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ヘッドショット #69

’11年、タイ
原題:Headshot
監督/脚本 : ペンエーグ・ラッタナルアーン
プロデューサー : パワット・サワットチャイメート、レイモンド・パッタナーウィラクーン
撮影監督 : チャーンキット・チャムニウィガイポン
編集 : パッタマナッダー・ユコン
音響効果 : アックリットチャルーム・カラヤーンミット
キャスト:ノッパチャイ・ジャヤナマ、セリーヌ・ホーワン、チャノックポーン・サヤンクーン、アピシット・オーパートイアムリキット、クルークキアット・パンピパット

地球で最後のふたり』『インビジブル・ウェーブ』のペンエーグ・ラッタナルアーン監督作品。この人の作品て、なんだか不思議な空気感や、独特のテイストが流れてて、そこに身を任せるのが気持ちがイイ。この作品に関しては、これまでより物語の起伏が激しかった。事件が起こるべくして起きているはずなのに、どこかぎこちなさや、無理やり感を感じるところもある。おかげで、何かの罠に主人公が陥れられているような、現実世界と主人公の生きる世界の隔たりのようなものを、自然と感じさせる。

元は警察官であった男が、闇の世界のヒットマンとして生きるようになってしまうストーリー。もっとクールに、サスペンスタッチに描いて然るべきなのに、何故かノンビリほわわ〜んとした空気を醸し出してしまっている。こういうところがとてもタイっぽくて、なんだか好感を持ってしまう。タイ人てやっぱり可愛いなあ!胸キュン。ツッコミを入れたくなるような部分は、どこかユーモアすら感じてしまう。でもブラックユーモアと言ったら言い過ぎなんですね。そこまでスタイリッシュではなくて、本当に天然ぽいんだな。

銃に撃たれて昏睡状態に陥って以来、目覚めてからずっと視神経が逆向きに、世界が逆さまの形で見えるようになってしまった主人公のトゥル。これまで信じて来た物事の見方も、平行垂直に真逆になったことを象徴するかのように、生き方が自然と変わってしまう。

ただ、ヒットマンの世界の黒幕が誰だったのか、それは分からずに終わってしまう。あと、冒頭のショットで初めて坊主頭にして、タイの僧の姿で暗殺して頭を撃たれてしまうのだけれど、そこの坊主頭のショットで、すでに傷があるのはなぜ?そこがどうしても腑に落ちなかった。Q&Aには参加したけど、質問しなかった。いろいろと観客に質問攻めにされてたので、遠慮しちゃった。

 

※ストーリー・・・
バンコクのヒットマン、トゥルは任務遂行中に頭を撃たれる。3か月の昏睡状態の後、目覚めた彼。しかしすべてが逆さまに見える。任務に復帰するが何事もうまくいかない。そして、彼は生きるために自分がしていることに疑問を抱き始める。さらに、悪行の報いか、過去が彼にまとわりついてくる…。やがて、ひとりの謎めいた女性に出会い、彼の世界までもが逆転する。誰が最初に彼を殺そうとしたのか?・・・

ヘッドショット@ぴあ映画生活

 

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