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デュー・デート 出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断 #13

’10年、アメリカ
監督:トッド・フィリップス
製作:トッド・フィリップス、ダン・ゴールドバーグ
製作総指揮:スコット・バドニック、トーマス・タル、スーザン・ダウニー
原案:アラン・R・コーエン、アラン・フリードランド
脚本:アラン・R・コーエン、アラン・フリードランド、アダム・スティキエル、トッド・フィリップス

ロバート・ダウニーJr.    : ピーター
ザック・ガリフィアナキス  : イーサン
ミシェル・モナハン     : サラ
ジェイミー・フォックス    : ダリル
ジュリエット・ルイス     : ハイディ
トッド・フィリップス      : バリー

シネセゾン渋谷閉館の、一番最後の公開作品がコチラ。『ハングオーバー~』の製作チーム!前回のザック・ガリフィアナキス出演!大好きなロバート・ダウニーJr.が主演!・・・と自分にとってはいくつもの好条件から、楽しみにし過ぎてしまった感が。

『ハングオーバー~』の製作チームと言えど、監督・製作は同じでも脚本家が違っていたのね。前作の悪ふざけ・下品ジョーク・ブラックユーモアは健在ながら、爆笑度は6割減、というところかな。ロバート・ダウニーJr.がコメディに出て十分面白いのは『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』でも立証済み。(あの時はオスカーノミネートまで!)コメディアン的というより、真面目に演技した方が彼的には面白いタイプ。今回もそうではあるけれど、真面目で一般的なキャラクターという役が、ちょっと勿体無い気がしてしまう。ロバート・ダウニーJr.が演るなら、気が効いて頭の回転が早くて、キュートで絶好調に魅力的な、・・要するに世間並ではない人が似合う人なものだから。

ザック・ガリフィアナキスは前回同様、異常なキャラクターの役を難なくコナしてる。さすが!思わず腹が立つほど無神経で、幼稚な男を演じさせたら、彼の右に出る者はそうそう居ない。いちいちどうした、こうしたとエピソードを挙げるのが馬鹿馬鹿しくなるほど途方も無く空気の読めない人物。彼の姿を一目見れば誰もが納得出来るようなオーラを持っている辺り、本気でスゴイかも。

前回の『ハングオーバー~』が面白かったのは、根底に男同士の連帯感があるからだ、と私は思ってる。女性を排除したことで逆に解放された感のある、男同士のイチャイチャ感。そこでハシャぐことの楽しさ。仲間と呼べる小さな輪、連帯感に他の”男性”が入ってくる時に、「立派なヤツだから」と「尊敬出来るところがあるから」などと条件づけをするのではなく、「男なれば」というところで、寛大さを示す。素晴らしいのはこの仲間意識なんですよ。後ろで陰口を叩く女同士は到底真似できない気持よさ。そうしたところが前作の面白さの裏にある隠し味だった。

ところが今回は、パーソナリティのぶっ壊れたザック・ガリフィアナキス演じるイーサンと、モロに一対一の関係。考え方や生活環境の全く違う二人、凸凹コンビが、バディームービーに成り得るか。”旅”においては、相手との違いをトコトン感じてしまう場所でもありながら、不思議なまでの連帯感を感じ、打ち解けやすくもなる作用もある。

自分にとっては、初めの出会いやキャラクターの異常性が激しすぎて、イーサンが本気で面倒くさくなってしまった感じ。父親を亡くした悲しみということで同情はすれど、同乗するのは最早勘弁というか・・・。笑いというよりウンザリに成り代わってしまって。

一番面白かったのは、ダウニーJr.がザック・ガリフィアナキスにトイレで俳優としての稽古づけをするところ。ダウニーJr.の演技が大好きな私には、彼がただの一般人には到底見えないけれど(笑)。あと、ザック・ガリフィアナキスもこのイーサン役としてではなく、彼本人であれば、もっとすごいアドリブ演技ができそうなのに、残念。

ラストの辺りも、またしてもミソロジー的なものを感じてしまう。要は男同士のイチャイチャ感、これで笑える人とそうでない人とに二分されてしまうのだ。

※ストーリー・・・
アトランタで仕事を終えたピーターは、ロスにいる出産間近の妻の元へ飛行機で向かおうとしていた。だが、ある男のせいでテロリストに間違えられ、搭乗拒否 に。財布や身分証などは、飛び立った飛行機の中にあり、レンタカーも借りられない。そんな中、先ほどピーターをトラブルに巻き込んだ俳優志望の男イーサン が目の前に現れた。イーサンはハリウッドに行くので、同乗しないかとピーターを誘う。怒りを抑えて車に乗り込むイーサンだが・・・

・デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~@ぴあ映画生活

 

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コメント(2件)

  1. まるで『ハングオーバー~』の続編か、同じノリの作品のような宣伝の打ち方だったので、あれ?っと思われても仕方ないような気がします。
    軽さも明るさも全く違っていて、ブラックというか人を苛立たせようとしてるよな感じのコメディで、前作はいいけどこっちダメという人は多いんじゃないかなぁ・・と勝手に思ってます。

    RDJが巧いのは勿論ですが、この幼稚で腹の立つキャラを見事に演じてるザック・ガリフィアナキスも巧いなと、前作よりも高く評価したくなりました。
    本当に、関わらなければ悪い人には見えないのに、ひとたび関わるととんでもなく悪魔的な奴でした(苦笑)

  2. 哀生龍さんへ

    こちらにもありがとうございます〜♪
    そうなんですよ!思わず期待しすぎてしまいました。
    もちろん、ザック・ガリフィアナキスだったからこそ、期待してしまった、というのもあったかも。
    『ハング・オーバー〜』での彼があまりに面白かったもので(爆)
    いやいや、彼はすごいなと思いました。この人のおかげで、この製作チームが機動するんじゃないかとw
    まさしく、関わらなければ気づかないかもしれませんよね。
    でも、アメリカ人って時々こういう幼稚な人が、そこら辺にゴロゴロ居そうなイメージがあります・・^^;




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