片腕マシンガール ▲143
’08年、アメリカ
原題:The Machine Girl
監督・脚本:井口昇
撮影:長野泰隆
特殊メイク・造型:西村喜廣
八代みなせ アミ
亜紗美 杉原ミキ
島津健太郎 木村龍二
穂花 木村スミレ
川村亮介 ユウ
石川ゆうや 杉原スグル
これ、当時なかなか評判が良くて、見に行こうかどうしようか・・・と思っているうちに、終わってしまった作品。DVDになったら早速見ようと思っていたところ、ボヤボヤしているうちに、新作映画『ロボゲイシャ』の公開が、あっという間に来てしまった。早い!でっ、出遅れた!
「海外で人気の高いお馬鹿映画」というフレコミなのだけれど、どーしてどーして。これ、かなりお馬鹿映画偏差値が高くないと、ちょっとついていけない。
このポスターを一目見れば、タランティーノ&ロドリゲスの『グラインドハウス』の、『プラネット・テラー』のパクリ・・いや、オマージュを捧げた作品であることは一目瞭然だッ!
あの『プラネット・テラー』の女の脚に装着された銃の画は、ここ最近で一番驚くべきセンスのポスターだった、と私は思う。
何が凄いって、「あれ、どうやって装填し、どこに引き金があるんだろう・・・」などというマトモな質問を、一蹴してしまうインパクトがある。
そうだ、ここなのだ。
「とにかくカッコいいし、こんなん見てみたことなかったから、まあいいや!」
と思って、ゴタクを並べる気持ちもどっかに行ってしまう。
この、イマジネーションの跳躍力こそ、決して「普通の人」には出来ないセンスである。
映画に何かを求めるとすれば、その中の一つが、こうしたセンス・オブ・ワンダー。という私でありたい。
最近、随分マトモな映画ファンだなあ、と自分のことを思う私だけれども、「大人しい、マトモな映画ファン」にはなりたくなんかない。「クラシック作品のゴタクを偉そうに並べる」のは、百年先に取っておきたい。
たとえば酒で言えば、味も大してよく分からないクセに、「このウィスキーは何年モノで・・・」などと語るタイプの人間は、自分の友達には欲しくはないのだ!
と言っても、この映画は、なんというか
焼酎の「大五郎」に、かさを増やすために、
まかり間違ったか、アルコール成分というだけで、ガソリンや灯油を継ぎ足したような、
そんな闇鍋的な飲み物、というか・・・。
ハナっから、普通のウィスキーにすら適わない、そんな感じではあります(笑)
セーラー服、銃、ヤクザ、テンプラ、のキーワードが思う存分詰め込まれたこの作品。
これまたケッタイなセンスの、アクション満載・力いっぱいな、ジャパニーズ・スプラッタ!!
ところどころギャグは滑っていて、スプラッタも安っぽいけれど。
だからどーした!きるびるだ!
清々しいような、愛しいような気持ちになってしまう。
一番印象に残ったのは、腕がテンプラになっちゃうシーン。
これはもしかしたら、タランティーノが、日本のアクションで「見てみたかった」シーンなのではないか!?
と思えるような、馬鹿馬鹿しさ。
これはちょっとポイントが高い(たぶんな!!)。
まあ、本気でくっだらない作品だったけれど、一番面白かったのは、井口監督自らが出演した(パンツ一丁で)、「鷹の爪もかくや」な、マナームービー。
ここが一番面白かったよ!
映画の導入ですらない、映画以外の部分、ここが一番面白いなんて・・・。
それって、ちょっと反則なんじゃ?ッて思いますよネ。
「いや、これこそ販促(ハンソク)なんです」
なんていう、ダジャレとか聞かされるんかな?
(いやいや、そんなこと、ないない)

女子高生・アミは、両親が自殺したために、たった一人の弟ユウと暮らしている。ある日、ヤクザの息子をリーダーとした不良グループによるイジメで弟が殺さ れてしまう。アミは、ユウの残した“殺したいやつ”ノートを元に復讐を誓うが、逆に捉えられ拷問に合い、片腕を切り落とされてしまう。何とか脱出し、同じ く息子を失った母親・ミキと共に、再び復讐するための特訓を開始する・・・
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コメント(12件)
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映画 「片腕マシンガール」
お暑い日が続きます。夏バテ大丈夫ですか?{/hiyo_en2/}
夏バテ対策におバカで下品な映画見てギャハハハハというのも良いかなと思います。
河崎実の「ギララ」も捨てがたかったけど和製プラネットテラーでセーラー服にマシンガンというのはグライドハウス感を大いに期待で…
片腕マシンガール
2008年8月20日(水) 21:00?? シアターN渋谷1 料金:1000円(水曜割引) パンフレット:700円 『片腕マシンガール』公式サイト 満席、立ち見。水曜1000円の日だからか?75席しかない劇場だが。(俺は、混雑を想定し、1時間以上前にチェックインしたので、座ったけど。…
昔から、コブラの腕の仕込み銃、百鬼丸の腕の仕込み刀で
慣れてる?日本だものー(笑)
でも、実写でやっちゃうとなると、さすがに凄いインパクト。
ochiaiさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
>昔から、コブラの腕の仕込み銃、百鬼丸の腕の仕込み刀で慣れてる?日本だものー(笑)
おーなるほど!。。。と言っても私は、百鬼丸の方しか分かりませんでしたが。。。
何も、『片腕カンフー〜』だけじゃない!ってことですよね♪
おっしゃる通り、実写でやるインパクトはありました☆
コブラはこれですよ↓
http://image.blog.livedoor.jp/yakope/imgs/6/d/6dc3a018.JPG
http://ecx.images-amazon.com/images/I/51D5BQE7Y4L.jpg
子供の頃、アニメ化(映画、TVともに)もしていて↓
http://www.schaft.net/n00bs/diary_img/SPACE_COBRA.jpg
しかもTVなんかゴールデンタイムなのに、こんなセクシーな
半裸のお姉さま満載でいいのかしらん?と子供心に
ドキドキワクワクしながら見てました。
カックイイーのです。セクシーアーマロイドのレディも素敵♪
あ、なんか投稿のリンク、ちょっとヘンになっちゃった。
ごめんなさい。(1つめは2個はってます。)
ochiaiさんへ
こんにちは♪
おお、すごいですね!コブラも、そのものズバリな画だったんですね。
へえ、アニメにもなっていたんですか。
話もなんだか面白そうです、
しかしこれ、全然今まで聞いたことなかったんですよ。さすがochiaiさんは詳しいなあ、、
リンクは直しておきました♪
このレーベルはいい意味で狂っていますね。
原口智生監督がテキトーに脚本を書いたという「デスガッパ」が次に公開かな。
シアターN渋谷、万歳です。
バラサ☆バラサさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
>このレーベルはいい意味で狂っていますね。
いやあ、本当ですね。ここまでやってくれると応援したくなりますね。
『デスガッパ』が次回作ですか!なんとこの原口智生監督って、元々特殊メイクの方だったんですね。
『盲獣vs一寸法師』や『空気人形』までこの人じゃないですか!
ソースはこちら↓
http://twitchfilm.net/news/2009/07/tomoo-haraguchi-introduces-you-to-his-death-kappa.php
このポスターもなかなかイカレてますねw
デスガッパのYouTubeも見つけました↓
http://www.youtube.com/watch?v=khHYvpPHcmY
こんばんは♪
大人しいマトモな映画ファンが通りますよ
梅に鶯、月に雁、セーラー服と機関銃(笑)
いや、機関銃というより見た目はガトリング銃なんですが、銃身は回転しないし稼動部っぽいとこは雑な溶接でくっ付けたみたいだし造りこみ甘過ぎてメカ+少女萌え心はくすぐらんのぉ思てたんですが…
CG予算都合の二者択一、銃身とドリルブラとどっち回転させるかで井口監督迷わずドリルブラをチョイス!
それじゃしょうがないなー
ドリルとブラつったらボンクラ男子の二大好物ですからね(笑)
それ回さずして何を回すヨ!ってなもんで
http://www.spopro.net/machinegirl/comment.htm
鈴木則文氏のコメントにはフイたけど…
「鋭い批評性」って(笑)
豪ちゃんと寺沢氏にコメントもらいにいくのも鉄板
片腕にガンだと私も思い浮かべるの『コブラ』だなー
みさま
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
セーラー服と機関銃!対するはドリルブラ〜♪
そうか、銃身の分まで代わりにドリルブラが回ってたんですね〜^^*
ブハハ!鈴木則文のコメントすごく力がこもってましたね☆
これはさすがにご本人が自ら「うんしょ」、と考えて寄せてくれた本心なんでは!?って気がしちゃいました。
愛がこもってますもんね〜
そうそう、ブブ〜ッと噴いてしまいましたがw
鋭い批評性かどうかは知りませんが、河合隼雄も似たようなこと言ってた・・・カナ?いや、言ってませんねw