ピラニア3D #63
2010年、アメリカ
原題:Piranha 3D
監督:アレクサンドル・アジャ
製作:マーク・カントン、マーク・トベロフ、アレクサンドル・アジャ、グレゴリー・ルパスール
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン、アレックス・テイラー、ルイス・G・フリードマン、J・トッド・ハリス
脚本:ピーター・ゴールドフィンガー、ジョシュ・ストールバーグ
撮影:ジョン・R・レオネッティ
美術:クラーク・ハンター
編集:バクスター
音楽:マイケル・ワンドマッチャー
キャスト:エリザベス・シュー、ジェリー・オコンネル、ビング・レイムス、ジェシカ・ゾア、スティーブン・R・マックイーン、イーライ・ロス、クリストファー・ロイド、リチャード・トレイファス、アダム・スコット
いやー、もう、最っっ高!なんスか、このテンションの高さは!?
アレクサンドル・アジャって、こんなに弾けたアホだったっけー?!いやいや、もう少しクリエイティブなマトモなお人と予想していたんだけど。「おっぱいも臓物も飛び出す3D!!」の下馬評は、全くもって嘘じゃなかったんだ!唖然呆然。寄ってらっしゃい!見てらっしゃい!遅れてやっと公開の、この夏一番楽しい3D娯楽作品と言ったら、こちらだよー!
実はね、前もってジョー・ダンテの『ピラニア』と、事実上「ピラニア2」であるジェームズ・キャメロンの『殺人魚フライング・キラー』(原題がピラニア2)を用意し、首を長くして待ち望んでいた。・・・のは、私だけではあるまーい! でも、そんな予習、全く意味なかった。
「とにかくおっぱいが飛び出す3Dが作りたいよね」なんて、話し合った結果がこの作品なんじゃないのか?!これまで、3Dと言ってもおっぱいだけは、まだ飛び出してなかった訳だもの。「3Dって、そもそも映画に必要あるのか?」そんなはサックリ置いといて、「人が3Dに期待すること」をクローズアップした結果の、この3D映画。とりあえず誰もまだやってない偉業(異形)、これを成し遂げたのが、この『ピラニア3D』なのだ!!やったあー!!
それにしても、楽しい作品だった。「うーん、分かってる」って感じの、超悪ノリ・悪ふざけ。退屈な描写はザックリカットし、エロとグロとの合わせ技で、ちょうど90分にまとまってる。アジャ、君はなんてやり手なのだろう!
見どころと言えば、全裸の女性二人が水中で舞う美しいシーン(BGMまでキテる)。この辺りから、「オマエらの欲しいのは、コレだろ、あーん!?」なアジャ節が、弾けること弾けること!そして、イーライ・ロス!あんたも居たんか!?私、完全に驚きました。(「ウェット・Tシャツ」パーティの司会者として出演)き、君たち!
ジェリー・オコンネルのトンデモ監督っぷりがまた楽しい。ジェリー・オコンネル、って言ったら私には『スタンド・バイ・ミー』の小太りバーンなんだけど、なんだかんだ言ってあの4人の中で、現在も俳優として生き残り売れているのが彼。そのジェリー・オコンネルが、すごいことになってたなあ。
ちなみに、ちょっと下品ですけど、チ●コって、身体から切り取れば、まんま出してもいいものだったんですね!・・『ウォッチメン』では、青く塗ったまま全裸で歩きまわってた人が居たけど、「そんな手があったのか!」なんて驚いた。今回は、そのモノずばりが大写しに。ピラニアが喰いついてたっけ(その後、吐き出してたけど)。場内爆笑の渦!他にもこの作品、あっちこっちで笑い声がしきりと聞こえてきた。いいね、いいね!この連帯感。
この作品、ジェームズ・キャメロンはこき下ろしたらしいですね。その完璧な奥行きと豊富すぎる制作費とで、次世代の最新技術の凄さを示した、3Dの次世代の担い手である彼としては、このお下劣全開の単なる見世物びっくりショーは、認める訳など出来ないのでしょうか。それとも、巨匠の忘れたいかつての過去、『殺人魚フライング・キラー』の古傷がビチビチと疼いてしまうのでしょうか!?
でもね、『殺人魚フライング・キラー』って、かなり面白い、出来のいい作品だったんですよね。1の『ピラニア』に物足りなかったエロは、2作目で、ちゃーんと見せてくれる。1では、水面下で襲ってくる殺人魚の恐怖が、なにぶん水の中で全然見えない。この点、2では水面だけでなく飛ぶこともできる、という設定でクリアしているし。さらに、『殺人魚〜』は、物語としてもかなり面白い。B級と言われてしまう作品なのかもしれないけれど、さすがキャメロン、しっかりした面白さがあって、さすがだなあと惚れぼれしてしまう。でも、このアジャの『ピラニア3D』と比べてみると、マトモに作ったはずのこちらが、見栄えも出来の悪いものに感じてしまう。徹底して見世物に徹することの凄さ!
あと、1の『ピラニア』では、子供たちがまっ先に襲われるんですよね。こういうの、今はあり得ない。あと、アメリカ軍がベトナムで生物兵器として開発していた、という設定(1と2共通している)も、今回は「古代生物を発見した」と変わっているなど、政治的にはかなりマイルドな改変の仕方になっていると思うのよね。
その代わり!エログロだけは何にも負けないほど、ごっつい楽しめる作りになってる。もうね、アホな若者たちが、丸ごとごっそり血の海になってしまう。グロさも半端ない。さすがのアジャ。
・ピラニア3D@ぴあ映画生活
2011/09/15 | :とらねこ’s favorite, :ホラー・スプラッタ アメリカ映画, アレクサンドル・アジャ, イーライ・ロス, ジェリー・オコンネル
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コメント(10件)
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はじめまして。
「ピラニア3D」でブログ検索してコチラに辿り着きました。
僕も先日、職場の男仲間と観てきました。
日本語吹き替え版で出川さんのアフレコを聞きたかったんですが、字幕版しかやってませんでした。
しかし、とてつもなくおバカな映画ですね。
でもエロもグロも最高でした。
世の中平和だなぁと思いました。
チ○コが飛び出すシーンが一番3D効果があったのが笑えました。
一緒に行った男仲間と、リアルなチ○コの話で盛り上がりましたよ。
続編の3DDが待ち遠しいです。
ランディ・Kさんへ
こんにちは〜♪コメントありがとうございました!
ピラニア3D、本当最高でしたよね!私も、すごく気に入った映画の時は、他の人の感想が読みたくて検索してしまったりします♪
いやあー、本当楽しかったですね。
エロ具合、グロ具合、どちらも本当に良かったです。あのバランス感覚、逆に清々しいぐらいでした。
職場のお仲間さんとも盛り上がった様子、分かります分かります!
チ●コが飛び出すシーン、あそこは場内爆笑でしたね。
無駄にリアル感のある感じも良かったし、ピラニアが吐き出していた(不味かったのでしょう)のも良かった。
続編の3DDは『ザ・フィースト』のジョン・ギャラガーですね。
『ザ・フィースト』も最高に面白いですよ。アジャでないのは残念ですが、期待できます!
「ハイテンション」では、知性の欠片が感じられたようなアジャですが(?)、「ヒルズ・ハブ・アイズ」からは、こっちの世界の人という感じです。
2作目はアジャじゃないので、何!と思ったのですが、「フィースト」の奴なんで、それなりにいけるでしょうね。個人的には、「スリザー」のジェームズ・ガンが良かったかなと。「スーパー!」は、観ていないのですが。
本作では、黒人のオッサンの保安官助手のチェーソーで大暴れが、良かったですね。足が食われているのか、だんだんと背が縮む。
バラサ☆バラサさんへ
こんにちは〜。コメントありがとうございました。
ヒルズ・ハブ・アイズは最高傑作でしたよね。アジャの最高傑作だけじゃなく、ホラー映画の中でも途方も無い傑作だと思ってます。
私はその年のベストのみならず、ゼロ年代ベストにも入れました♪
ハイテンションは、正直見た当初はオチが嫌いだったため、評価を低くしてしまいましたが、冒頭や語り口は結構面白かったな、なんて、今考えると割と気に行ってます。
おっしゃる通り、フィーストの監督なんでそれなりに期待できそうですよね。
スリザー、見てないんですが、面白かったですか?今度チェックしてみよう♪
私も『スーパー!』見てないです。正直、『キック・アス』の二番煎じに思えてしまって。
>黒人のオッサンのチェーンソー
確かに、あそこ良かったですね!
『殺し屋1』の描写と同じでしたよねー。
こんばんは。TB&コメントありがとうございました。
濡れTシャツっていいですよね。ずっと前から大好きでしたが、濡れTシャツをここまでフィーチャーしてくれる映画はこれまでありませんでした。そんなある意味で未開の領域に足を踏み込んでくれただけで、この映画は貴重な財産になったと思います。
次回作でも派手に飛び出して欲しいですね、オッパイと濡れTシャツ。
人様のブログで何を書いてんでしょうね、僕は(笑)。
えめきんさんへ
こんにちは~♪コメントありがとうございました。
濡れTシャツ!ものすごいフィーチャーされてましたよね。
ジェリー・オコンネル演じる監督の最後のセリフがまた「濡れTシャツ・・・」でしたからw
最後に濡れTシャツを拝むことが出来ず、残念でしたw。
この作品て、気に入った人はかなりの勢いで気に入ってるみたいで、5つ星の人が結構いましたよね。
5つ星の人と1つ星の人とでパックリ分かれてしまっているところが、ウケるw
こういう時に、えめきんさんの評価がすごく高いのが嬉しいです!
こんばんは♪
PixiesTシャツやRamonesポスターが非モテの記号小道具ぽく使われてるのを見て
あー映画の中だとオルタナやパンクの扱いて割とそーなんだよなぁ…
とか考えていたのですが、途中でどうでも良くなりましたwww
「 パ イ ! オ ツ ! パ イ ! オ ツ ! 」
いまだかつてこんなに心ときめくコール&レスポンスがあっただろうか?いやない!
あーのレイクビクトリアの楽しそうなことったらないですねー
にょ(女)テキーラも死ぬまでに一度はやってみたいなぁ
と、バカとおっぱいと肉食魚てスッカスカのダメラノベのような本作ですが
感心したのが人体破壊描写のバリエーション
魚に襲われるってーと描写が限られそうなもんですが、死に様パターンと濃淡をうまく散らしてましたね
パラセイリングには唸りました、その手があったか!とwww
あと魚全然関係ないケーブル袈裟斬りとかスクリュー頭皮剥きとかwww
そゆとこクレバーぽいアジャ監督が次はどっちいくか楽しみですね
実写版『コブラ』は金集まったのかなー
はたまた、またもリメイクで『ペット・セメタリー』か
濡れたTシャツ、濡れたTシャツ・・・
漢ならああ死にたい、心からそう思いましたよ!
たとえアレが食いちぎられようとも、漢が死の間際まで求めるもの・・・それが、おっぱい!
なぜ漢はあの肉瘤にここまで惹かれるのか…それは、永遠の謎。
そして、それこそが女体の神秘!
これ、ちゃんと観ましたよ!この映画で3D筆おろしでした!
初3D映画で浮遊する千切れたアレを目撃するとは夢にも思いもしませんでしたが・・・でも残虐描写も◎な陽性で素敵な映画だったと思います。僕もパラセイリングの件は凄く好きです。舞台がだんだん垂直になって人がピラニア地獄へと堕ちていくシーンは何となく『タイタニック』みたいでしたね。
キャメロンは「許せない」なんて言っているみたいですけど、きっと嫉妬ですよね。やろうと思っていたことを先にやられたという。
本当に怒っているなら「偉くなったんだね」って感じですが(笑)
一言苦言を呈するなら、最後のアレはもっと大きいのが飛び出してほしかったです。
あえて誤解を招きかねない書き方をしてみました(笑)
ps 僕が住んでいる地域は豪雨の影響はさしてなかったので、元気にやってます。ご心配をおかけしました。
みさま
こんばんは〜♪みさんのお越しを、お待ちしておりましたよー!
もう、私とらねこ的には、気心知れたお友達には是非来て欲しい、大集合な場所なんですが・・みんな、待たせやがって!なんて感じですわー。
そうなんですよ!Ramonesが古いのは百歩譲って認めるとしても(確かに大分古いわな)、しかし何故Pixiesが非モテ扱いなのか!?少々悲しい気持ちになってしまった、オルタナっ子の私たちが居ましたよね。
>「 パ イ ! オ ツ ! パ イ ! オ ツ ! 」
この楽しそうな掛け声!
なんて思い切り良く、馬鹿に徹底しているんだろう!?、そんな思いで一杯になってしまったのですが、よくよく考えてみたら、おっしゃる通り、こんなシーンは今まで見たことないですよね!
その漢らしさには私も、唖然となってしまったです・・!
女体盛りテキーラも!女体盛りの盛んな国、ジャパンですら見たことのない描写でありました・・!
へそごまは気にならないのかな?私なら、良く掃除してますが・・
うんうん、確かに魚に襲われる描写の割に、さすがのアジャ、あらゆる手を使って楽しませてくれました!
いやあ、素晴らしくて全くぐうの音も出ないッス。
おっしゃる通り、このバリエーション豊かな死に様、他のホラーにはちと追随は出来ないッッッ!
パラセイリング描写は、あれ普通に怖い描写でしたし、引っ張り具合もちょうど良かったですよね。
いろいろ残酷描写は心踊る感じでした。あの頭皮の剥ける「メリッ」て感じの描写が、これはこれは!と唸ってしまいますよね♪
そっか、アジャは『コブラ』の予算が滞っているため、次回作が『ペット・セメタリー』リメイクになりそうなんですね。
個人的には、原作は素晴らしいものだっただけに・・映画の方はいまいちで、納得のいかない代物でした。やりようによっては面白くなりそうな作品ですよね。いずれにせよ、楽しみだなあ♪
蔵六さんへ
こんばんは〜♪お待ちしておりましたー!
良かった!豪雨の影響は大丈夫だったんですね。ちょっと心配してしまいました。
何しろ、大々的に名古屋のニュースがやっていたもので、青くなってしまいまして・・。でも何事も無くて良かったです。
3D筆おろし、おめでとうございます!蔵六さん的に大満足の結果になりましたよね!まかり間違って『トランスフォーマー3D』とかにしてしまわなくて、本当に良かったです・・!
いやあ、飛び出すオッパイのみならず、飛び出すチ●ポまで経験してしまうとは・・!
大きさがイマイチ不満でしたか・・ワハハハww
「舞台がだんだん垂直になっていく」って、いい表現ですね。
いやあ、おっしゃる通り嫉妬でしょうね。でも、キャメロンにはこれはやれなかっただろうなーw。
蔵六さん、ピラニアに関するニュースは速攻でゲットしてましたよね!
私もついつい、ビチビチと釣られてしまいましたw。いやー、楽しかったですね。旅行に行っていてちょっと出遅れてしまったのだけが、残念です。