ロボゲイシャ ▲144
’09年、日本
監督・脚本:井口昇
撮影:長野泰隆
音楽:福田裕彦
美術:鈴木阿弥、伊藤ゲン
木口亜矢 ヨシエ
長谷部瞳 キクエ/菊奴
斉藤工 影野ヒカル
志垣太郎 影野拳山
松尾スズキ 豪徳寺鉄馬
竹中直人 金井老人
生田悦子 キヌ
『片腕マシンガール』がなかなか評判の良かった井口昇監督。
この最新作は、YouTubeの動員数がUPしてすぐ70万人を超えたとか、
劇場で見た予告で、そう言ってました〜。
実際あの予告、すごい面白くて。あれ見ると、「この映画ヤバイぞ、早く見なくっちゃ!」という気持ちにさせられてしまったのよネ。
ゲイシャが戦車に変身する!ゲイシャが二つにパカっと割れて、そこから別の人間が飛び出す!こんな予告を見たらもう、それだけで見る気満々になってしまうじゃないか!
しかも、最後には「ギリギリデートに使える映画」と銘打って・・・(余計なお世話だっつ〜の!)
とにかく、この予告編にはそれだけのパワーがあって、「もう、全く訳が分からない。でも、見たら分かるのでは・・・?」なんて思ってしまったのですね。しかし、見たけれど、やっぱり訳が分からなかった
「フジヤマ」、「ゲイシャ」、「ヤクザ」、「テング」というキーワードが散りばめられた日本映画!を作ろうじゃないか!というコンセプトなのだろう。
確かに、こうした「間違った日本観」に我々がぶつかると「全く、ガイジンてヤツは・・・」と思ったりする。
では、その日本観を是正すべく!
日本人自らの手で、そんな「フジヤマ・ゲイシャ」の出てくる映画を作ろう・・・!
そんな志を抱くのも当然!
それなのに・・・出来た映画がコレ!
というのが一番のギャグに、・・・うん、なってます。
この映画のストーリーはちなみに・・・
ゲイシャ、彼女たちはすなわち、政治家たちに送り込まれ、色気たっぷりに接待する存在。そこに政府は目をつけ、この影野製鉄という企業を雇い、彼女たちを生物暗殺兵器として生まれ変わらせる計画を練った。ある日、ゲイシャである菊奴の妹・ヨシエは、影野製鉄の若社長、影野ヒカルに目をつけられ、姉妹は二人とも、食事に呼ばれたのだった・・・。
さて、全体的にグダグダした物語ではあったけれど、一番良かったのは天狗ガール。アクション自体も、主役の木口亜矢がいかにも運動神経悪そうなアクションをしてたのと対照的に、テングの二人組はなかなかカッコ良かったし。
それに、天狗ガール二人のファッションも、レザー系ボンテージで、クールでコワモテで、とってもイケてた。
ブラが天狗顔ってのもなかなか強烈。
さらに、お尻から刀が生えて、尻尾みたいに立ち回りする、
「なんて恥ずかしい格好!」なんて言いながら戦うシーンはなかなか良かったカナ。
さて、この先ネタバレです::::::::::::
こ
の
先
、
ネ
タ
バ
レ
それから、富士山の火口に巨大手榴弾を投げ込んで、日本征服を図ろうとする悪役がいる!
富士山自体、こうした使われ方って、とっても斬新なのでは
しかも、この巨大手榴弾を投げ込むのに、城がトランスフォーマーして、人型ロボットになり、動き出す・・・。
まるで、夏のガンダムのよう!(だよね、きっと?)
それにしても、何ていう効率の悪さなんでしょう・・・わざわざ城型ロボットを動かして、その巨大な手を使って富士山の火口にグルネードを投げ込む、という・・・ものすごい無駄な労力使ってないか、それ?(笑)
さらに、この城型ロボットの操縦の仕方がなかなかにレトロで良いんですね。
ロボットの中枢に、自分の体の部位をそれぞれ繋ぎ、その神経と連動させる。
城型ロボットが同じ動きをして、富士山を歩いて登って行き、自らの手で手榴弾を投げ込むんです・・・
このシーンは本当、最高に馬鹿馬鹿しくて、最高にイイシーンだったなあ〜。
そのくせ、最後は家族愛や親子愛に、ちょっとホロっとしてしまったりして、思わず泣きそうに!
とそんな自分に気づき、あまりに意外すぎて可笑しくなってしまったよ!w
ガハハ!
2009/10/16 | 映画, :アクション, :コメディ・ラブコメ等
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コメント(10件)
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「片腕マシンガール」の記事がUPされたので期待していたらいきなりですね!嬉しいッス。
輸出型の戦略的国辱映画、私も早速観ました。
天狗の2人のアクション素晴らしかったですね。井口作品でお馴染みの亜沙美。それに泉カイ。映画の中では亜沙美ほどパッとしないような気もしたけど、この人のポールダンスは一度生で見たいです。
「ロボゲイシャ」
戦略的国辱映画、井口昇の痛快娯楽活劇炸裂!{/bomb/}
「ロボゲイシャ」2009年 角川映画 監督:井口昇
地味な少女ヨシエ(木口亜矢)は、芸者で美ぼうの姉の菊奴(長谷部瞳)の付き人として、毎日置屋でこき使われていた。ある日、お座敷にやって来た影野製鉄の御曹司で…
まだ観てませんが…
ここまで来ると、楽しくてしゃーないです。
尻刀!!!って(爆)
でも予告だけでちょっとお腹いっぱい。
imaponさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
すいません、ちょっとコメント返しが遅くなってしまいました、、、出かけてました。
>輸出型の戦略的国辱映画
この一言、オツですねー♪なかなか言い得て妙で☆
天狗の二人のうちの一人が亜沙美だったのですね、なるほど!
泉カイ、ポールダンサーだったんですね!しかも、亜沙美と泉カイのポールダンスショーが、シアターNで今日18時半の回でやるらしいですね!
私はこの時間、東京国際に行くので見に行けませんが。。
imaponさんはご覧になるのでしょうか?!
私は公開二日目に見に行ってしまったのですが、シアターNは、なかなか楽しいイベントがやる時あるので、イベント情報をチェックしてから行くべきだナーなんて思ったりもします。
ochiaiさんへ
こちらにもコメントありがとうございます〜♪
これ、結構人気で、座席の埋まり具合もなかなかだったんですよ!サービスデイでもなかったのに。。。
尻刀は、なかなか馬鹿バカしいシーンで良かったです♪
あ、そうそう、今ochiaiさんも、TIFF通われてますよね。どこかでバッタリ会えないかなあ?なんて期待しているんですが。
ロボゲイシャ
公式サイト。井口昇監督、木口亜矢、長谷部瞳、斎藤工、生田悦子、志垣太郎、松尾スズキ、竹中直人。現代的斬新さと戦前や終戦直後の映画を思わせる古典的なケバさがないまぜになり、日本かぶれの外国人が作ったらこうなるかも、と勝手に日本人が作ったような国際的B級ぶり。
ロボットものの映画は大概おさえてるつもりでしたが、こいつは知らなかった・・・
負けたぜ・・・ とらねこさん・・・
日本のロボット技術って世界でもトップレベルなんですよね。『トランスフォーマー』だって原案は日本だし(折り紙から思いついたそうです)
だからロボット→日本→ゲイシャというこの図式はまことにただしい
記事読んでいて、米米クラブの『ファンク・フジヤマ』を思い出しましたよ
♪エービバデ サームライ スーシゲイシャー
最近の洋画では、『G.I.ジョー』の日本描写なんかなかなかひどくてよかったです(どっちだ)
SGA屋伍一さんへ
こんにちは〜♪コメントありがとうございました。
そうかー、SGAさんは、「ロボットものを中心に押さえよう」という意識が働くんですね。
>日本のロボット技術って世界でもトップレベルなんですよね
AIBOとか?
トランスフォーマーが公開された時、こういうのを喜ぶのって日本人だけじゃないんだなーなんて思いましたね。
>ファンク・フジヤマ
懐かしいですね〜。私当時米米クラブ好きでした!
この曲もお気に入りだったな〜。
カールスモーキー石井の影響で、フェリーニを見始めたんですよ、私。アハ♪
>『G.I.ジョー』の日本描写
ハハ!そうなんですか。そう言われるとちょっと気になりますね。どの辺が酷いんでしょ?w
ちなみに私のお気に入りのヘンテコ日本描写は、『オースティンパワーズ ゴールドメンバー』です。
あれ最高に好きなんです。あれ、間違った日本観をギャグにしているところがいいんですよね。もう楽しくて。
映画「ロボゲイシャ」
監督:井口昇(真性の変態ですね)
出演:木口亜矢 長谷部瞳 斎藤工 志垣太郎(ロボ??!!)松尾スズキ
出演:竹中直人(ある意味浮いていた)生田悦子 くまきりあさ美 中原翔子 亜紗美
冴えない芸者のヨシエは、ある日、謎の二人組「天軍(テングン)」…
「ロボゲイシャ」
(2009年・角川映画/監督:井口 昇) 海外で製作したスプラッター・アクション「片腕マシンガール」が逆輸入され、予想外のヒットとなった井口昇監督が、今度は日本国内で監督した、