■37. ゾンビランド
’09年、アメリカ
原題:Zombieland
監督:ルーベン・フライシャー
脚本:レット・リース、ポール・ワーニック
撮影:マイケル・ボンビレイン
音楽:デビッド・サーディ
ウッディ・ハレルソン タラハシー
ジェシー・アイゼンバーグ コロンバス
エマ・ストーン ウィチタ
アビゲイル・ブレスリン リトルロック
ビル・マーレイ 本人
『ゾンビランド』というタイトル!で、ウッディ・ハレルソンに銃を持たせた日にゃー、見ない訳にはいかんでしょう!
ゾンビ映画だから何でもかんでも見たくなる、って訳ではなくて、もうここ数年のゾンビブームにゃすっかり食傷気味、ってトコが本当。
しかし、フト思いをよぎるのは、ゾンビ・コメディ『ショーン・オブ・ザ・デッド』。あの大傑作のような映画だったら、大歓迎。是非見たいよねえ♪って。
なんだかんだ言ってこのジャンルに、後続する良作が思い当たらないものだから。
まるで『28日後』を思わせるかのような、ウィルスのおかげでほとんどの人が死に絶えた設定の近未来。見たような設定と思いきや、開けてみるとこの作品、意外な点が目白押しで、結果グングンポイントが上がってしまったの。
サバイバルで生き残った、強豪なはずの主人公が、何ともひ弱そう!言わば生き残りに全てをかけ、無駄とロマンを省いた、ゴキブリ並の生存ルールを自分なりに作り上げていた、ションベン臭い童貞オタク青年。そのしょっぱいルールは、あまり耳を傾ける気にはなれないけど、まあ一応聞いておいてあげたくなるじゃない?いつか訪れるかもしれない、今後のゾンビ大発生時における世紀末に向けて、参考のために(笑)
そこへマッチョのハレルソン登場!やった!アホなキャラ!
このひ弱なオタク青年とはいかにもソリが合わなそう。その辺も何か可笑しいのねん。
さらに生意気な女たちにコテンパンな目に会わされた後は、もうお人好しでマヌケな凸凹コンビの男共二人組にすっかり共鳴してしまう始末。
そこで気づくと、物語はアレヨアレヨと、何ともオーソドックスな青春映画の様相を見せ始めるの。もはやゾンビ映画とは毛色の違うタイプなんだよね。
まあ正直、せっかくの盛り上がり所で、笑いたかったのにビル・マーレイがいまいち笑えなかったり、
クライマックスはもっとハメを外したハチャメチャっプリを見せて欲しかったけれど、残念ながらそこまでは行かなかった。そこがちょっと勿体無く感じたりした、個人的には。
でも、この作品は例えて言うなら、安心して楽しめる、ゆる系コメディ。
ホラーテイストが少ないため、自分的に点数がイマイチ高くは挙げられない、・・・と思いきや、もともと監督はホラーの人でないのだから、仕方がないかな、と思ったりもする。逆に、そのためにポイントが高く感じられる部分もあるのだから、これなかなかに高得点なのだ。

ウイルスの流行により人々がゾンビ化した近未来。臆病者の青年コロンバスは、みずから定めたルールを守ることで、この地獄をなんとか生き延びていた。やがて頼もしいタフガイや詐欺師風情の姉妹と出会った彼は、ゾンビのいない楽園を目指して、共に旅をする・・・
2010/09/11 | 映画, :コメディ・ラブコメ等, :ホラー・スプラッタ ウッディ・ハレルソン, ジェシー・アイゼンバーグ, ビル・マーレイ, ルーベン・フライシャー
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ゾンビ映画がお好きなとらねこさんとゾンビ映画が非常に苦手な哀生龍とでは、見所ポイントがこんなにも違うんだ!
と、レビューを拝見して笑ってしまいました。
「お人好しでマヌケな凸凹コンビの男共二人組」に対する気持ちだけは、一緒のようですが(^^)
青春ラブコメ、だめだめバディ物、そしてゾンビ。
もう少し巧くミックスしてくれたら・・と思う部分は、多々ありました。
哀生龍さんへ
こちらにもありがとうございました〜♪見所が全く違いましたね(笑)
私ね、この作品絶対哀生龍さん気に入ると思ったんです。キャスト的にも。あと、ダメダメコンビも絶対気に入るだろうってw。
>もう少し巧くミックスしてくれたら・・と思う部分は、多々ありました
確かに、それぞれが食いあわせの悪い部分がありましたね。
でもこれ人気だったんですよね!去年、すごく高い評価を下している人が、意外にたくさん居て驚いてしまいました。
私的にはホラーっぽさがもっと欲しかったんですが、ラストの遊園地での戦闘が、チープ感満載でなかなか良かったですねw