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忍たま乱太郎 #54

’11年、日本
監督:三池崇史
原作:尼子騒兵衛
脚本:浦沢義雄
撮影:北信康
美術:林田裕至
音楽:池瀬広
キャスト:加藤清史郎、木村風太、林遼威、中村獅童、檀れい、松方弘樹、三浦貴大、平幹二朗、柄本明、杏、中村玉緒、鹿賀丈史、山本耕史、三津谷亮、溝口琢矢、寺島進、石橋蓮司

 

去年不評だったので、思わず劇場スルーしてしまった『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』が、意外に面白くて、というか三池印が満載だったので、結構満足してしまった。ストーリーの面白さに関して、これほど自分がこだわらない人だったとは!?と驚いたついでに、これもきっと楽しめるかも、と思ってハリキッテ臨んでしまった。

そもそも、三池監督は子供用の映画を撮っても、全く子供向きではなかったりするので、そこが好きだし、それを期待していただけに、「本気で子供映画」だったとは。正直私が見て面白いと思えるタイプの映画ではありませんでした。 グフッ・・・。(死んだ音)

それにしてもこのポスター、「主演 加藤清史郎 × 監督 三池崇史」って、何コレ!?三池監督の方が後になってるじゃんか、なんて憤慨してたんですね。加藤清史郎君て、全然知らなかったんだけど、なかなかに売れっ子だったらしい。子供の頃からこんなに忙しいとは。ホーム・アローンの男の子みたいにならないといいね・・・。

『ハリー・ポッター〜』が日本の作品になったら、魔法学校が忍術学校になって、ファンタジー一直線というよりはこんな風にギャグ満載になっちゃうのかも!?なんて思いながら見ていた。でも実はこれ、86年から朝日小学生新聞に載っていた、ギャグ漫画を原作にしていたのね。ハリー・ポッターは、賢者の石が96年なので、それより前だったんだ。

夏休み映画のようだから、やっぱり子供たちが多かった。これ、子供にはウケるギャグ満載なのね。あちこちで子供の笑い声が聞こえた。子供にはやっぱり面白いギャグなのか・・。子供の笑い声が聞こえるのは悪くないんだけど、私にはそこで笑えないわ、と思ってしまった。私は子供だった頃の感性を忘れたくない、と日々思っているタイプなので、自分にちょっとガッカリしちゃったな。

ストーリーは陳腐なのだけれど、もう少し整理が必要なように思えた。ドクササコ城とウスタケ城、ドクタケ城がごっちゃになって、「あれ?!何が何だっけ」となってしまうし。キャラクターが大勢出てくるので、もう少しスッキリまとまった相関図が頭の中に描けるようにしてくれると良かったな。その割に、忍たまたちのキャラや、乱太郎もそれほど活躍しているように思えなかったし。それから前半の、忍たまたちの紹介方法も、フランスの子供たちを描いたコメディ映画『プチ・ニコラ』なんかと比べてしまうと、とても平凡なものに思えてしまった。『プチ・ニコラ』のように、エピソードを紹介するだけで鮮やかに、抱腹絶倒!というような人物紹介の工夫があったら、印象が違っていたと思う。

また個人的には、三池さんの当たった夏休み映画、『妖怪大戦争』と比べてしまう。あちらの方は、子供ばかりか大人も楽しめるし、ストーリーの軸がもっとしっかりしていたように思う。

三池印はどの辺に感じたかというと、ウ●コのリアルさかな(笑)。平幹二朗扮する学園長が、ウ●コを踏みつけてしまうんだけれど、それがものすっごいリアルな出来。あとはどこだろう、ちょっと後半眠くなってしまって、石橋蓮司の出番が終わった後、少し寝てしまったので、見逃してしまった三池っぽさもあるかも・・。

忍たま乱太郎@ぴあ映画生活

 

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コメント(28件)

  1. 大河ドラマに出演後こども店長となり芦田愛菜ちゃんより一足先に国民的子役として大ブレイクした加藤清史郎くんをご存知なく観に行かれたのであれば仕方ないのかもしれませんが、この作品にブラックな三池ワールドを期待するのは無茶というものです(笑)。さすがに『忍たま』でPG12はたぶんオッケーが出ないかと。

    私はむしろ三池監督がガチではなく軽いノリでサクサクっと作ったような遊び心を楽しめましたよ。でもこれは大人向けではなくてあくまでもファミリー向けですね。

  2. かのんさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。

    ハハハ、無茶ですかw 三池さんも大人になったのかなあ、なんて。
    子供映画についていけない自分にガッカリというよりむしろ、大人の事情に合わせる三池さんに、寂しい思いもあったかもw。
    今までが今までしたからねー。
    おっしゃる通り、サクっとお子様テイストにまとめてきた感じがしますね。

  3. これ、加藤清史郎くんが主演だと知って凄く気になったんですけど、三池監督だったとは知りませんでした!!どうでした?加藤清史郎くん。「天地人」でブレイクしたんでしたっけか。あのヘタウマ演技が結構好きです!

    三池さん、なぜこういう作品に取りかかるのか凄く興味有ります。金稼ぎって酷い言い方しちゃっていいのかしら?でも、やるにはちゃんと三池色に染めて欲しいですね。とらねこさんのがっかりな気持ち、悲しくなります!

  4. とらねこさん、こんばんは!

    やはり「ウ●チ」ネタに三池印を感じました。
    普通の監督だったら、やらないですよね。
    基本的に三池監督は非常に題材(今回は子供向けってこと)に対してストレートに取り組むので、それがより過剰に出るんですよね。
    僕はそういう三池監督が好き。

  5. アヤさんへ

    こちらにもありがとうございます♪
    おやっ、アヤさんが三池作品に絡んでくれるの珍しくないですか!?嬉しい!

    おお、加藤清史郎君ご存知だったんですね!さすがだなあー。
    NHK大河ドラマなのに、アヤさんご存知なんですか?私知らなかったです。
    ていうかアヤさん、時々日本のDVDもご覧になってますけど、あれってどうやって見てるんでしょう?ふと不思議に思っちゃいました。誰か日本の知り合いに送ってもらったりしてるのでしょうか?(あ、お返事いつでもいいです。なんかの折に答えてくださればw)

    三池作品は数がもうただでさえ膨大ですし、三池さんがいろいろなタイプの映画を撮るのは今に始まったことではないんですよね。
    この監督のファンて、昔からのコアなファンになればなるほど、「まあつまらないものも結構あるよね」なんてバッサリ言って、それで平気だったりします。

    人によってはトンガった系の三池作品がそろそろ見たい!なんて言ってるファンもいるんですよ。私はそういうファンよりはずっとゆるい方ですが、本当はソッチ系の三池さんが一番好きなんですよねえ。

  6. はらやんさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。

    ハハハ!ウ●コのリアルさ、ハンパなかったですよねえ。

    そうですねえ、作品によって結構色の違いがあるのが三池作品ですもんね。
    舞台『夜叉ケ池』や舞台『座頭市』、『IZO』や『46億年の恋』、『中国の鳥人』みたいなのを見た人は、へえ、こんなのも撮るんだー、なんて思いそうな程、違うアプローチの仕方をしてますもんね。
    私的には、『ビジターQ』や『牛頭』、『龍が如く』みたいな、「ヤクザものが鉄板だと思われたからこその、「そっからの巻き返し」みたいな作品がスゲー、さすが三池さんだな、って思ってたりもします。
    まあそこまでいかなくても、たとえばクローズゼロでやったような、「黒木メイサの歌を入れなくてはいけない」というようなところで、ちゃんと条件をクリアしておきながら、ストリートビーツやベンジー、チバなんかを無理やり入れてくるっていうね、そういうのについシビれちゃうんですよね・・。

  7. こんばんは。

    僕にとっても、想像以上に酷かったです…
    あんなに特殊メイクしたら、実写化の意味があったのか疑問です。
    大物俳優が何人も出演されていましたが、仕事を選ばれたほうがよろしいかと。
    アニメでは問題ないネタも、実写でやると見るに耐えません。

    食堂のおばちゃんとかはノーメークだった訳ですから、もっとやりようが合ったように感じました。

    寝てても大したシーンは無いので、問題ないかと。

  8. 健太郎さんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    これ、みんな結構褒めてる人が多かったですね。
    確かに特殊メイクがすごすぎて、コントっぽくなっていましたね。
    この手の映画は三池さん、という感じになってしまったんでしょうか(ヤッターマンなどで・・)
    確かに大人の鑑賞に耐える映画ではなかったかも。
    アニメが昔からの人気があるようですね・・。
    確かに食堂のおばちゃんが一番良かったですよね!

  9. こんばんは。TB&コメントありがとうございました。

    『ヤッターマン』は実写版もとても好きなのですが、こちらはどうにもいけませんでした…
    お下劣だったせいだとは思うのですが、少し悪ふざけが過ぎたように感じました。
    食堂のおばちゃんのように、見た目が薄くても十分に濃い役が出来るのですから、他に手立てがあったように思います。

  10. 健太郎さんへ

    こちらにもコメントありがとうございます。
    食堂のおばちゃんは古田新太が演じていましたね。男の俳優さんがあのように演じているからこそ、メイクなしでも逆に面白い、というのもあるのでしょう。
    古田新太は『十三人の刺客』でもなかなか演技で目立っていて、三池組にすんなり溶け込めているようですね。
    もともと古田新太が好きなので、個人的には嬉しくてたまりません!

  11. お久しぶりです、こんにちは。←毎回この出だしですね。アハハ。
    夏休みに子どもと一緒に観てきましたー。
    最近は子どものお付き合い作品ばっかです。

    この作品。アニメの方も一度も観たことがないので真白な状態で観てきました。
    まさか、あんなにお下品作品だとは思っていなかったので、いつものとおりポップコーン食べながら観てたんですけどね。。。
    鼻水やうん○、親子で手がストップしましたー。

  12. AnneMarieさんへ

    おはようございます〜!コメントありがとうございました。
    ですよねー、やっぱり小さいお子さんがいらっしゃると、どうしてもしょうがないですよ。
    アンマリーさんのお子さんて、今いくつぐらいなんでしたっけ。
    確か、この間生まれたばっかりのような感じなのに・・早いなあ、もう。
    そうそう、男の子だったら『カーズ2』とかもご覧になりましたか?
    不思議なんだけど、男の子って本当、車が好きなもんなんだなー。なんて最近思ったんですよ。

    これ、意外にも下品でしたよねw 鼻水は、漫画みたいでかわいかった・・なんてことは、ないのかw
    ウ●コのリアルさには、驚いてしまいました!さすが三池さんですよねー。




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