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九月に降る風 ▲130

九月に降る風’08年、台湾
原題:九降風
監督・脚本:トム・リン
プロデューサー:エリック・ツァン、イェ・ルーフェン
脚本:ヘンリー・ツァイ、トム・リン
撮影:フィッシャー・ユイ
音楽:ブレア・コー
美術:リー・ティエンチュエ
編集:チェン・シャオトン

リディアン・ボーン  イェン
チャン・チエ  タン
ワン・ポーチエ  ヤオシン
ジェニファー・チウ  ユン
チー・ペイホイ  ペイシン
シェン・ウェイニエン  ポーチュー
チウ・イーチェン  チーション
リー・ユエチャン  チョンハン
リー・チータイ  チンチャオ
エリック・ツァン  この作品のプロデューサー、イェンの父役
リャオ・シンシュン  本人

台湾から、爽やかな風が届いた。

どこにでも居そうな高校生の青春群像。見ていてとても清々しい気持ちになる。
多少ヤンチャで、学校の先生を手こずらせたりするけれど、よくあるタイプの男の子たち。男同士でツルんでふざけている姿が、なんだか羨ましくなってしまう。
男の子の方が余計、共感できるタイプの映画なのかな。

クラスの男子が、集団でツルんでいたりすると、なんとなく女子からは、遠目に眺めるような気持ちになる。この映画でも、初めはそんな印象だった。
初めは集団で「一つの個性」のように思えるけれど、物語が進み、グループに亀裂が入り始める頃には、次第にそれぞれのキャラクターの個性が見えるようになっていた。

まるで、4月にはそれほど思い入れがなかった、自分のクラスの男子が、
二学期の半ばごろには、いつしか、それぞれの個性が把握できるようになっているかのように。

ちなみに私の場合は、中学三年の時、5人の男の子のグループと、親友と私とで、放課後に一緒に勉強をしたり、遊んだり、当時の両思い(ww)だった男の子と、自転車で一緒に二人乗りして帰ったりしていた。
私がグループ交際のように、大したことは何も出来ないで、一緒に帰るだけで心臓が飛び出そうな思いをして居たのと対照的に、私の親友の方は、隣のクラスに彼氏が居て、休日に一緒に勉強したり、もっと仲が進んだりしていていた。おかげで私には、「部屋で一緒に勉強する」シーンは、私は余計な想像を膨らましてしまう。

ちなみに、この映画でペイシン役(ユンの友達の女の子)のチー・ペイホイ、台湾の黒木メイサみたいにカワイイ。目が綺麗。すごく印象深い子だなあ、と思っていたら、なんと、この映画の出演後、この映画の小説を書き、それが絶賛されたらしい。元はアイドル的存在で、文化学科でロシア語を学んでいる子とのこと。

他、イェン役のリディアン・ボーンといい、タン役のチャン・チエといい、役柄にピッタリなイメージの若手俳優を起用している。今後、この監督トム・リンの名前と共に、覚えておきたい俳優さんがいっぱいで、なかなかに堪能できる作品でした。

ストーリー・・・
1996年、台湾の地方都市の高校へ通う若者たちがいた。イケメンで女にモテながらも男気があり、皆のリーダー格であるイェン、生真面目で優等生のタン、 落第生のヤオシンら男子7人は、年齢も性格も違うが大の仲良しだ。ある夜、ビリヤード場でイェンと間違えられたタンは、イェンがナンパした女の子の彼氏に 殴られ、ケガをしてしまう。それをきっかけに、彼らの関係は次第にギクシャクしていく・・・

九月に降る風@映画生活

 

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コメント(7件)

  1. 『九月に降る風』 

    風のように透明でさわやかなる台湾映画と青春の思い出
    1997年夏。竹東高校卒業式の朝、タンは1年前の夏の出来事を独り静かに振り返っていた。九月といったら、日本では夏休み明けの2学期を迎える季節なんだけど、台湾では、欧米と同じく、新年度が始まる節目の格別に感慨…

  2. とらねこさん、你好。
    旅と映画をリンクさせることでどちらもより味わい深くなりますよねー。
    映画によっては、男の子の世界は女にはわかんないーってなっちゃうんだけど、これはすんなり浸れちゃいました。
    見分けのつきにくい無名のアジアンな俳優たちのに、ホント、中盤にはそれぞれの個性がわかってきて、親しみを感じられるんですよねぇ。
    5VS2とは、おいしいですなー

  3. かえるさんへ
    ニイハオ〜♪コメントありがとうございました!
    >旅と映画をリンクさせることでどちらもより味わい深くなりますよねー
    いやー、今更ながら、台湾映画をいろいろと復習しよう!という気持ちでいっぱいの私です。
    かえるさんがオススメしてくださったツァイ・ミンリャン、早速見なくっちゃなんて。かえるさんの見る目に間違いはなーいっ。とっても嬉しいです、オススメありがとうございます〜♪
    昨日は変な台湾&日本製作のホラーを見てしまったところなのですが><
    本当、この作品は、とても温かくて懐かしさが漂いますね。
    青春映画をこんな風にみずみずしく描くところがとても好感度が高くて・・
    だんだん彼らの気持ちに寄り添えるように見れるんですよね。
    無名にかかわらず、それぞれがとても印象深い俳優さんたちで、これまた良かったですね^^*

  4. 九月に降る風

    2009年9月19日(土) 16:20?? ユーロスペース1 料金:0円(会員ポイント使用) パンフレット:700円(それなりに充実しているが、買っていない) 『九月に降る風』公式サイト 台湾産青春映画。舞台は、台北の南の新竹市なる田舎町。この辺は、昔を思い出し郷愁がそそ…

  5. 九月に降る風

    この煌めきが風になる
    製作年度 2008年
    原題 九降風/WINDS OF SEPTEMBER
    製作国・地域 台湾
    上映時間 107分 PG-12
    プロデューサー エリック・ツァン(曾志偉)、イェ・ルーフェン(葉如芬)
    監督・脚本 トム・リン(林書宇)
    出演 リディアン・ヴォーン(鳳小岳)/チャン・チ…

  6. 以前お邪魔した時に、
    なんか好きなニオイを感じて観て見たいと思っていました♪
    群像劇は顔と名前を一致させるのが、私には試練というか・・(爆)
    ちゃんと覚えないうちにスゴイ展開がないようにといつもドキドキですが、
    間に合いました(笑)
    他愛ない会話の中にも、そのキャラを投影して後で納得という、
    脚本もよかったですね!好きな作品でした

  7. kiraさんへ
    こんにちは〜♪コメントありがとうございました!
    おお、kiraさんがこういった作品に反応を示されるとはとってもうれしいです!
    そしてkiraさんも、この作品は気に入られたのですね!
    私も、この作品はとても心地よい空気感に包まれていて、苦さもあるのですが、居心地がいいんですよね。
    kiraさんは、群像劇は苦手でいらっしゃったのですか。
    この作品はたくさんの男子高校生が出て来てましたね。中心となる二人のタイプが違っていましたから、区別がつきやすかったですね。




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