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メタルヘッド #47

’10年、アメリカ
原題:Hesher
監督・脚本・編集:スペンサー・サッサー
製作:ルーシー・クーパー、スペンサー・サッサー、ナタリー・ポートマン
原作:ブライアン・チャールズ・フランク
撮影:モーガン・サッサー
音楽:フランソワ・テータ
キャスト:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ナタリー・ポートマン、レイン・ウィルソン、デヴィン・ブロシュー、パイパー・ローリー、ジョン・キャロル・リンチ

 

この作品、タイトルはメタリカのロゴそっくりだし、ジョセフ・ゴードン=レヴィットにナタリー・ポートマン出演。そしてナタポは製作も携わっている、ということでなんだか気になる映画だった。内容は、タイトルにあるようなメタル系音楽がフィーチャーされた映画とは違っていて、原題も「Hesher」。ジョセフ・ゴードン=レヴィットがメタル好きという設定ではあったけれども。客が友人同士でメタルTシャツをわざわざ着て来ていたのを見たけど、そういうタイプの内容とはちょっと違う。これはNでよくある、宣伝が上手過ぎるパターンだった。ああ、またやられてしまったナ。という感じ。とは言え、シアターNの常連客である私には、ほとんど騙された感はないんだけどネ。(日本語タイトルも、原題のHesherのロゴに似せているとも言えるし。(ただ、後期メタリカ風の、手書きロゴにするべきだった、と思っていたりするけど。)

内容はというと、「見知らぬ訪問者と共同生活」モノ。子供は母を失い、父は妻を失った、喪失を経験してポッカリ穴の空いた家庭へ、何故かブラリとやって来たジョセフ・ゴードン=レヴィット扮する長髪男が、何時の間にか居座って、問題を起こしまくる。

普通であれば、やって来たその赤の他人によって家庭を取り戻す、といったホッコリ系の物語を想像しそうなもの。風変わりな「天使」的な存在になるのかとうっすら期待したが、そんな甘さとは無縁な破壊王ヘッシャー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)。これがなかなかすごい。そして、物語が上手く丸く収まりそうに、全然見えない!これがなかなか良かった。

反骨精神真っ只中なメタル男に、思いきり成り切っているジョセフ・ゴードン=レヴィットが立派なら、ダサダサでイケてないスーパーのレジ係に扮するナタリー・ポートマンもお見事!それから、冒頭から自転車に乗って、勢い良くド突きまくられ、コケまくる少年を演じたデヴィン・ブロシューも素晴らしかった。いかにも手加減をされていないような、気持ちのいいブッ飛ばされぶりを見せてくれた彼のおかげで、この物語がそうやすやすと甘味を見せるタイプではないのが分かるし。

一体物語はどうなっちゃうんだろう、と思いきや、ちゃんとラストのヘッシャーのスピーチが良くてホッとする(笑)。ちょっと心配になった頃、落ち着くところにストンと落ち着いてくれる感じ。うん、なかなかに満足のいく出来。

そうそう、メタリカはやっぱ初期だよね!しかも大好きな2ndばかりがかかっている、そんなところもこの映画、好印象だったよ(『Enter Sandman』もかかったけど)。

 

 

※ストーリー・・・
13歳の少年TJは交通事故で母を亡くし、心に傷を負っていた。そんな彼の祖母の家に勝手に住みついたのは、長髪に半裸のヘヴィメタ青年ヘッシャー。やがて彼の過激な言動は、TJとその父親ポール、スーパーのレジ係ニコールらの人生に変化をもたらしていき・・・

 

メタルヘッド@ぴあ映画生活

 

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