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■42. カタコンベ

カタコンベ’06年、アメリカ
原題:Catacombs
監督・脚本:デビッド・エリオット、トム・コーカー
製作総指揮:ピーター・ブロック、ジェイソン・コンスタンティン
製作:グレッグ・ホフマン、オーレン・ノウルズ、マーク・バーグ
撮影:マキシム・アレクサンダー
音楽:マイケル・トールマン、クリス・ヒーリングス
美術:クリスチャン・ニクレスク

シャニン・ソサモン  ヴィクトリア
アリシア・ムーア (P!NK) キャロル

カタコンベってそう言えば映画にもなってたじゃない。
ということでせっかくだからUP!

しかし、これはさすがにオススメ出来そうにもない作品でした。
もう全ッ然怖くないのです。

最初のアイディアだけは面白いな、と思うんですよ。
フランスのパリ。美と憧れとロマンスの街。
世界一美しい街の下に位置するのが悪名高き巨大なカタコンベだなんていう、それを使って話を作ろうという辺り、ホラーならでは。

ところが、この映画に描かれる恐怖、というのが、「暗いのって怖いよね」っていう、そこが最大のポイントだった様子。
巨大な地下墓地に一人迷うヒロインの姿がずっと描かれるんだけれど、暗闇というだけで本能的に怖いでしょ?どうどう?みたいな感じ。
きっとこれを撮影していたスタッフの人たちは、すごく怖かったと思うんですよね。ところが、見ている観客にはその怖さはイマイチ伝わらってこない。
画面も全体的に暗いけれど、なんだか見えづらい、という最大の皮肉(苦笑)
慣れれば慣れるほど、「何このホラー、暗いだけかよ!」と思ってしまったらもう馬鹿馬鹿しさを感じる加速度が、高くなること、なること。

一つの要因として自分が思うに、カタコンベに伝わる風説の描き方が、特にイマイチかと。
昔から伝わるようなゴシックな装いの「恐怖話」ではなく、「連続殺人鬼がそこで生まれ育った・・・」という。
ヤギの皮を剥いで顔にお面をつけたシリアルキラーという辺りなんて、もう最近のいくつもあるホラーの一つでしかなくて、変わり映えがしない。

そもそも「動物の面をつけたシリアルキラー」って、『悪魔のいけにえ』とか『十三日の金曜日』みたいに、「神出鬼没」を特徴としていて、被害者の方は絶対的に逃れられない、生命の恐怖が描かれていて、スラッシャー映画と相性のいいものだと思う。
この映画はせっかく現在もある古い歴史を感じさせる場所で描いているのに、殺人鬼の単なる風説だなんて、もったいない。であればはじめからもっとゴシック感のある古いものであって欲しかった。殺人鬼という「本当にいてもおかしくないもの」との相性が非常に悪かった。

もう映画の出来の良し悪しの問題以前に、どうせだったら丁寧に描いて欲しいんですよね。

「ソウ」のシリーズの製作関係者がこの映画の製作をしているのだけれど、誰かというと、製作のグレッグ・ホフマン、オーレン・ノウルズ、マーク・バーグはソウ1,2,3,4,5,6,最新作のザ・ファイナルまでずっと関わってる人。そして、総指揮のピーター・ブロック、ジェイソン・コンスタンティンもソウの2,3,4,5とずっと関わっていた様子なのだけれど・・。

あとP!NKのアリシア・ムーアが出演。こんなところに出ていたのね・・・。

ストーリー・・・
ヴィクトリアは大学生の姉キャロリンを訪ねてパリを訪れる。ヴィクトリアは姉に連れられ、700万体の遺体が眠る地下墓地“カタコンベ“で行われて いるパーティに参加するが、薬と酒により混乱し、道に迷い・・・

カタコンベ@ぴあ映画生活

 

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コメント(2件)

  1. どもー♪
    そうそう、舞台とアイデアは良いんですけどね〜
    暗い→ギャー!→なんだ別のひとか…→暗い→ギャー!→なんだ別のひとか…の無限ループ
    きっと味わうべきはこのミニマル感なんですヨ!
    ウォーホルの初期作を彷彿とさせるとかっつって(笑)
    >どうせだったら丁寧に描いて欲しい
    舞台が700万体の遺骨が眠るカタコンベでしょう
    だから丁寧方向ではなく『オトシモノ』とか『ディセント』みたいにするどくあさっての方向にすっ飛んでくのを期待したんですけどね(笑)
    本作でハリウッド進出のYOSHIKIさまのコメントがあまりにもイカすので転記(↓)
    「怖い映画はあまり好きじゃないけれど、この作品はアーティスティックで気に入ったよ。映画のサントラには興味があった。(映画を)見て感じたままに表現した。人間の性や本質を描きたかった」
    ちょwwおまッww!映画観てないダロ!w

  2. みさま
    こんにちは〜♪コメントありがとうございました!
    いやー…そう言えば、カイマクル地下都市の時に、みさんにカタコンベの話を振ってもらったのを覚えています。
    おかげで、私にとってこなさなきゃいけないミッションの一つが「カタコンベに行く!」でしたよっ。
    私的に、こなせてとっても嬉しい!私が行ったのはフランスのカタコンベではありませんでしたけど、、、(ちなみにマルタ島にもカタコンベはあったのですが、今の時期は行けない
    と言われてしまいました…)
    みさんホイホイの記事だったんですが、引っかかっていただきありがとうございます(笑)
    700万体もの古い墓のある暗闇の迷路を彷徨うのって、きっと怖いと思うんですけど、
    ホラーとしての出来は今ひとつでしたね…
    まあでも、今後も「最新記事」のどれかに必ずホラーがうpされてるブログにしたいという計画があるので、頑張りますよ。
    と、手の内を明かす私…。
    YOSHIKI、言うに事書いてアーティスティックとはw
    きっと完成前のラッシュをいくつか見て音楽作らないといけなかったのでしょうね…
    そうか、これが最初のハリウッド作品だったのですね。
    Repo!はなかなか面白かったですけど
    そうか、オトシモノって私まだ見てないんですけど、面白かったんですね!
    ダンジョン系ホラーとしては確かに、ディセンデントは画期的ですね。
    私もオトシモノ行っとこっと!教えてくれてサンクスです!




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