■51. エクスペンダブルズ
’10年、アメリカ原題:The Expendables監督:シルベスター・スタローン製作:ケビン・キング、アビ・ラーナー、ケビン・キング・テンプルトン、ジョン・トンプソン脚本:シルベスター・スタローン、デビッド・キャラハム撮影:ジェフリー・キンボール音楽:ブライアン・タイラー
シルベスター・スタローン バーニー・ロス
ジェイソン・ステイサム リー・クリスマス
ジェット・リー イン・ヤン
ドルフ・ラングレン ガンナー・ヤンセン
ミッキー・ローク トゥール
ブルース・ウィリス チャーチ
アーノルド・シュワルツェネッガー トレンチ
エリック・ロバーツ ジェームズ・モンロー
スティーブ・オースティン ダン・ペイン
ジゼル・イティエ サンドラ
カリスマ・カーペンター レイス(リーの恋人)
シルベスター・スタローンが作る映画って、やっぱり面白いな!と見るたび思ってしまう。
この作品、やっぱり「肉体アクションがみんな見たいよなあ!どうだ!」と言わんばかりに、アクションてんこ盛り。この男臭さがもう最高!
出演者の凄さが度を抜いている。シルベスター・スタローンにジェイン・ステイサム、アーノルド・シュワルツェネッガー(!)、ブルース・ウィリス、ジェット・リー、ミッキー・ローク、ドルフ・ラングレン・・・
友情出演という僅かな出演料で、これだけの人たちを集めることが出来るのも、スタローンならでは。さすがだなあ。ブルース・ウィリスも、シュワちゃんも、1シーンとは言え、出てきただけでなんか嬉しくなっちゃう。
撮影中、元WWFのスティーブ・オースティンに肋骨を骨折させられてしまう大事故があったというスタローン、にもかかわらず、ガッハッハ!手加減するな、と言ったら本気出しやがったよ!みたいに笑い飛ばしていて、もうさすがだなって感じ。
こうまで清々しく肉食系だと、男前で見ていて爽快この上なし。日本で暮らしていると筋肉信仰とは縁遠いままで過ごす事もできるけれど、きっとアメリカでは、こういう映画見ては明日からのトレーニングに励む・・・という人も多いんだろうな、お国柄。
これだけ多くのスターが出演していて、お祭りみたいなアクションモノなのであれば、もう内容なんてスッカスカなのかなあ、と思いきや、いやいや、意外にもちゃんとしていたよ。
「エクスペンダブルズ」、これ実は、『ランボー2』にそんな台詞があったのよね。
「ベトナムから帰って来たものの、そこには静かな戦争があった」、というランボーの台詞の後に、何故また戦いに出るのだ、と尋ねられる。「戦いが好きなの?」「いや、俺たちは使い捨て(エクスペンダブル)だから、呼ばれたのだ」、という台詞がある。字幕では「捨て石」になってたけど。
『ランボー4』とカブる部分があって、そこもスタローン好き、ランボー好きには嬉しいのでは。
いつも、誰か特別でもない、見知らぬ「女のため」だったんだなあ、って改めて思うのよね。「自分の愛する女のために」、でもない。もちろん「国のため」でもない。戦うための理由は要は「自分のため」。
この作品を観て、人によっては戦う動機が軽く思えてしまう人もいるかもしれない。でも現代おいてむしろ、リアリティや共感を感じられるのは、義のため国のためではなく、自分のために戦う、そんな理由である方が、アメリカ人にとって共感出来るんじゃないのか、なんて思ったりもした。
この作品や『リトル・ランボーズ』のために、ランボーの1~4まで見返して見たけど、改めてスタローンの映画が愛される理由が分かる気がした。
しかし、相変わらずジェイソン・ステイサムのキレのいいアクション、カッコいいなあ!
トランスポーターみたいにやり過ぎてるわけでもなく、主役でもなく。さらに他にいろんな俳優がいる中、こうして改めて観てもカッコイイ。それが嬉しい。
「次はオマエのタマの番だぜ」とか、劇場でガッツポーズしたくなったよ!
あと、スタローンの「オマエの美容師に送り込まれた」もなかなか良かったね!

無敵の傭兵グルーブ、エクスペンダブルズ。ソマリアの武装海賊から人質を救出した彼らは次なる任務に向かう。南米の島国ヴィレーナの軍事独裁政権を壊滅させるというそのミッションは想像以上に困難だった。やがて背景にはCIAの陰謀があったことがわかる・・・
2010/12/09 | 映画, :アクション シルベスター・スタローン
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『エクスペンダブルズ』(2010)
金さえ払えばどんな仕事も引き受ける、自ら”エクスペンダブルズ(消耗品軍団)”と名乗る傭兵軍団の活躍を描くアクション映画で、脚本・監督・主演はシルベスター・スタローン。
他の軍団メンバーはジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、ランデ…
エクスペンダブルズ
安心感が半端ない!
>スタローンならでは
本当にその一言に尽きると思いました。
キャラにピッタリの豪華なキャスティング、それぞれの個性に合った見せ場、気持ち良い男臭さの出し方・・・
こういうアクション娯楽映画は、作る方も見る方も、頭で考えてたら駄目ですね!
哀生龍さんへ
こんにちは〜♪随分とご無沙汰しておりました・・・。お久しぶりです。コメントありがとうございました!
スタローンの作ったこの映画、「あるもの」に対しては何も考えずに楽しむ事ができますが、「ないもの」について考えを及ばせると、徹底してこだわり抜いているのが分かります。
素敵な作品でした!