女獣 ▲141
’60年、日本
監督:曲谷守平
脚本:葉山浩三、志原弘
製作:大蔵貢
撮影:平野好美
音楽:三保敬太郎
松浦浪路 瀬川路子(鈴子)
小畑絹子 木村朝子
菅原文太 杉山正一
細川俊夫 安藤捜査第一課長
西朱実 婦人警官教育主任
製作年代が’60年、という時代を感じる物語でありながらも、潜入捜査モノのサスペンスで、グイグイ進んでゆく物語。囮捜査に体を張って、婦人警官である主人公が、女不良グループの中に入っていく姿が眩しい。
シネマヴェーラの「妄執・異形の人々Ⅳ」特集ではあるけれど、エロ的描写は想像を掻き立てるのみで、むしろ一度も女性の裸の姿が出てこない辺りは、健全なサスペンス、と言えるかも?
随所随所に「こういう映し方ってあんまり見ないなあ」というところがあって、それを楽しむことが出来た。
新宿の姿は、まるで今とは違っていて、どこで撮影したのかも、自分には思いつかないぐらいだったりするところが新鮮。
麻薬密売を扱った物語であるところが、図らずもタイムリー?麻薬の禁断症状や、中毒患者の描写は、とても力が入っている。
麻薬を打たれてヤクザの女にさせられてしまい、自分の復讐とは裏腹に、体が思うようにならない朝子役、を演じた小畑絹子もなかなかに印象深く。
女不良グループの中に居て活躍する鈴子(路子)役の松浦浪路と好対照で良い。
もうちょっとエロ描写があればもっと面白かったかもしれないけれど。
いや、そんなにエロ描写ばかりが見たいって訳じゃないんだけど(アセアセ)。

東和銀行の現金輸送車が襲撃され、現場に残された遺体から新宿の不良グループと関連アリと見た警察は、婦警の路子に潜入捜査を命じた。変名を使いズベ公たちに紛れて捜査を進めるうちに麻薬中毒者の朝子と出会った路子は、殺された父の復讐を果たすために身を落としたという朝子をシロだと信じるが・・・(シネマヴェーラ説明より)
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