーむ、さすが都内。居るんだなあやはり、ムカデ割引を利用する人たちが。この中で一体どの人が発起人なんだろう?皆に後からシバかれたりしないのだろうか?と、少々余計な心配をしてしまう、心優しき私。

トム・シックス監督。名前が「シックス」ということで、「1stが3人だから、次回作は6人だろうな」と、全世界が思ったかどうかは知りません。それなのに、いきなり12人に増やして来た!一気に4倍。このスケール感だけが今回のパワーアップポイントではなかった。

 

このド迫力・・・!気持ち悪〜〜〜っ!

デブ、ハゲ、飛び出た目・・・。パンツ一丁姿が本当に気持ち悪い。見るに耐えません。強烈な見た目ばかりでなく、精神遅滞、加えて精神病を患っているという設定でもある主人公役のこの人。すみません。私は決して差別発言をしている訳ではなく、こういう設定だ、というだけの話ね。この人今回が映画出演初めてで、オーディションでは椅子とセックスする、というイカレた演技をやってのけ、トム・シックス監督のハートを射抜いたらしい。ローレンス・R・ハーヴェイという人。

主人公は、『ムカデ人間』の映画(前作)にハマり、自分もムカデ人間を作りたくなる。次々に被害者を捕まえてきて、殺害もしくは半殺しにし、人間をコレクトし始めるのでした。殺すつもりでやっているのか、それとも半殺しにするつもりなのかは分からない。彼はどうやら、「どの位の力加減にすればいいのか分からない」という感じ。ものすごい適当な仕事ぶりが外人ぽいというか、いや、それは外人全体に失礼だな。

とにかく、前作の『ムカデ人間』が単なるプロローグに思えるぐらいのサイコっぷり。このグロさがとにかくハンパなかった。何でも内容の衝撃度から、モノクロになってしまった、ということなのだけれど。それが功を奏して、前衛アート映画みたいな、割と私の好みっぽい画作りになってるのです。私はモノクロ映画が好きなので、モノクロ映像だったら見たいな!と、見る気がグンとアップしてしまっていたのでした。

「タランティーノの映画に出る」と騙されて(なんだろうこの騙し方・・)、やってくる前回の『ムカデ人間』の女優さん。相手が女優さんであるにも関わらず、少しの躊躇もなく、特別の感情も見せずサクっと殺してしまう辺りが、本当に怖いよ〜〜。

 

→(右の写真)

稲中はムカデ人間より早かった!

 

※ストーリー・・・

ロンドンの地下駐車場で働く醜い小太りの中年男マーティン。彼は『ムカデ人間』を鑑賞してからというもの、自分も人間を繋げてムカデ人間を作ってみたいという欲望にとり憑かれていた。そして、貸倉庫を手に入れ、次々と人を捕獲し始める・・・

ムカデ人間2@ぴあ映画生活

 

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コメント(4件)

  1.  こんばんは!
     「2で面白いのは、ピラニアよりもムカデだ!」ですか。
     個人的には『男たちの挽歌』押しって事で。これは譲れません(笑)

     でも『ムカデ2』もかなり強烈でしたね。お母さんの頭を・・・という露骨な描写以上に立っているだけで恐ろしく気持ち悪いローレンス・R・ハーヴェイの圧倒的存在感!これに尽きるでしょうね。
     「よくぞ見つけてみた!」と監督を褒めてあげたいくらい。

     そんなハーヴェイ君によるDIYの果てに完成したムカデ人間!
     まぁ、ある意味、やれると信じれば成し遂げられるという人間の無限の可能性を証明した映画だとも言えるのかもしれないし、言ってはいけないのかもしれない(笑)

     『3』は25人連結だと睨んでいますが、どうでしょう?
     人間には手足合わせて4本ありますので、25×4=100。
     という事で『百足人間』!
     きっとこんな日本人にしか分らないダジャレ落ちを持ってきますよ。『1』で日本人が先頭を務めていたことを考えると、その撮影現場で「ムカデは漢字で百足と書くのだよ」と教えられたのでしょう。
     で、ダジャレ落ちを目指してわざわざ三部作にしたといった経緯があったはず!

     予想が当たっていたら、一杯おごってください。
     でも、ハズレていてもおごりません(笑)

  2. 蔵六さんへ

    こんにちは~♪コメントありがとうございました。
    おや、「2で面白いのは男たちの挽歌」ですか。了解しました。私1は見ましたけど、2は見てないんですよね。覚えておきます。でも、「ピラニアよりムカデ」っていう、生き物系対決の方がゴロがいいにゃあ。

    本当、見事なまでに絵面の強烈な最終兵器を持ってきたもんですねー。彼の起用が本作の猟奇度を加速していると言わずにはいられません。物見遊山で見に来た者を黙りこくらせる迫力がありました。これまた基地外映画でしたね。

    次回作は25人予想ですかー。ふむ、百足と書いてムカデ、この案いいですね、日本語的には!蔵六さんはそんな事ばっかり考えているのでしょうかw。しかし何にしろ、素晴らしい発想だと思います!配給会社の人だってそこまで思いつくかどうか。分かりました!25人だったなら、気持ち良く奢りましょう!というか本当に名古屋行きたいなー。
    いやしかしマジな話、次の作品あるのかなーこれ。




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