ゲーテの恋 君に捧ぐ 「若きウェルテルの悩み」 #65
’10年、ドイツ
原題: Goethe!
監督:フィリップ・シュテルツェル
製作:クリストフ・ムーラー、ヘルゲ・ザッセ
脚本:フィリップ・シュテルツェル、クリストフ・ムーラー、アレクサンダー・ディディナ
撮影:コーリャ・ブラント
美術:ウド・クラマー
音楽:インゴ・L・フレンツェル
キャスト:アレクサンダー・フェーリング、ミリアム・シュタイン、モーリッツ・ブライブトロイ、フォルカー・ブルフ、ブルクハルト・クラウスナー、ヘンリー・ヒュプヒェン
皆さんは、一生好きな本のベスト10ってあります?
私にとっては、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』がその一つ。これと、バルザックの『谷間の百合』、この二つは、ものごっつー心を惹かれた小説で、墓場まで持っていきたい作品たち。この二つをつい並べてしまいたくなるのは、どちらも究極なまでに濃いラブ・ストーリーで、主人公がものすごい純粋なの。「恋」というものの本質を見事に捉えてる。・・・うーん、でも私がいくら言ったところで、古典文学なんて、難しいんだろうと思って読まない現代人も居るんだろーな。それは分かるんだけど、違うんです!本当に面白いの。「物語って、こんなに面白いものなんだ!」って雷に打たれたみたいになっちゃうと思う。もし時間があったら、是非読んでみてね!絶対後悔はさせないよー。
ゲーテというと、世界の誇る文豪、詩人・小説家・劇作家・自然科学者・哲学者・政治家・法律家と、いくつもの顔を持ち天才として知られているけれど。ちなみにこの間、神保町のカレー屋「エチオピア」で会ったドイツ人に、今のドイツ人はゲーテを読むのか?と聞いてみたけど、「誰も読まないよ、教科書に載ってるだけ」とバッサリ言われてしまったっけ・・。ま、それは置いといて。ゲーテは、作家としても『若きウェルテルの悩み』より、『ファウスト』の方を普通は先に思い浮かべますよね?私は、『ファウスト』が難しくてなかなか進まなかったので、途中で嫌になり、『若きウェルテルの悩み』を手に取った。そしたら、最高に面白かった。何より「ゲーテ、若いなオマエ!」と言いたくなるような物語だったんですよね。この文豪は、私にとって「なんか共感する」というような対象になってしまったのでした。
この映画もきっと、見た人にとってはそうなると思う。『若きウェルテル〜』を読んでない人には、「ゲーテにこんな時代があったなんて!」と思うんだろうな、ってね。
えーと、こう言われたところで、ゲーテに興味が湧かない人には、なんだか微妙そうな映画にしか映らないかな?「なんだか、Bunkamuraル・シネマでやってそうな映画ね」としか思わないかも?
じゃあ、この言い方はどうかな?
「モーリッツ・ブライブトロイの出てくるドイツ映画にハズレはない」
これだったら、映画好きには、この映画が本当に面白いんだってこと、伝わるよね?
前述の通りです。モーリッツ・ブライブトロイの出るドイツ映画にハズレはない。
今年だけでも、『ソウル・キッチン』、『ミケランジェロの暗号』、そしてこの映画。
これまでも、『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』、『ラン・ローラ・ラン』、『es』、『素粒子』、『バーダー・マインホフ』・・・。どうです、このレベルの高さ!映画好きなら、『es』の辺りから、彼をチェックしてる人は多いだろうな。
でもこの映画は、なんと言ってもアレクサンダー・フェーリングですよ!!ゲーテ役の。あー、この人は本気でカッコ良かったな。久々、映画見て「好みのイケメンが居るぜ!」と鼻を膨らませながら見た作品。心ときめくイケメンてやっぱイイな♪
※ストーリー・・・
弁護士をめざす自由奔放な若者ゲーテが、美しい女性シャルロッテに恋をした。しかし彼女は父親の命令で、ゲーテの上司であるケストナーと結婚することに。叶わぬ恋に胸を締めつけられ、絶望のどん底に突き落とされたゲーテは、自分の想いを物語に託そうとする・・・
・ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~@ぴあ映画生活
2011/10/27 | :ドキュメンタリー・実在人物, :ラブストーリー アレキサンダー・フェーリング, ゲーテ, ドイツ映画, フィリップ・シュテルツェル, モーリッツ・ブライブトロイ
関連記事
-
-
『ジャクソン・ハイツ』 ワイズマン流“街と人”社会学研究
去年の東京国際映画祭でも評判の高かった、フレデリック・ワイズマンの3時...
記事を読む
-
-
『AMY エイミー』 今世紀一番ロックだったひと
エイミー・ワインハウスの名前は正直言って聞いたことがある程度で、特にフ...
記事を読む
-
-
『極私的エロス 恋歌1974』 40年前の日本女性の逞しさに惚れる
『ゆきゆきて、神軍』を撮った原一男監督作品。シネマヴェーラの「フィクシ...
記事を読む
-
-
20年来の愛を超えた告白 ツァイ・ミンリャン最新作 『あの日の午後』
何なんだろう、この愛は。最新作がこんな愛剥き出しの告白とは。驚き呆れ果...
記事を読む
-
-
ジャファール・パナヒ 『タクシー』 現実か否か?
東京フィルメックス映画祭にて鑑賞。 『チャドルと生きる』、『オフサイド...
記事を読む
コメント(3件)
前の記事: パリ旅行まとめ
次の記事: 夢遊 スリープウォーカー 3D #66
これ新しいな、コメント欄。緊張するぜ。。。名前どこに書くんだ。。。
今日5時に起きちゃったからすっごい早起きだ~って思ったら、時計が止まってて8時半ですよ。寝坊した。。。
エチオピアうまいよね。いまのロシア人もたぶんドストエフスキー読んでないし、日本人だって漱石なんかどうせ読んでないのでしょう。。。
『ファウスト』 は手塚先生がマンガ化してるっち!!
ウラヤマアンドさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
新しいコメント欄に記入ありがとう♪ちゃんとURLを書く欄に気づいてくれて偉いね。時計止まった時の遅刻は、しょうがないよね。私、一番緊張感持って仕事してた時は、3つぐらい目覚ましかけてたな〜。今はやってないけどw
今のロシア人、ドストエフスキー読まないかな?でもさ、漱石はみんな読むんじゃない?『こころ』なんてさ、結構の人読んでると思うよ。手塚先生は『罪と罰』も漫画化してたね!手塚先生の『ファウスト』は読んだよ。でも原作で読まないと、読んだうち入らなくない?w